(朝鮮日報 2018/10/30)

 先月平壌で行われた南北首脳会談の際、北朝鮮・祖国平和統一委員会の李善権(リ・ソングォン)委員長は特別随行員として訪朝した韓国企業のトップらに対し「冷麺がのどを通るのか」(編注:周囲の空気を読まずに食事する人をなじる言葉)などと面と向かって皮肉を言い、侮辱していたことが後から分かった。保守系野党・自由韓国党の鄭鎮碩(チョン・ジンソク)議員は29日、国会外交通商委員会の統一部(省に相当)に対する国政監査で「(南北首脳会談が行われた際)平壌の有名レストラン・玉流館で韓国企業トップらが冷麺を食べているところに李善権氏が突然現れた」とした上で、その席で李氏が上記のように述べたとの報告を受けたと明らかにした。統一部の趙明均(チョ・ミョンギュン)長官も「そのような話を聞いた」として事実関係を認めた。当時、李氏と同じテーブルには北朝鮮から平壌市朝鮮労働党の金能五(キム・ヌンオ)委員長、韓国からは韓国経営者総協会(経総)の孫京植(ソン・ギョンシク)会長、SKグループの崔泰源(チェ・テウォン)会長、サムスン電子の李在鎔(イ・ジェヨン)副会長、大韓商工会議所の朴容晩(パク・ヨンマン)会頭、LGグループの具光謨(ク・グァンモ)会長らが座っていた

 国政監査で鄭議員が「なぜそのような侮辱を受けたのか」と質問したのに対し、趙長官は「北朝鮮は南北関係を速やかに進展させたいという思いがある」と答弁した。鄭議員は「財閥のトップらは経済協力について話ができる立場でもないはずだ。侮辱は意図的なものではないのか」「国民のプライドを傷つけないでほしい」などと訴えた。自由韓国党の金武星(キム・ムソン)議員が「あの礼儀も知らない男(李善権氏)を懲らしめるべきだ」と指摘すると、趙長官は「私もその話を後から聞いた。詳しい事情を聞くべきだと思った」と述べた。

 李氏は10・4宣言11周年記念行事の際にも、趙長官が約束の場所に2-3分遅れたことに対し「団長が先頭に立つべきだ」と指摘した。趙長官が「時計が壊れていた」と説明すると、李氏は「時計も主人に似てくる」と侮辱したという

 6月の閣僚級会談の際、韓国メディアが「(5月の閣僚級会談延期の理由とされた)厳重な事態は解決したのか」と質問すると、李氏は「厳重な事態がどこで起こったか知りながら、私に解決したのかなどと質問してよいのか」とあからさまに気分を害した。直後に李氏は趙長官に対し「さっき記者が私にこのような質問をしたので、私は趙先生(長官)に聞けと言った。その張本人、問題を起こした人物に聞くべきで、なぜ私に聞くのか」と問い詰めたという。5月に予定されていた閣僚級会談が取り消しになった責任は韓国政府にあると主張したかったようだ。これと関連してある統一部OBは「北朝鮮は常に高圧的だが、韓国側はいつも低姿勢を続けている」とコメントした

 北朝鮮は南北共同連絡事務所長による定例の会議に事前の通知もなく、しかも2週連続で出席しなかったこともこの日明らかになった。統一部の担当者が「今月19日と26日に連絡事務所の韓国側所長を務める千海成(チョン・ヘソン)統一部次官が開城の現地に出向いたが、北朝鮮側の所長は姿を現さなかった」と明らかにした。韓国と北朝鮮は先月14日に南北共同連絡事務所を設置し、その後週1回、双方の所長による定例の会議を開催することで合意していた

 自由韓国党の鄭亮碩(チョン・ヤンソク)議員の事務所によると、今年2月に北朝鮮が金剛山合同文化イベントを一方的にキャンセルした影響で、韓国では1億8000万ウォン(約1800万円)の予算が無駄になったという。

 これとは別に北朝鮮は国際通貨基金(IMF)に加盟する意向を明らかにするなど、最近は国際社会に対して積極的に投資を呼び掛けている。北朝鮮社会科学院経済研究所の李基成(リ・ギソン)教授は「制裁が解除されれば、(北)朝鮮もスイスやシンガポールのような国を参考に開発に乗り出すことができる」と述べ、米国などによる「敵対政策の放棄」を前提にIMFに加入する意向を明らかにした。

