(朝日新聞 2019/01/28)

 日本企業に対する元徴用工らへの損害賠償判決、海上自衛隊哨戒機への火器管制レーダー照射問題、日韓慰安婦合意に基づいて設立された財団の解散――。昨秋以降、日韓関係は悪化の一途をたどる。韓国側の対日姿勢が厳しくなったように映るが、背景に何があるのか。かつて統一相を務め、いまは京畿道の教育行政トップ、教育監の李在禎(イジェジョン)氏に聞いた
※教育監:直接選挙によって選ばれる[17広域自治体(市道)]。日本の教育長に相当(任免は地方自治体の議会の同意を経たうえで首長が行う)。

 関係悪化の原因は、いまだに過去の植民地支配という歴史問題が根本的に解決されていないからだ

 1919年3月1日。朝鮮半島で独立運動が始まり、100年を迎える今年、韓国では様々な催しがある。私が教育監を務める京畿道でも、生徒に100年前の(独立運動の)精神をつないでいく学習プログラムを準備中だ。記念日を控え、韓国人は過去の辛い記憶を思い出す。そういう時期なので、韓日関係はもっと悪くなるだろう

 韓日両政府は1965年に(日韓基本条約で)国交を正常化し、請求権協定を交わした。日本では、徴用者の問題も慰安婦の問題も、協定で解決されたとの意見が強い。だが、冷戦下で結ばれた協定は、米国の北東アジア戦略を反映した「妥協の産物」だ。今も多くの被害者は心に傷を負い、癒やされていない。日本企業に徴用被害者への賠償を命じた大法院(最高裁)判決は、韓日の政府間合意とは関係ない。被害者の個人請求権は消滅しておらず、大法院が韓国の法律に照らし、原告の権利や尊厳は守られるべきだと判断したものだ。

 朴槿恵前政権と安倍政権が交わした慰安婦合意も、多くの被害者は受け入れていない。韓国では政府が問題を解決したと考えても、国民がおかしいと感じたらひっくり返す。日本では理解しづらいことかもしれないが、政治文化の違いだ

 何度も謝っているのに韓国は許してくれないという不満が、日本にあるのを知っている。でも、韓国の国民は、慰安婦問題や歴史教科書の問題で日本国内から出てくる言動を見る度に、心から謝っているわけではないと感じてしまうのだ。

 私は、次の世代を担う韓日の若い人たちに期待している。独立運動から100年、日本では元号が変わる今年。難しいとは思うが、真の友好関係に向けた新たな出発の年になればうれしい。(聞き手・鈴木拓也)
     ◇
 1944年生まれ。韓国の聖公会大総長、国会議員を経て、2006~08年、盧武鉉(ノムヒョン)政権で統一相を務め、07年の南北首脳会談に同席した。14年からソウル近郊の京畿道の教育監。


だから「国家としての体をなしていない」(中曽根弘文参議員)と言われるんですよね。


 統一部長官を務めた李在禎の総毛立つ主体思想美化
(統一日報 2012/06/28)

(略)李在禎は、▲天安艦爆沈に関して「どのように誰にも感知されずこっそり北韓潜水艇がきて撃って帰られるのか(2010年5月22日、京畿放送の時事対談番組‘時事21’)」と話し、▲「NLLは基本的に決して領土の概念ではないと思う(2007年8月10日、国会外交通商委員会)」と明言し、▲「西海交戦の時、安保をどう護るのかということへの(われわれの対応)方法論に対して私たちが反省しなければならない(2007年8月18日、国会南北平和統一特別委)」と喋った。

こういう者らは北韓政権に対しては限りなく寛大で北韓住民に対してはこの上なく残忍だ。

彼は▲平壌で『金正日花』を誕生日のプレゼントとしてもらっては「一生に忘れられないうれしい誕生日(2007年3月4日、デーリーアン報道)」と言い、▲北の先軍政治に対しては「金正日総書記推戴10年、金委員長が推進してきた強盛大国政策の一定の完成を以って金正日委員長の統治力量が北の内外に立証された面がある(2007年1月24日、文化日報、東北アジア未来フォーラムの講演)」と主張した。

反面、▲北韓人権問題に対しては、「民主化された国々も類似の経験がある。あの内容を検証できる方法がない。事実であるかを判断できない(2006年11月17日、統一部長官人事聴聞会)」とほざき、▲北韓の麻薬取引など不法行為に対しては「確定的に明らかにされた内容はないと思う(2006年11月17日、統一部長官人事聴聞会)」と喋った。

李在禎のような人間が統一部長官を務めても持ち堪えた祖国が偉く感じられる。しかし、従北が再び国家権力を彼らのものにする日、韓国はこれ以上韓国として存続できないだろう。(略)(括弧・引用符修正)