(朝鮮日報 韓国語 2018/07/25)

ソウル市が公共自転車『タルンイ』安全帽(以下ヘルメット)を無料で貸し出してから4日で半分が消えたことが分かった。
※ソウル市が2015年から始めた自転車のレンタルサービス。『タルンイ』は自転車のベルを鳴らした時の音を表す擬声語。

市は去る20日から23日まで永登浦区汝矣島のタルンイレンタル所30か所にヘルメット858個を備え付けた。来る9月28日からヘルメットの使用が義務になる自転車利用者のための事前サービスであった。しかし、施行5日目の24日に点検してみると404個(47%)が紛失していることが確認された。ソウル全域のレンタル所1290か所を全数調査した結果だ。市関係者は「ここまで回収率が低いとは思っておらず衝撃が大きい」と話した。

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▲タルンイヘルメットのレンタル開始前日である去る19日、汝矣島のレンタル所のヘルメット保管箱。

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▲ヘルメットが消えたタルンイのかご
24日昼、ソウル市永登浦区汝矣島の『タルンイ』レンタル所に停まっている自転車のかごにヘルメットが見られない

市民の良心を信じて始めた共有経済サービスが揺れている。汝矣島地域のタルンイヘルメット無料レンタルは1か月間のテスト事業だ。タルンイをレンタルする際に別途のレンタル手続きなしにヘルメットもすぐに使える。ヘルメットは自転車のかごに置いたり、保管箱に備えておいた。返却する際には自転車のかごに置いたり、近くの保管箱に入れれば良い。しかし、利用者ではないのにヘルメットを持っていったり、使っても戻さない事例が相次いだ。キム・ペギョン(72)タルンイ管理要員は「タルンイを利用しないのにヘルメットをむやみに持っていく人を現場で捕まえたのは1.2回ではない」と話した。

去る21日午後、ソウル市永登浦区のヨイナル駅前のタルンイレンタル所に個人の自転車に乗った30代の男性が訪れてきた。男性は保管箱からヘルメットを取り出すと深くかぶって行こうとしたタルンイ管理要員が「ヘルメットはタルンイ利用者だけが借りることができる」と大声を張り上げた。しかし、男性は返事もしないまま行ってしまった

22日午前、汝矣島の国民日報ビル前では、外出に出た中年男女5~6人がヘルメット保管箱に集まっていた。これらは「これは何だい。珍しい」と言いながら1個ずつ持って行こうとした。市職員が前に立って自転車を借りる方々のためのもの」と言って阻止した

24日、汝矣島漢江のほとりや地下鉄駅周辺などでは、個人の自転車に乗ってタルンイヘルメットをかぶった人々があちこちで発見された

ソウル市は当初、タルンイヘルメットにタグを取り付けて位置追跡と身元確認が可能なレンタル・返却システムを作ることを考慮した。しかし、年間の通信費だけで12億ウォンがかかるため、別途装置なしで運営することにした。市民意識を信じてみようということだった。

しかし、ヘルメット紛失率が高く出てきて、無料レンタル事業を最初から廃止することを検討している。現在の半分水準の回収率では10日も経たずにテスト事業を終了しなければならない。市は施行3日目である22日からは「レンタル所の保管箱にヘルメットをいっぱいに入れるな」という指針も下した。ソウル全域のヘルメット回収も1週間に1回することにしていたのを3回に増やすことにした。事業施行前日である19日にはヘルメットがいっぺんに盗まれたりもした。この日午前、ヨイナル駅タルンイレンタル所の保管箱に入れておいた64個のヘルメットのうち30個あまりが、市職員が席を外した数時間の間に消えた

タルンイヘルメットのような共有経済の失敗事例は今回が初めてではない。本、傘、常備薬など共に分けて使おうと始めたサービスが、一部市民のために廃止された事例は多い。

大田市は去る2014年、自転車ヘルメット150個をエキスポ市民広場と貿易展示館などにあるレンタル所に配置したが、2か月も経たずに90%が消えた。ソウル京義・中央線は2016年1月から地下鉄駅舎図書館『読書風列車』を運行したが、7か月で本500冊あまりのうち80冊あまりが消えた。ソウル交通公社も去る2011年に良心図書館13か所に本1300冊余りを備え付けたが、このうち9か所の回収率が3%台にとどまり、2年で運営を中断した。

