(朝日新聞 2018/10/11)

 2011年の東京電力福島第一原発事故に伴い、福島、茨城、栃木、群馬、千葉の5県産の食品輸入を止めてきた台湾で、輸入解禁の是非を問う住民投票が、統一地方選にあわせて11月24日に行われる

 野党国民党が住民の署名を集めて請求し、中央選挙委員会が9日、決定した。

 蔡英文(ツァイインウェン)・民進党政権は当初、輸入解禁に前向きだったが、国民党が「核災食品(原発事故にあった食品)」などと呼んで反対。政治問題化している。

 原発事故に伴う輸入規制では、香港が今年7月、福島を除く4県分を解禁。10都県を対象にした中国は、解禁に向けて日本側と協議の場を設けている。

 蔡政権が住民投票の請求要件を緩和した結果、統一地方選に向けて、審査中を含め10件の住民投票が提案されている。国民党は食品問題のほか、蔡政権が進める脱原発政策に対抗して、代替の火力発電所建設に反対する住民投票なども提起。政権への攻撃に利用する狙いがある。

 20年の東京五輪に従来の「チャイニーズ・タイペイ」ではなく「台湾」の名称で参加を申請することへの賛否を問う住民投票も、実施されることが決まった。台湾を自国の一部と見なす中国側は反発するとみられる。

 同性婚を法律にどう位置づけるかを問う住民投票も実施する。

 いずれも、投票の結果、賛成が反対を上回り、かつ有権者数の4分の1以上であれば、政権の判断を拘束することになる。(台北=西本秀)

 日本食品で住民投票確定 台湾、11月地方選に合わせ 
(共同通信/日本経済新聞 2018/10/09)

 台湾の中央選挙委員会は9日、11月24日の統一地方選に合わせた住民投票案を審議、福島や千葉など5県の日本産食品輸入規制継続の是非を問う案など6件が規定の署名数に達していることから実施することを確認した。

民主進歩党(民進党)の蔡英文政権は規制緩和に前向きだが、野党の国民党は反対し、住民投票案を提出していた。投票で規制継続が多数を占めると、原則的に2年間は規制を変更できなくなる。

国民党は約49万人の署名を提出したが、約1万1千人は既に死亡した人だったほか記入の不備なども多く有効署名は約31万人。しかし投票成立に必要な約28万人には達していたため承認された。(略)

(NHK 2018/10/10)

台湾で、スポーツの国際大会での呼び方を「チャイニーズ・タイペイ」から「台湾」に変更して、東京オリンピックなどの参加申請を行うべきかを問う住民投票が来月行われることになりました。今後、中国の反発も予想されます。

この住民投票は、台湾の市民団体が実施を求めていたもので、台湾の中央選挙委員会は9日、有効な署名が必要な数を超えたとして、住民投票を実施することになったと発表しました。投票は、台湾で来月24日に控えた統一地方選挙に合わせて行われる見通しです。

「チャイニーズ・タイペイ」という呼び方は、1981年にIOC=国際オリンピック委員会との合意で決まり、台湾を中国の一部とする中国政府もこれを受け入れてきました。(略)

住民投票の請求相次ぐ 政権が要件緩和
(毎日新聞 2018/09/15)

(略)蔡政権は市民の政治参加を促すとして、住民投票の請求に必要な署名を有権者の5%から1.5%に引き下げ、投票の成立要件も投票率50%から25%へ緩和する改正法を昨年、成立させた。台湾では過去にも数回、住民投票が実施されたことはあるが、投票率50%の壁に阻まれ、一度も成立していない

 今回は成立要件が投票率25%に大幅に緩和されたうえ、統一地方選と同日実施のため、成立の可能性が高まっている。

 住民投票が請求されているのは、脱原発▽福島県など日本の5県産食品の輸入解禁▽同性婚▽2020年東京五輪に「台湾」名義で参加--の賛否など10件。いずれも要件の約28万人を超える署名簿が提出された。

 住民投票法は「重要な政策」について、投票結果と異なる政策を2年間は実施してはならないと定め、政権の政策を事実上、制限する。(略)