(朝鮮日報 2018/07/08)

 金塊密輸が主婦たちの間でうわさになって広がっている。主に香港から持ち込んだ金塊を仁川空港の免税区域で受け取り、日本に運ぶ役目だ。こうした傾向を受け、日本の空港では韓国人旅行客が金塊を所持していないかどうか検査を受ける例が増えている。

 ソウル市麻浦区に住む40代の主婦は昨年初め、インターネット上で「日本旅行アルバイト募集」という書き込みを発見した。貿易業者が仁川から日本の福岡に品物を運ぶ人を探しているという内容だった。航空運賃とホテル宿泊料に加え、報酬として50万ウォン(約4万9600円)を支払うという条件が付いていた。

 主婦と接触した業界関係者は「重さ1キログラムの金塊3個を運んでほしい」と持ちかけた。一般観光客は自己使用目的であれば、最大3キログラムまで日本に持ち込める(原文ママ)(編注:韓国語原文は事実誤認であり、個人的に使用すると認められるものに限り、海外市価で20万円相当分までが免税となる)。しかし、この主婦のように他人から受け取り、販売目的で持ち込む場合には、税関に申告の上、8%の関税を支払わなければならない。

 主婦は月に1-2回、仁川空港で金塊2-3個を受け取り、日本行きの飛行機に乗った。主婦は「主婦たちが『おいしいバイト』と呼び、数人で団体旅行に出掛ける形で金塊を運ぶこともあると聞いた。今でもインターネットに似たような書き込みがある」と話した。

 日本への金塊密輸は2014年から本格化した。日本政府が消費税率を5%から8%に引き上げ、日本国内で金の小売価格が上昇した。香港の免税店で金塊1キログラム(約5000万ウォン)を買い、日本で売却すれば、通常は500万ウォンの差益が生じるという。日本の空港では香港からの航空便の乗客の手荷物に対する監視が厳しい。密輸組織はそれを避けるため、韓国を経由する。日本の財務省によると、2013年まで年平均10件余りだった金塊密輸摘発件数は、14年に119件、15年に465件、16年に811件、17年に1347件へと増加した。

 密輸組織は主婦を運び屋に使うことを好む。金塊は高価なので、運び屋がそのまま逃走することもある。警察関係者は「密輸組織にとっては、家族がいる主婦は逃走の恐れがさほどなく、口止めもしやすい」と話した。日本の空港では最近、税関職員が韓国人に「金塊を持っているか」と尋ね、手荷物を検査するケースが増えているという。


平成30年2月23日
財務省

金地金の密輸入を1,347件摘発/押収量は6トン超え

財務省は、平成29年の全国の税関における金地金密輸入事犯の摘発状況をまとめましたのでお知らせします。

◇平成29年に全国の税関が摘発した金地金*密輸入事犯の件数は1,347件(前年比66%増)、押収量は6,236kg(前年比約2.2倍)と、深刻な状況が続いています。
* 金地金には、金塊に加えて一部加工された金製品も含む

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◇摘発した事犯を密輸形態別にみると、航空機旅客・乗組員による密輸入が1,270件と全体の9割以上を占めました。密輸仕出地別にみると、韓国、香港、台湾の順に摘発件数が多く、上位3か国・地域で全体の約9割を占めました。

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(財務省関税局 2017/11/07

1-2 本緊急対策の背景

(金地金密輸の仕組み)(図3参照)

金地金の密輸は、消費税を申告・納付せずに国内に持ち込んだ金地金を国内の金買取業者(金買取店)に売却することによって、消費税額相当分を利益として獲得することを目的に行われていると考えられます。

例えば、本体価格 500 万円/kg の金地金5kg(2,500 万円)を輸入する場合、本来であれば輸入時に税関で 200 万円(2,500 万円×8パーセント)の消費税を納付する必要があります。しかしながら、密輸を企てる者は、その消費税の納付を行うことなく、金地金を国内に持ち込みます。そうして密輸した金地金を市中の金買取業者が消費税(200 万円)込みの価格で買い取ることによって、密輸を企てる者は、この消費税相当分を利益として得ることとなります。

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(略)
3-3 密輸された金地金の没収

金地金の密輸に対しては厳正な処分がなされており、密輸した金地金自体も刑法の規定により犯罪組成物として没収の対象とされています。例えば、韓国からの航空機を利用した複数の旅客が 65 キロの金地金を密輸した事案のほか、香港からの航空機を利用した旅客が1キロの金地金を密輸した事案においても、懲役刑の付加刑として金地金自体が没収されており、密輸量の多寡にかかわらず没収が適用されているところです。税関として、より積極的に告発することによって金地金の密輸を刑事裁判の対象とし、刑事裁判による金地金自体への没収の適用を図っていきます

3-4 罰則の強化

金地金の密輸については、消費税法違反(消費税脱税)、地方税法違反(地方消費税脱税)及び関税法違反(無許可輸出入罪)の3罪が成立します。現行の法定刑は、消費税法及び地方税法違反については懲役 10 年以下及び罰金 1,000 万円以下(脱税額が 1,000 万円を超える場合には脱税額まで)、関税法違反については懲役5年以下及び罰金 500 万円以下となっています。

金地金の密輸者に一層の経済的不利益を与えるとともに、金地金の密輸に対する抑止効果を更に高める観点から、早急に罰則の強化に向けた検討を進めます。


(NHK 2017/05/23

(略)組織が日本を狙う理由は、もし摘発されたとしても比較的処罰が軽いからだという
1億円の金塊の密輸が摘発された場合、韓国では金塊は必ず没収され、最大1億円の罰金が科されることもある。

一方、日本では金塊が没収されるとはかぎらず、罰金も最大で1,000万円にとどまる。(略)

(朝日新聞 2017/11/07

(略)密輸が発覚しても悪質性が低いなどと判断されると、罰金を払えば金塊は返却される。アルバイト感覚で加担するケースも目立つ。税関関係者は「金密輸による脱税は国民の税金が密輸組織に流れるようなもの。覚醒剤や拳銃のように厳罰化し、金も没収できるよう制度を変える必要がある」と指摘する。(略)
(西日本新聞 2018/03/25

(略)没収されれば国庫に入るが、認められなければ再び密輸ルートに乗ってしまうことも懸念される。(略)

 没収の要件として刑法19条は、対象物が「犯人側の所有物」であることを求めている。(略)

 財務省関税局によると、全国で摘発された金塊の密輸件数事務年度(7月~翌年6月)で、2014年度177件▽15年度294件▽16年度467件-と急増。(略)

 刑事告発で裁判になった件数は、14年度2件▽15年度9件▽16年度10件。うち、一審判決で没収が認められたのは、14年度0件▽15年度4件▽16年度3件(17年12月現在)-にとどまる。

 海外が絡む組織犯罪の場合、入手経路や首謀者の特定が困難なことから没収が認められないケースが多いのが実情だ