(中央日報 2006/09/11)
「1曲聞きましたからもう結構です。これ以上やってみても意味がなさそうです」--。
9日昼12時20分、忠州湖(チュンジュホ)に浮かぶ遊覧船の客室。
テグム(琴)の散調を聞いてから約60人の在韓外国人が音楽会中断を要請した。
「エンジンの騒音で音楽が聞こえません。トイレの前で演奏しろとは音楽家に対するマナーにも欠けています。前に座って聞いているのもきまりが悪いほどです」当初のプログラムは伽椰琴(カヤグム)散調など50分だった。舞台といっても客席通路に簡易椅子を2つ置いただけ。伽椰琴を置けるだけの空間もなかった。
主催側は「船上音楽会は取り消す」と発表した。「国内初の船上国楽公演」と大々的に広報した無料イベントは水の泡となる瞬間だった。
この日のイベントは16~17日全北全州(チョンブク・チョンジュ)、30日全南潭陽(チョンナム・タミャン)、10月14~15日松広寺(ソングァンサ)、仙岩寺(ソンアムサ)などにつながる「在韓外国人のための韓国音楽体験公演ツアー」の最初のコース。
主催は韓国文化芸術委員会、主管はナラ音楽大宴会(推進委員長ハン・ミョンヒ)とソウルセレクション(代表キム・ヒョングン)が務めた。後援は国務総理宝くじ委員会(資金支援含む)と文化観光部が行った。
元々の日程は船上音楽会議観覧と弾琴台(タングムデ)、中原(チュンウォン)、弥勒寺址(ミルクサジ)、聞慶鳥嶺(ムンギョンセジェ)、清風(チョンプン)文化財団地観光などだ。
しかし午前11時30分に始まることにしていた船上音楽会は予約した464人乗りの大型船に乗り遅れたため霧散した。船は午前11時、出港時刻になると国内人観光客300人を乗せて発ってしまった。1時間たってようやく外国人たちを乗せた観光バスが船着き場に到着したのだ。
主催側が急いで準備した123人乗りの快速船で船上音楽会を再び試みたが、取り止めとなったわけだ。
今回のツアーは待つことと取消しの連続だった。
出発予定時刻は午前8時。外国人たちには午前7時20分までに集まるように言っておきながら8時出発と連絡をもらっていた演奏者、スタッフが8時20分に到着し、バスは30分遅く出発した。
妻と2人の娘とともに午前7時30分からバスに乗り込んだある外国人は、バスの中で1時間近く出発を待ち「コリアンタイム」を体験したと主催側の誠意のなさを皮肉った。泣きっ面に蜂で、週末を迎えて自動車の列が高速道路をいっぱいに埋め、バスは国道で道まで誤った。
結局外国人が接することができた文化体験は、清風文化財団地内の寒碧楼(ハンビョクル)の国楽公演だけだった。無料イベントであり大きな不満は出なかったがとしてもツアー終始、表情は明るくなかった。
午後9時30分ソウルに到着したので50分の公演を見るために往復13時間をかけたことになる。国家の資金で在韓外国人に韓国文化を知らせようとしたが、国の恥をさらしただけだったという批判が出ている。
韓国人への理解が深まった、大変良いツアーだったと思います。
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