(産経新聞 2018/03/22)

 中国国営新華社通信は21日、共産党と政府の機構改革案を伝えた。尖閣諸島(沖縄県石垣市)がある東シナ海などで監視活動を行う中国海警局が、人民武装警察部隊(武警)に編入され、軍の指揮下に置かれる。中国海警局は日本の海上保安庁を念頭に発足した組織で、これまで国務院(政府)の管理下にあった。一方、武警は最高軍事機関である中央軍事委員会の指揮下にあり、海警は軍事組織として明確に位置づけられることになる

 海警は今後、同様に中央軍事委の指揮下にある人民解放軍海軍との連携強化も可能となり、尖閣諸島周辺でパトロールを行う海上保安庁は厳しい対応を迫られそうだ。

 これまで武警は習近平国家主席(党総書記)が主席を務める中央軍事委と国務院公安省の二重指揮を受けていたが、今年1月から中央軍事委の指揮下に一本化されていた。

 20日に閉幕した全国人民代表大会(全人代=国会)では、中国海警局を運用する国土資源省国家海洋局について、新設される自然資源省に統合する政府機構改革案が採択された。このうち海警部門は自然資源省に含まれず、武警に編入されることになる。

 中国海警局は2013年、国家海洋局の「海監」や公安省の「海警」、農業省の「漁政」など複数の省庁の海洋警備機能を統合して発足した。中国軍事筋によると、海警発足後も部隊の運用にあたっては多くの省庁をまたがる決済が必要で、行政効率の低さが指摘されており「今回の組織改編により中央軍事委-武警-海警の指揮系統が明確になる」という。

 さらに中国海警局は発足後、運用する巡視船などの船舶数を急速に拡大している。退役した駆逐艦やフリゲート艦などを改造した準軍艦も多く「今後は海軍から海警への艦船の引き渡し手続きが簡素化される利点もある」(先の軍事筋)という。

 習近平総書記は昨年10月の共産党大会で「海洋強国の建設を加速させる」と表明している。


(時事通信 2018/03/22)

 中国共産党中央は、沖縄県尖閣諸島沖の日本領海に船舶を侵入させるなどの活動を行っている中国海警局(海上保安庁に相当)を準軍事組織である人民武装警察部隊(武警)に編入することを明記した「党・国家機構改革案」をまとめた。国営新華社通信が21日伝えた。

 中央軍事委員会の指揮下にある武警への編入で、海警が海軍と連携し尖閣周辺での活動を強化する可能性がある。機構改革は2018年末までに実施する。

 海警局は13年の政府機構改革で国家海洋局に設置された。13年時点の総員は約1万6000人で、武器を含む装備の充実や船舶の大型化を進めた

 中央軍事委は軍の最高指導機関で、習近平国家主席がトップを務める。これまで尖閣周辺で活動する海警局の船舶には海保が対応してきたが、活動主体が準軍事組織になれば、自衛隊の出動を迫られる事態の発生もあり得る

2016年09月21日