(NHK 2018/04/05)

名護市辺野古のアメリカ軍基地内の工事現場で働いていた中国国籍の20歳の男が、公安委員会の公印を偽造した日本人名義の運転免許証を提出したとして、偽造有印公文書行使の罪で那覇地方検察庁に起訴されていたことがわかりました。

5日までに起訴されたのは、中国国籍のチャン・チェンエ被告(20)です。

起訴状によりますと、チャン被告はことし2月、名護市辺野古のキャンプシュワブのメインゲート内で、アメリカ海兵隊の憲兵隊員に対して東京都公安委員会の公印を偽造した運転免許証を提出したとして、偽造有印公文書行使の罪に問われています。

検察は、チャン被告の認否を明らかにしていません。

捜査関係者によりますと、チャン被告はキャンプシュワブ内の工事現場で作業員として働いていて、偽造された運転免許証にはチャン被告の顔写真が印刷されているものの、名義は日本人男性になっていたということです。

警察は、運転免許証を偽造したいきさつや、ほかにも免許を偽造していた人物がいなかったかなど、事件の背景について詳しく調べています。



免許偽造し基地工事従事 
(琉球新報 2018/04/05)

シュワブ 県警、容疑中国人逮捕

 運転免許証を日本人名義に偽造し、名護市辺野古の米軍キャンプ・シュワブ内の隊舎工事に従事していたとして、県警捜査第2課が中国人の20代男性を偽造公文書行使容疑で逮捕していたことが4日までに複数の関係者への取材で分かった。捜査関係者によると、逮捕された男以外にも複数の中国人が工事に従事しており、県警は偽造運転免許証を使用していないか捜査している。だが、現在、県外へ逃走しており、中国人らの所在は確認できていないという

 複数の関係者によると、今年2月、米軍キャンプ・シュワブゲートで、米軍憲兵隊が基地内に入ろうとした工事作業員を不審に思い、運転免許証を確認した際に、発覚した。

 中国人男性は日本人男性名義の運転免許証を提示したという。米軍は工事を発注した沖縄防衛局などに連絡。現在、県警が捜査している。県警はこれまでに県外などで家宅捜索などを行い、中国人男性1人を偽造公文書行使の容疑で逮捕した。

 沖縄防衛局や関係者らによると、県外の大手建設会社が工事を落札し、受注している。だが、シュワブ内に中国人作業員を派遣していたのは孫請け業者だという

 元請け業者は本紙取材に事実関係を認め、「免許証のコピーの提出を受けていたが原本の確認はしていなかった。再発防止に努めたい」とコメントした。

 沖縄防衛局は本紙に「米軍基地内の立ち入りに関しては施設管理者である米側において実施しているものであり、当局から特段の回答はない」と述べるにとどめ、発覚の経緯や再発防止策などについては明らかにしなかった。