(中央日報 2018/02/27)

  日本が新しい情報を集める衛星の打ち上げに成功した。NHKは「27日午後1時34分、鹿児島県種子島宇宙センターで日本製H2Aロケットに載せた情報収集衛星が打ち上げられたが、約20分後に予定された軌道に投入され、打ち上げに成功した」と伝えた。 

  日本の情報収集衛星は事実上、軍事的目的の偵察衛星だ。地震・山火のような災害現場の被害把握はもちろん、北朝鮮の弾道ミサイル発射の動きなどを監視する資産であるためだ。 

  偵察衛星は大きく2つに分かれる。電波を利用して悪天候にも情報収集が可能な合成開口レーダー(SAR・Synthetic Aperture Radar)衛星、そして高性能デジタルカメラと赤外線センサーを利用して地上を観察する電子光学(EO・Electo-Optic)/赤外線(IR・Infrared)衛星などだ。今回日本が打ち上げた衛星はEO/IR衛星だ。 

  NHKは「今回の打ち上げの成功で(日本政府が)運用中である情報収集衛星は合わせて7機となった」とし「地球上のあらゆる地点を1日に1回以上撮影できる体制を備えることになった」と評価した。日本政府は北朝鮮の核・ミサイル脅威などを理由に今後偵察衛星を10期に増やす計画だ。 

  一方、韓国はまだ偵察衛星を一機も保有していない。軍当局によると、2021年~2023年まで5機(SAR衛星4機、EO/IR衛星1機)の偵察衛星を打ち上げる予定だ。このような空白期を考えてイスラエル・フランス・ドイツの衛星を賃貸して使う案が検討されたが、相手国の反対で失敗に終わった。軍関係者は「戦時作戦権転換の核心が独自で北朝鮮に対する情報資産を確保することだが、そのうち核心である偵察衛星確保さえできていない実情」と話した。


2017年09月11日


安全保障に関する情報収集 H2Aロケット打ち上げ成功
(NHK 2018/02/27)

安全保障に関する情報を集める政府の情報収集衛星が、27日午後1時34分に、鹿児島県の種子島宇宙センターからH2Aロケットの38号機で打ち上げられました。衛星は、およそ20分後に予定通り、地球を回る軌道に投入され打ち上げは成功しました。

政府の新たな情報収集衛星を載せたH2Aロケットの38号機は、27日午後1時34分に鹿児島県の種子島宇宙センターから打ち上げられ、補助ロケットや1段目のエンジンなどを切り離しながら上昇を続けました。

そして打ち上げからおよそ20分後に予定通り地球を回る軌道に衛星を投入し、打ち上げは成功しました。今回、内閣衛星情報センターと打ち上げを行った三菱重工業は安全保障に関わる打ち上げだとして、衛星を切り離した高度などの情報を明らかにしていません

情報収集衛星は、高度数百キロの上空から地球上のあらゆる場所を撮影し、日本の安全保障に関する情報を集める事実上の偵察衛星です

日中の時間帯に高性能のカメラで撮影する「光学衛星」と、夜間や悪天候の際に、電波を使って撮影する「レーダー衛星」の2種類があり、今回、打ち上げられたのは「光学衛星」です

今回の打ち上げ成功によって運用中の情報収集衛星は合わせて7機となり、地球上のあらゆる地点を1日に1回以上撮影できる体制が維持されるということです。

政府は、これらの情報収集衛星を北朝鮮のミサイル発射施設の動向の把握や、災害時の被害把握のためなどに使っていて、今後衛星の数を増やし「10機体制」にする方針です。

◇政府が目指す「10機体制」とは

政府は、宇宙基本計画の工程表の中で、情報収集衛星をさらに増強し、「10機体制」を目指す方針を明記しています。情報収集衛星は、現在、予備機を含めて6機が運用されていて、今回の打ち上げに成功すると、運用中の衛星は7機となります。

政府は、今後、情報収集衛星をさらに増強する方針で、宇宙基本計画の工程表の中では、具体的な目標時期を明記しない形で、予備機を除いても常時、10機を運用する「10機体制」を目指すと明記しています

「10機体制」が整えば、地球上のあらゆる地点を1日に複数回、撮影できるようになります。また、「10機体制」には、「光学衛星」と「レーダー衛星」が撮影したデータを地上に送る「データ中継衛星」も2機含まれています

現在、情報収集衛星は、日本付近の上空を通過したときだけに、データを地上におろす仕組みですが「データ中継衛星」が整えば、衛星が地球上のどこを飛んでいても、できるだけ速やかにデータをおろせるようになるとしています。

これまでに、情報収集衛星の開発と打ち上げ、運用に投じられた国費は1兆3000億円近くにのぼり、政府の新年度予算案にも(H30年度)衛星の運用費や新たな衛星の開発費として620億円が計上されています。

◇首相「安全保障 危機管理に万全期す」

安倍総理大臣は「種子島宇宙センターから、H2Aロケット38号機が打ち上げられ、搭載していた情報収集衛星光学6号機は所定の軌道に投入された。政府としては、この光学6号機を含む情報収集衛星を最大限活用し、今後ともわが国の安全保障および危機管理に万全を期す所存だ」というコメントを発表しました。

◇得られた画像は「特定秘密」 画質落として公開も

情報収集衛星で得られた画像は内閣官房の「内閣情報調査室」で分析し、分析した結果は、総理大臣官邸や防衛省、外務省など関係省庁に伝えられます

情報収集衛星は、平成15年に導入された当初は、地上の1メートルの物体を見分ける能力があるとされていました。

しかし、現在は、地上のどのくらいの大きさのものを見分けられるかという情報収集衛星の能力や、情報収集衛星で撮影された画像そのもの、そして、画像の分析結果についてはいずれも平成26年に施行された特定秘密保護法に基づいて、「特定秘密」に指定されています。

一方で、内閣情報調査室は平成27年9月の「関東・東北豪雨」の際に、災害に関する画像は公開する新たな方針を決め、初めて、情報収集衛星の画像を公開しました。

公開されたのは、堤防が決壊して大規模な浸水被害が起きた茨城県常総市を「光学衛星」が撮影した2枚の画像で衛星の能力がわからないよう画質を落とした状態で公開されました。

その後も、去年7月の九州北部豪雨と先月の草津白根山の噴火の際に「光学衛星」が撮影した画像が公開されています。