(日本経済新聞 2018/12/25)

北朝鮮で拘束され、解放後に死亡した米国人大学生オットー・ワームビア氏の両親が北朝鮮政府に賠償を求めた訴訟で、首都ワシントンの連邦地裁は24日、北朝鮮に5億100万ドル(約550億円)の支払いを命じた。米メディアが相次ぎ報じた。

ワームビア氏は1年半にわたり北朝鮮で拘束され、2017年6月に昏睡(こんすい)状態で帰国した後に死亡した。同氏の両親は18年4月、北朝鮮に10億ドルの賠償を求めて提訴した。ワシントン連邦地裁は24日、「ワームビア氏の死亡と両親の精神的苦痛の責任は北朝鮮にある」と指摘した。

ワームビア氏の死亡により米国内で北朝鮮への批判が強まり、17年11月の米国による「テロ支援国家」の再指定につながった。


(朝日新聞 2018/12/25)

 北朝鮮で約1年半拘束され、昏睡(こんすい)状態で解放されたのちに死亡した米大学生オットー・ワームビア氏(当時22)の遺族が北朝鮮に損害賠償を求めていた裁判で、米ワシントンの連邦地裁は24日、北朝鮮が拷問をしたために死に至ったとして、約5億ドル(約550億円)を両親に支払うよう命じた。

 北朝鮮が拷問を認め、支払いに応じる可能性は低い。米朝協議が停滞するなか、北朝鮮がさらに態度を硬化させる恐れもある

 バージニア大の学生だったワームビア氏は2015年12月末に観光目的で北朝鮮入り。16年1月に平壌のホテルにあった政治的スローガンが書かれた物を盗んだとして、国家転覆陰謀罪で15年間の労働教化刑(懲役刑に相当)の判決を受けた。昨年6月に解放されたが、昏睡状態で、1週間足らずで死亡した。

 判決で裁判所は、ワームビア氏は訪朝前は「健康で大きな夢を抱く若者だった。しかし、帰国後は目や耳が機能せず、脳死状態だった」と指摘。「北朝鮮は、ワームビア氏の拷問や拘束、超法規的殺害、さらに両親への苦痛について責任を負う」と結論づけた。(ワシントン=土佐茂生)