(時事通信 2018/12/28)

 防衛省は28日午後、海上自衛隊のP1哨戒機が韓国駆逐艦から火器管制レーダーの照射を受けた問題で、当時の状況を撮影した映像を公開した。2度にわたり照射され、目的をただす緊迫した場面などが映っている。韓国側が事実関係を否定していることを受けた対応で、日本側の主張を裏付ける証拠だとして、国際社会に訴える考えだ。

 映像は全体で約13分。防衛省のホームページで公開した。機長が搭乗員に対し、レーダー照射を探知した後、駆逐艦の武器が哨戒機に向いているかを確認するよう指示している

 さらに無線で駆逐艦に向け、英語で「貴艦の火器管制レーダーがわれわれを指向したことを確認した。貴艦の行動の目的は何ですか」と3回呼び掛けたが、応答がない様子も記録されている

 防衛省は映像について、自衛隊の持つ能力が分かるような部分をカットするなど情報保全の処理を施す一方、国民が視聴して理解が進むよう字幕を付け加えた。


緊迫13分防衛省が映像公開 韓国軍レーダー照射
(FNN 2018/12/28)

(略)韓国の駆逐艦の近くに、北朝鮮の漁船とみられる船が映っている。

韓国側は当初、北朝鮮の漁船を捜索するためにレーダーを使ったなどと主張していたが、この主張に反し、漁船の船員はすでに救助されたあととみられる。

また、哨戒機は駆逐艦から一定の距離をとり、駆逐艦の上空を飛んでいなかったことがわかる。(略)


(読売新聞 2018/12/28)

(略)駆逐艦から約950メートル離れた位置には、韓国警備救難艦と北朝鮮籍とみられる漁船も映っていた。漁船を救助していたとみられる。現場は好漁場の大和堆やまとたい付近だという。

 韓国側は当初、遭難した漁船を捜索するためにレーダーを使用したと説明した。しかし、救助が始まっていたとすれば、捜索活動は終わっていたことになる。韓国側の説明と異なり、天候も良好な状態だった。(略)

 日本側は、この映像を27日の日韓防衛当局間の協議で示した。韓国側がレーダー照射を否定したため、日本の主張の正しさを国際社会に訴えるため公開に踏み切った。




(防衛省 2018/12/28)

 12月20日(木)に発生した韓国海軍「クァンゲト・デワン」級駆逐艦から、海上自衛隊第4航空群所属P-1(厚木)への火器管制レーダーを照射された件について、当該P-1において撮影した動画を防衛省ウェブサイトで公表しました。

 動画においては、海自P-1が、火器管制レーダーを一定時間継続して複数回照射されたとみられる場面や、海自P-1が当該駆逐艦から一定の高度と距離をとって飛行していること、また、海自P-1が当該駆逐艦に対して、「韓国海軍艦艇、艦番号971(KOREA SOUTH NAVAL SHIP, HULL NUMBER 971)」と英語で計3回呼びかけ、レーダー照射の意図の確認を試みたことなどが記録されています。

 なお、情報保全の観点から、映像中、一部音声の処理を施している箇所があります。



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(聯合ニュース 2018/12/28)

 韓国の艦艇が20日、遭難した北朝鮮の漁船を捜索する際、火器管制レーダーを海上自衛隊の哨戒機に照射したとされる問題で、日本の防衛省が28日午後、哨戒機が撮影した当時の映像を公開したことについて、韓国国防部の報道官は「深い憂慮と遺憾を表明する」との立場を発表した。

 報道官は「(駆逐艦の)『広開土大王』は正常な救助活動中だった。わが軍が日本の哨戒機に追跡レーダーを運用しなかったという事実に変わりはない」と表明。「韓日の当事者間の速やかな協議を通じ、相互の誤解を払拭(ふっしょく)させ、国防分野の協力関係発展を模索する趣旨でテレビ会議を開いてからわずか1日後に映像を公開したことについて、深い憂慮と遺憾を表明する」とした。

 また、「むしろ人道主義的な救助活動に集中していたわが艦艇に日本の哨戒機が低空の威嚇飛行をしたことは、友好国として極めて失望的なこと」と指摘した。

 報道官は「日本側が公開した映像は哨戒機が海上で旋回する場面や操縦士の対話の場面だけが収められており、一般常識的な側面から追跡レーダーを照射したという日本側の主張に関する客観的な証拠とはみられない」と説明。「日本側は国際法や兵器体系に関する正確な理解に基づいて協議していくべきなのにもかかわらず、一方的な内容を収めた映像を公開して事実関係をごまかしていることについて、あらためて遺憾を表する」と強調した。

 また、「われわれはこれまで日本の一方的な行動について節制した対応を取ってきた」として、「日本側のこうした遺憾な行動にもかかわらず、韓日の国防協力関係を未来志向に発展させていかねばならないという立場に変わりはない。日本側は韓国と軍事的な友好協力関係を維持するという精神を持続的に堅持しなければならない」と述べた。


東京新聞 2018/12/26

(略)韓国側の説明は揺れており、あいまいな点も少なくない。納得できる証拠を示してほしい。(略) 
 (社説)日韓防衛摩擦 不毛な悪循環を避けよ
朝日新聞 2018/12/27

(略)今回の真相は不明ではあるものの、発生から時間が経つにつれて韓国側が説明を変えたのは不可解であり、混乱を深めた。(略)
毎日新聞 2018/12/28

(略)不可解なのは、韓国側の説明が変遷していることだ。(略)

 問題が発生した後の韓国側の対応にも疑問がある。(略)

哨戒機側から無線の周波数を変えながら3回呼びかけたが応答はなかったという。

カメラで撮影を試みるほどの距離なのに電波が微弱で聞こえなかったとの韓国側の主張も理解し難い。(略)