(朝日新聞 2018/05/10)

 高校の授業料無償化の対象から朝鮮学校を外した国の措置は違法として、九州朝鮮中高級学校(北九州市)の卒業生らが、国に計約700万円の損害賠償を求める訴訟で、福岡地裁小倉支部の鈴木博裁判長は10日、原告側が求めた前川喜平・前文部科学事務次官の証人申請を却下した。

 鈴木裁判長は、却下の理由について「必要ない」と述べた。

 授業料無償化制度は、民主党政権下の2010年に開始。自民党政権下の13年2月、国は対象の根拠となる文科省令に基づく規定を削除し、朝鮮学校を対象から外した。

 訴訟では、この措置をめぐり、原告側が「教育の機会均等に反する」と主張し、国側は朝鮮総連との関連性を指摘し「削除には理由がある」などと反論。原告側は、国側の違法性を裏付けるため、無償化制度の策定に関わったとされる前川前次官を証人申請し、「朝鮮学校は当然、無償化の対象という想定だった」とする内容の前川前次官の陳述書も裁判所に提出していた。朝鮮学校を対象から外した当時の下村博文・元文科相の証人申請も却下された。