 北朝鮮は1986年に後の総書記金正日(キム・ジョンイル)氏が掲げた「わが民族第一主義」と呼ばれる方針を、今年4月の板門店宣言以降は「わが国家第一主義」へと変更していた。これは北朝鮮社会科学院の定期刊行物『哲学・社会政治学研究』2018年2号に掲載されたソ・ソンイル同研究員の論文「金正恩(キム・ジョンウン)同志が明らかにされたわが国家第一主義に関する思想」の中で説明されている。核保有によって確保した戦略的地位に基づき、従来の「わが民族同士」から独自の経済・文明強国を目指す方針に転換したという趣旨だ

 京畿大学の南柱洪(ナム・ジュホン)教授は「核保有国を意味する『戦略的地位』を今後も維持しながら、経済発展を同時に成し遂げるという路線ではないか」との見方を示した。韓国の国立シンクタンクのある関係者は「国際社会が北朝鮮に要求する核廃棄とは正反対だ」と指摘した。


(朝鮮日報 2018/10/30)

 北朝鮮・祖国平和統一委員会の李善権(リ・ソングォン)委員長が先月平壌で行われた南北首脳会談の際、サムスングループなど韓国大手企業グループのトップらに対し「今冷麺がのどを通るか」(編注:周囲の空気を読まずに食事する人をなじる言葉)などと面と向かって皮肉を言い、侮辱していたことが後から分かった。当時、韓国企業トップらは北朝鮮の有名レストラン・玉流館で冷麺を食べていたが、その席に李氏が突然現れ、韓国と北朝鮮との経済協力が進まないことに不満を示すためこのような言葉を口にしたという。韓国統一部(省に相当)の趙明均(チョ・ミョンギュン)長官は29日に行われた国政監査で野党議員からの質問に「そのような話を聞いた」「北朝鮮は南北関係を速やかに進展させたいという思いがある」などと答弁し、一連の事実関係を認めた。

 サムスン、現代自動車、SK、LGグループなど韓国大手財閥のトップらは大統領府の要請を受け半強制的に平壌での首脳会談に同行した。北朝鮮側が企業経営者らの訪朝を強く要請したのがその理由のようだが、言い換えれば北朝鮮は彼らの訪朝に関する実質的な決定権を持っていたことになる。北朝鮮は核開発によって今も国際社会から二重、三重の制裁を受けている。このような状況で韓国の世界的企業が北朝鮮への支援に乗り出すのは事実上の自殺行為に他ならない

 北朝鮮は世界で最も貧しい、文字通り失敗した国の一つだ。喜劇のような封建王朝体制によって政権を三代にわたり世襲し、住民を外部の世界と隔離することで絶対的な権力を維持している。経済規模に至っては韓国の中小都市一つにも及ばない。このような国の政府関係者が世界的企業のトップらを呼びつけ、自分たちに金が回ってこないと言っては「冷麺がのどを通るか」などと侮辱した。無礼と卑しさが北朝鮮政権の本来の姿ではあるが、それにしてもこんな言葉まで黙って聞かなければならないのか。なぜ韓国政府は自国で最高の企業経営者らに対し、北朝鮮のような貧しい国でこれほど非常識な仕打ちを受けさせたのか、全くもって理解できない

 北朝鮮がここまで威勢が良い理由は核を持ったという自信から来るのだろう。世界が注目する中で米国大統領と首脳会談を行ったことも、また新たな自信を持つ理由になったはずだ。だからこそ李善権氏は趙長官をぞんざいに扱ったのだ。今からこのような状況では、今後もし彼らの戦略が成功し、インドやパキスタンのような事実上の核保有国になった場合、韓国に対してどのような態度を取るか十分に想像がつく。北朝鮮がどのような国であっても、交渉は続けねばならないし、北朝鮮に住む同胞も助けねばならない。しかし北朝鮮政権がどのような集団であるかは一瞬たりとも忘れてはならない。


北朝鮮は、韓国企業は家臣の家に出入りしている御用商人で、韓国閣僚は陪臣と思っているんじゃないですか。


>無礼と卑しさが北朝鮮政権の本来の姿ではあるが、それにしてもこんな言葉まで黙って聞かなければならないのか。なぜ韓国政府は自国で最高の企業経営者らに対し、北朝鮮のような貧しい国でこれほど非常識な仕打ちを受けさせたのか、全くもって理解できない

富める国は貧しい国に非常識な仕打ちをしても良い、または仕方がないと思っているから出てくる言葉じゃないのかな。社説でこんな表現をする朝鮮日報の本来の姿も無礼で卑しいんじゃないですかね。