(朝日新聞 2018/11/06)

 河野太郎外相は6日の記者会見で、韓国大法院(最高裁)が日本企業に元徴用工への賠償を命じた判決について、「1965年の(日韓)請求権協定で完全かつ最終的に終わった話」としたうえで「暴挙」「国際法に基づく国際秩序への挑戦だ」と批判した。河野氏は最近、判決の問題点を訴えようと韓国批判のトーンをいっそう強めている

 河野氏は会見で、日韓請求権協定に基づき、元徴用工への賠償は「韓国側が全て対応することになっている」と述べた。韓国側が適切な対応をしなければ、日韓請求権協定に基づく仲裁手続きや国際司法裁判所(ICJ)への提訴を念頭に「あらゆる手段を取る用意がある」とも語った。

 河野氏は4日にも、群馬県高崎市での対談で、判決について「国際法に基づいていろんな秩序が成り立っている国際社会に対する挑戦」と批判していた。

 一方、韓国外交省の趙顕(チョヒョン)第1次官は6日、同省に長嶺安政駐韓大使を呼んで面談した。韓国政府は非公開の面談だとして内容は明らかにしていない。元徴用工への賠償を命じた判決を巡る協議とみられる。(清宮涼)


(平成30年11月6日(火曜日)14時50分 於:本省会見室)

◇韓国大法院による日本企業に対する判決確定

【毎日新聞 秋山記者】先月30日の韓国での新日鉄住金への判決についてお伺いします。河野大臣は以前,第三国でも日本の立場を積極的に発信していく旨をおっしゃっていましたけれども,現在の取組状況と,今後どのように日本として,そういった国際社会に訴えかけていくか教えていただけますか

【河野外務大臣】既に,各国の日本の大使館にそれぞれの国で政府に対する説明をしっかりやるようにということと,それぞれの国でメディアに対して,情報を発信していくというようにという指示を出しました。私(大臣)自身も先般,ブルームバーグのインタビューに答えて,少し日本の立場というのを世界にキャリーしてもらえるように努力していきたいと思っておりますが,今後とも,様々な方法で日本の主張,特にこれは二国間の問題ではなく,今の国際法に基づく国際秩序への挑戦であるということをはっきりと伝えていきたいと思っております

【時事通信 越後記者】大臣,先週末にもご発言ありましたけれども,徴用工の判決については,補償はあくまでも韓国政府が行うべきだという考えを示されていますけれども,これは補償について韓国政府が賠償を肩代わりするというようなことを念頭に,ご発言されたものでしょうか。

【河野外務大臣】この問題については65年の請求権協定で,既に,完全かつ最終的に話がついておりますので,それ以降の補償についての話というのは韓国側が全て対応するということになっております。

【産経新聞 力武記者】この徴用工の判決についてですが,日本政府としては韓国側の対応を待つという姿勢だと思いますけれども,判決から1週間たつのですが,その間,韓国側のトップである文在寅(ムン・ジェイン)大統領からのこの判決に対する意見表明というのがまだ,全くないのですが,こうした韓国側の対応というか,こういう状態について,今,どのようにご覧になっていますでしょうか。

【河野外務大臣】当面,これは韓国側の問題というふうに,我々は認識をせざるを得ませんので,韓国側がしっかり対応してくれるものと思っております
(略 別の質問)
東亜日報 金記者】徴用工問題ですけど,韓国側が適切な対応をしなければ,次の段階に進むとおっしゃったんですけど,ICJ,国際裁判所以上のものがあるのですか。あれば何ですかと伺いたいです

【河野外務大臣】この問題は1965年の請求権協定で,完全かつ最終的に終わった話を韓国の最高裁がこういう判決を出すという暴挙で,これは二国間の問題,法的基盤を根本から揺るがすような大きな問題であると同時に,国際法に基づく国際秩序に対する挑戦でもありますから,これは韓国側がきちんと適切に対応してくれるものと我々は今の時点で信じておりますが,それがなされない場合には,あらゆる手段を取る用意がございます。

(中央日報 2018/11/06)

  河野太郎外相が5日、米国ニュース通信社であるブルームバーグ通信とのインタビューで韓国大法院(最高裁)の強制徴用賠償判決に対する非難を吐き出した。海外言論を通じて韓国を貶め、世論戦を本格化する様相だ。 

  彼はブルームバーグとのインタビューで「国際法に基づいて韓国政府と結んだ協定を韓国大法院が望む通りにいつでも覆すことができれば、どの国も韓国政府と働きにくいだろうということを韓国は分かるべきだ」と述べた。また、「韓国がこの懸案(強制徴用の判決)を先に解決すべきだ。それとも韓日間同盟は前に進むことができないだろう」と圧力をかけたりもした。 

  河野外相は、特に国際社会で韓国の信頼度を落とすことに集中した。「個人の請求権は1965年韓日請求権協定で消滅しなかった」という大法院の判決趣旨は説明せず、韓国が協定を破ったとだけ主張した。また「1965年の韓日請求権協定で韓国政府は韓国人のすべての請求に対して責任を負うべきだというのが自明だ」と強調した。 (略)