ソウル市江南区は昨年7月から区庁と保健所、22か所すべての洞住民センターに共有傘450本を無料で貸す『清廉傘』サービスを始めた。25の自治区のうち傘の共有サービスを大々的に実施したのは江南区が初めてだった。しかし、24日、江南区関係者は「現在回収された傘は30~40本に過ぎない」とした。ソウル交通公社は昨年5月、地下鉄5~8号線の35駅に絆創膏、生理用ナプキンなどを備えて誰でも利用できるようにした。しかし、一部市民が不必要にたくさん持っていって試験運用6か月で事業を中断した。

専門家たちは、一部市民が家族単位の小規模共同体の生活にだけ集中して、共有システムに対する認識が疎かであると指摘する。ユン・インジン高麗大社会学科教授は「まだ多くの国民が公共サービスで提供される物を無料物とばかり思っている」とし「私たちの社会は信頼社会へ移る過渡期であるため、不特定多数を対象に公共サービスを提供する際は、最小限の費用を賦課したり、使用者が誰なのかは確認する必要がある」とした。チョ・ジュンモ成均館大経済学科教授は「ソウル市のような大都市で不特定多数を対象に公共サービスを提供する際には、少なくとも費用を賦課し、使用者確認システムを構築してこそ管理が可能だ」とした。(機械翻訳 若干修正)


↑などの報道の結果か、26日付け聯合ニュースによると、25日午前の調査では218/858で紛失率は25.4%、26日未明の調査では55/1030で紛失率は5.3%に減少したようです。


(朝鮮日報 韓国語 2018/07/30)

チャン・ヒョンテ産業2部記者

「予想したことです。このまま行けば安全帽(以下ヘルメット)に拒否感を感じて、最初から共有自転車を無視する雰囲気が広がるのではと心配です。」

電話機の向こう側から聞こえてくる国内共有自転車(シェアサイクル、自転車シェアリング)会社の役員の声には憂いがにじみ出ていた。最近、公共自転車『タルンイ』用としてソウル市で備え付けたヘルメット858個のうち404個が4日で消えたというニュースが出てきた後であった。彼は「半月前に香港で開かれたアジア最大のスタートアップ博覧会で韓国スタートアップの代表として共有自転車の投資誘致のための事業発表をしながら胸が熱くなったが、今は冷水を浴びせられた感じ」と話した。

国会は去る3月、自転車のヘルメット着用を義務化する法案を通過させた。その法案施行を2か月後に控えながら、ソウル市はテスト的にヘルメットをレンタルして惨憺たる成績表を受け取った。タルンイ用ヘルメット一つの価格は1万5000ウォン程度。ソウル市は今年ヘルメットを3万個ほど備え付ける計画だったが、すぐになくなってしまうヘルメットを国民の税金で備え付けるべきか悩まざるを得なくなった

非常に低いヘルメット回収率は、胎動する国内共有自転車業界にも大きな悩みをもたらせた。ヘルメット使用化法案が初めて通過した時にも、共有自転車業界は実効性に疑問を提起して心配する雰囲気であった

ヘルメット義務化に反対する側では、共有自転車が基本的に公共交通が通っていない1~2km以内の短い距離を行くために利用する場合が多いが、人が流した汗が付いているヘルメットをあえて回して使うだろうかと主張した

ある共有自転車業界関係者は「自転車紛失にともなう費用を負担することも大変なのに、ヘルメットを無料で配れというのは事業をするなという話」とまで述べた

このような中でも、共有自転車業界はそれでももしかしたらと期待をかけてソウル市タルンイ用ヘルメットのレンタルテスト事業を注目していたのだ。

事実、海外でもヘルメット義務化は論議の的だ。オーストラリアではヘルメット義務化後、自転車利用者数が37%減少したという研究結果もある。また、自転車活性化強国であるオランダ・デンマークをはじめ、大多数の国は依然としてヘルメット着用を自律に任せている。安全のためなら、ヘルメットを義務化する必要性があるものの、それよりは自転車人口を拡散することが先という判断からだ。

韓国の共有自転車市場はちょうど胎動するところだ。特に世界最高の情報通信インフラを備える韓国は、自転車に追跡装置を取り付けて、あえて自転車レンタル所に行かずとも、どこでも自転車を借りて乗って戻すビジネスモデルをテストすることができる最適なテストベッド(試験舞台)だ。共有自転車業界の言葉通り、全世界的に脚光を浴びる新事業が“現実を知らない机上行政”のために芽吹かずに消えるのではないか心配だ。(機械翻訳 若干修正)