(朝鮮日報 2018/02/27)

 韓国外交部の康京和(カン・ギョンファ)長官が26日(現地時間)、スイス・ジュネーブで行われた第37回国連人権理事会ハイレベル会合の演説で、「(旧日本軍の従軍慰安婦)問題解決のための以前の努力過程において、被害者中心のアプローチに欠けていたことを謙虚に認める」と述べた。朴槿恵(パク・クネ)政権時に結んだ慰安婦問題の韓日合意に問題があることを、韓国政府が国際的な公の場で指摘したものだ。康京和長官の言及は、現政権が国際社会に対し、実質的に慰安婦問題の韓日合意を履行しないとの見解を表明したものと解釈できる

 康京和長官は同日の基調演説で、「80-90歳の高齢女性である慰安婦被害者・遺族は今も尊厳と名誉を回復するために苦労している。真実と正義の原則、被害者中心のアプローチを取るべきだ」と述べた。また、「韓国政府は被害者たちの傷を癒し、名誉回復を支援するものだ。それと同時に過去の過ちが繰り返されないよう、現在および将来の世代が歴史の教訓を学べるようにすることが重要だ」とも述べた。

 だが、康京和長官は北朝鮮の人権問題については演説の最後に「平昌の精神が韓半島(朝鮮半島)の平和定着と北朝鮮の人権問題改善につながるようにすべきだ」「北朝鮮は人権保護に対しさらに多くの支援を投入し、人権機構の決議や勧告に盛り込まれている義務を順守しなければならない」といった程度の言及にとどめた。北朝鮮の人権の惨状に関する具体的な言及はなく、発言の程度と分量は昨年に比べて大幅に減らした。平昌冬季五輪を契機とする南北対話局面で北朝鮮を刺激しないよう「調整」したものと見られる。

 昨年の同じ場で、当時の尹炳世(ユン・ビョンセ)外交部長官は「北朝鮮ではおぞましい人権侵害事例が数え切れないほど多い」「事実上、国全体が徹底した監視下にある巨大な収容所だ」と述べていた。

 ある外交筋は「文在寅(ムン・ジェイン)政権になって初めて北朝鮮の人権問題に関する公の見解を国際社会に対して述べる場だったが、最近の国際社会の動きとはかけ離れている」と語った。


(朝日新聞 2018/02/27)

 スイス・ジュネーブで26日に始まった国連人権理事会の定例会合で、韓国の康京和(カンギョンファ)外相が旧日本軍の慰安婦問題に言及したことについて、日本政府は韓国政府に即日抗議した。在ジュネーブ国際機関日本政府代表部の伊原純一大使が海外メディアも招いた記者会見を開き、明らかにした。

 康氏は、韓国政府の人権問題への取り組みを述べる中で、「戦時の性暴力」の過去の例として「慰安婦問題」を挙げた。日本政府は、韓国側が国連の場で慰安婦問題を取り上げたことを問題視。「最終的かつ不可逆的な解決」をうたう2015年の日韓慰安婦合意にある「両国とも国際社会で互いの非難・批判を控える」などとした内容の履行を求めた

 康氏の発言に対し、菅義偉官房長官は27日の会見で「我が国としては受け入れることはできない」と発言を批判。「日韓合意は国と国の約束。責任をもって実施しなければならないことは国際的に普遍的な原則だ」と述べた。河野太郎外相も同日の会見で「韓国政府がやらなければいけないことを着実に履行することが(問題の解決に)つながる」と述べた。(ジュネーブ=松尾一郎)


官房長官と外相は、記者会見では必ず「元慰安婦の7割以上は日本政府が拠出した10億円からの現金を既に受け取ったり、受け取る意向を示している」と付け加えたほうが良いんじゃないですかね。

2018年02月23日