(朝鮮日報 2019/01/30)

 韓国の保守系野党・自由韓国党の郭尚道(クァク・サンド)議員は29日に開催された党内での会合で「文在寅(ムン・ジェイン)大統領の娘・タヘ氏とその家族が昨年7月に東南アジアに移住した」と指摘し、大統領府に対し移住の理由や警護費用など、関連する情報を公開するよう求めた。郭議員によると、タヘ氏の夫は2010年に購入したソウル市鍾路区のビラ(低層マンション)を昨年4月にタヘ氏に贈与し、タヘ氏はこれを3カ月後に突然売却してから夫や息子と共に移住したという。

郭議員は「夫が昨年3月にそれまで勤務していたゲーム関連企業を退職し、妻にビラを贈与した理由を説明せよ」
と要求した。文大統領の孫は現地の国際学校に通っているという。

 郭議員は「ちまたでは夫が通っていた企業に政府が200億ウォン(約20億円)を支援し、うち30億ウォン(約2億9000万円)が不当に支出されたといううわさもある」「資産の差し押さえを逃れるため、大急ぎで贈与し処分したといったさまざまな推測もある。これら全ての事実関係を明確にしてほしい」とも求めた。夫が勤務していた企業はソウル市江南区にある社員20人のトリゲームズで、夫は2016年2月に入社した。14年に設立された当時の社名はNXスタジオだったが、文大統領が当選した後の17年10月に大統領の愛犬「トリ」と同じ名称に変更したという。

 郭議員は文大統領の孫が通っていたソウル市内の小学校の書類も提示した。郭議員によると、タヘ氏は不動産を売却した翌日の昨年7月11日「定員外管理児童願書」と書かれた書類を学校に提出したが、これには「海外移住」という理由に加え、移住先とその国名も記載されていたという。大統領府のチョ・グク民政主席は昨年、タヘ氏の不動産売却について「2018年12月28日付のメディアの報道で知った」と証言しているが、これについて郭議員は「タヘ氏とその家族は昨年6月に出国した。大統領の家族や親戚の管理を担当する民政主席室は何をしていたのか」と指摘した上で「教育問題や経済状況に対する不満など移住の理由は何か、また海外での警護に伴う追加予算などを明らかにすべきだ」と求めた。

 これに対して大統領府の金宜謙(キム・ウィギョム)報道官は「郭議員が取り上げた数々の憶測は全く事実と異なる」と反論した。金報道官は「学校関連の書類を取得してこれを公表する行為は個人情報を侵害するもので、その経緯や公表のプロセスを確認した上で応分の措置を取る」と述べた。金報道官はさらに「1980年以降、大統領の直系家族が海外に滞在したケースは文大統領を含め9人で、いずれも法律と規定に従って警護が行われた」と説明した。すると郭議員は再反論の資料を提示し「大統領府に家族関連の資料を求めたが、回答はなかった」「警護員が海外に滞在する費用など、追加の予算について調べることは国会議員として当然の職務だ」などと主張した。郭議員はさらに「国会議員の口を封じ込めるため『応分の措置』という言葉を使ったことには失笑を禁じ得ない」とも述べた。


(中央日報 2019/01/30)

文在寅(ムン・ジェイン)大統領の娘ダヘ氏家族が昨年住んでいた家を売却し、現在海外在住という事実が明らかになった。自由韓国党の郭尚道(クァク・サンド)議員はダヘ氏の小学生である息子が現在東南アジアにあるインターナショナルスクールに在学中だとし、その背景を明らかにすることを求めた。

青瓦台(チョンワデ、大統領府)は海外在住の事実は認めながらも「根拠がない陰湿な攻撃性の虚偽流布であり、違法性はなかった」(キム・ウィギョム報道官)と反論した。また「経済状況関連や子どもの教育目的ではない」としつつ「大統領の家族の私生活公開を要求することは政治的襟度を逸脱したものであり安全性を危うくすること」と話した。

しかし、このような釈明は国民の疑問を解消できずにいる。現職大統領の家族の海外移住が非常に異例的であるのに加え、旧基洞(クギドン)のマンションの売却も通常の方法ではないため、一部では「節税のための便宜的贈与」疑惑まで提起している。文大統領が住んでいたマンションを婿のソ氏に売却し、ソ氏がこれをダヘ氏に贈与したが、ダヘ氏は3カ月で家を売って海外に出た。大統領家族や親戚だからと言って海外移住に不利益を受けたり子どもを外国の学校に行かせてはならないという道理はない。だが、その過程に釈然としない部分がある上、大統領の直系家族は予算を使って管理警護しなければならない公的対象であるだけに海外移住について国民にも知る権利がある。さらに移住によって追加の警護人材と予算がかかるため青瓦台がその転末を説明するのはおかしなことではない。

加えて、ダヘ氏家族の移住がソ氏が勤めていたゲーム会社に対する政府支援金の横領・流用疑惑とも関連あるのではないかという問題提起についても十分に解明されることが望ましい。国民は2017年5月8日の大統領選挙の最後の選挙遊説にサプライズ登場して「専業主婦が暮らしやすい国、子どもたちが幸せな大韓民国を作ってほしい」と語ったダヘ氏の姿を鮮明に記憶している。ダヘ氏家族の突然の海外移住について知りたがるのが当然である理由だ。