(毎日新聞 2018/03/26)

 佐賀県唐津市の漁港に約206キロの金塊(9億3000万円相当)を密輸したとして関税法違反(無許可輸入)などに問われた中国籍の住所不定、無職、林亜山被告(43)に対し、佐賀地裁は26日、懲役2年6月、罰金150万円、執行猶予5年(求刑・懲役2年6月、罰金150万円)の判決を言い渡した。吉井広幸裁判官は求刑通り、金塊没収も命じた。

 公判で検察側は、犯罪に使われたものは、犯人以外の第三者の所有物でない限り没収できるとする刑法の要件を満たすとして、金塊の没収を求めた。一方で、金塊の所有権を主張する中国の法人が公判への参加を申し立て、認められていた。海外が絡む組織犯罪では、所有権を特定するのが難しいため没収が認められないケースも多く、裁判所の判断が注目されていた

 中国法人側は、別の中国人側に金塊を貸し出す契約をしただけだったと主張。検察側は、金塊の純度の確認文書が作成されないなど契約内容が不自然だと指摘し、中国法人を「密輸行為に加担することで巨額の利益を得ようとしたと推認される」として、密輸グループと共謀関係にあったと主張した。

 これに対し、吉井裁判官は「中国法人の営業実態が判然としていない。正当な契約であるとは認め難く、首謀者の一人の中国人らが所有していると認めるのが妥当」と述べた。

 判決によると、林被告は日本人と中国人の計9人らと共謀し、昨年5月30日に東シナ海の公海上で国籍不明の船から金塊206キロを船に積み替え、翌31日に唐津市内の岸壁に陸揚げし、消費税など約7440万円の支払いを免れた。【石井尚】


(西日本新聞 2018/03/25

検察側「没収で抑止に」
中国の会社「所有権がある」
佐賀地裁で26日判決 唐津・密輸事件

 佐賀県唐津市の港で昨年5月、金塊約206キロ(約9億3千万円相当)が押収された密輸事件を巡り、裁判で金塊の没収が認められるのかどうかが注目されている。1回の押収量としては過去最多。没収されれば国庫に入るが、認められなければ再び密輸ルートに乗ってしまうことも懸念される。佐賀地裁は26日、関税法違反(無許可輸入)などの罪に問われた中国籍の林亜山被告(43)の判決で、判断を示す。

 没収の要件として刑法19条は、対象物が「犯人側の所有物」であることを求めている。今回の事件では、林被告の公判で昨年11月、中国の会社が金塊の所有者として裁判参加を申し立てた。地裁は1月9日、申し立てを棄却したが、会社側が即時抗告。福岡高裁が同23日に参加を認める決定を出し、確定したため、地裁公判で“所有権”が争われることになった。

 公判で、没収を求める検察側は「(所有者として名乗り出た)中国の会社は事件の共犯者だ」「金塊が没収されず犯罪グループの手に戻れば同じ犯行が繰り返される」と主張。会社側の代理人弁護士は「金塊は被告らの共犯者とされる中国人の男の会社へ貸し出した」と説明。事件とは関係のない「第三者」であることを強調している。

 財務省関税局によると、全国で摘発された金塊の密輸件数は事務年度(7月~翌年6月)で、2014年度177件▽15年度294件▽16年度467件-と急増。日本に持ち込む際に必要な納税を密輸で逃れ、国内で売ることで消費税分の利ざやを稼ぐ「金塊ビジネス」が横行、16年度の脱税額は過去最高の8億7361万円だった。

 刑事告発で裁判になった件数は、14年度2件▽15年度9件▽16年度10件。うち、一審判決で没収が認められたのは、14年度0件▽15年度4件▽16年度3件(17年12月現在)-にとどまる。海外が絡む組織犯罪の場合、入手経路や首謀者の特定が困難なことから没収が認められないケースが多いのが実情だ。財務省は関税法違反(無許可輸入)罪の罰金を引き上げるなどしているが「没収することが重要な抑止になる」と話している。


控訴するのかもしれませんが、没収・執行猶予(国外追放?)は良い判決ですね。あとは向こうで勝手に刑(制裁?)を執行してくれるでしょうね。

日本としては没収率を上げることと、身一つでの損失補填を強要された犯人らが日本に渡ってこないようにすることですね。



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