(民団新聞 2018/01/17)

◇許されぬヘイトスピーチ
平沢勝栄・日韓議員連盟幹事(自民党衆院議員)

 来月開幕する平昌五輪が大成功するよう祈るとともに、私たち日韓議員連盟としても全力で成功へ協力していきます。

 日韓両国の問題がいろいろありますが、日本側としてはヘイトスピーチは絶対に許されない問題であると認識しています。一昨年、法制化した対策法について「罰則がないのは生ぬるいのでは」との意見も承知しています。法律の施行状況を見守りながら徐々に改善へ検討していきたい

 民団が韓国政府に対し一昨年の「慰安婦合意」の誠実な履行を求めていることに敬意を示すとともに、合意が履行されれば、両国の友好親善関係がさらに深まるものと確信しています。議員連盟をはじめ色々な場を通じて友好親善へ努力していきます。

◇20周年を次のスタート台に
河村建夫・日韓親善協会中央会会長(自民党衆院議員)

 今年は金大中大統領と小渕首相による日韓パートナーシップ宣言から20周年を迎えます。あの歴史的な日に、今一度戻り、新しい日韓関係構築のスタート台にしようではありませんか。

 日韓合意についても文在寅政府が必ずや解決していただけると信じています。

 民団の皆様とは日韓親善協会を通じて全国各地で密接な関係を築き、草の根の民間交流が深まっています。そして、いよいよ平昌五輪が開幕します。

 平昌五輪の成功はすなわち、東京五輪の成功につながります。そういう思いを持ちながら、しっかりと平昌五輪を応援していきます。

◇協力関係強化をさらに
魚住裕一郎・公明党参議院議員会長(参院議員)

 昨年は特に日韓関係の協力関係を強化すべく決意した年でした。私自身も2度韓国を訪れるともに、山口那津男代表も昨年11月に訪韓し文在寅大統領と面談し、両国の協力関係についてを話し合いました。

 目の前に近づく平昌五輪を成功させ、さらなる日韓友好の進展へ民団の皆様としっかり力を合わせていきたいと思っています。私自身も平昌五輪の開会式を参観します

◇ヘイト根絶へ努力重ねる
海江田万里・立憲民主党最高顧問(衆院議員)

 わが党は昨秋の総選挙で結党した新党ですが党政策の中にはアジア諸国との善隣友好を強めていくことを謳っています。その意味でも来月開幕する平昌五輪の成功を心から祈っています。呉公太団長がメッセージで、「日韓合意の誠実履行」を強調していることに心から敬意を表します

 また、日本の議員の立場からも今すべきことがあります。それはヘイトスピーチの根絶です。有田芳生議員を中心にわが党では対策法がより実効性のある方に改善されるよう努力を重ねていきます。

◇民団の努力で在日の今が
白眞勲・民進党副幹事長(参院議員)

 民団も今年で72年になります。私も、この国で在日韓国人として生まれ育ちました。そういう中で、民団の先輩方が一生懸命、血のにじむような努力をしたおかげで、今の在日社会が成り立っていると思います。

 私が子どもの頃、役所から小学校入学の案内書も届かず、成人式にも呼ばれませんでした。さらに就職時は「あ、韓国の方ですか」の一言で不採用でした。民団の先輩方の努力に本当に敬意を表したいと思います。

 最近、ようやく国籍差別が薄れて、2002年ワールドカップ、その後のヨン様ブーム、韓流ブームと続き、少し変わってきたかなと思っていたら、ヘイトスピーチが起きました。

 日本は2年後に五輪を開催し、世界からお客様が訪れるのです。にもかかわらず、この国に住む外国人を排斥しようとする運動をしているのであれば、こんな恥ずかしいことはありません。与野党関係なく何としてでも解決しようと法制化しましたが、まだまだヘイトスピーチは無くなっていません。

 在日の方々は特別な権利を求めているわけではありません。地域住民として、当たり前にこの国で生活していく最低限の権利を頂きたいと言っているのではありませんか。国会議員の私たちはそれをしっかりと受け止め、取り組んでいこうではありませんか。

◇平和と平等のため改憲阻む
福島みずほ・社会民主党副党首(参院議員)

 私は戦後補償に取り組んできた弁護士で、多くの韓国人、在日の皆様の話を聞いてきました。民団の皆様が戦後73年間、歯を食いしばって日本の中で地位を築き、差別撤廃、そして経済発展、本国への貢献に心から敬意を表します

 日本と朝鮮半島の平和の構築に党としても頑張っていきます。私は日本国憲法が本当に好きです。日本人で300万人、アジアで2000万人の犠牲の上に、私たちは「戦争をしない、世界で戦争しない」という憲法を手にしました。これを変えさせてはなりません。

 ヘイトスピーチの酷さに危惧を持っています。「平和と平等は手を携えてやってくる」という大好きな言葉があります。戦争と差別・排外主義が手を携えてやってこないように民団の皆様と力を合わせて闘っていきたいと思っています。

 包括的な人種差別禁止法の制定、ヘイトスピーチ対策法の強化、そして永住外国人への地方参政権の確立、差別撤廃のために頑張っていく決意を申し上げます。

◇地方参政権は待ったなし
小池晃・日本共産党書記局長(参院議員)

 昨年は民団の皆様と本当に交流の深まった1年となりました。

 民団主催の「市民・記者セミナー」にもお呼びいただきましたし、民団新聞のインタビューにも載せていただきました。

 今年は日韓パートナーシップ宣言から20周年を迎えます。この宣言は、日本の植民地支配に対する、痛切な反省と心からのお詫びを両国政府の合意として確認した重要な文書であります。さらに両国国民、とくに若い世代が歴史への認識を深めることが重要であり、そのためにも多くの関心と努力が払われる必要があります。

 日本側が、過去の歴史に真摯に向き合って深く理解していくこと、そして両国国民の心の交流を進めていくうえで、不可欠な宣言だと思います。この宣言に基づいて日韓の友好が発展するよう力を尽くして参りたいと思います。

 ヘイトスピーチなぞ、もってのほか。そして、永住外国人への地方参政権の付与も待ったなしと考えています。超党派で取り組んで参ります。


各地で新年会「韓日合意」守るべき
(統一日報 2018/01/17)

(略)民団中央本部・東京本部共催の2018年新年会が12日、都内のホテルで開かれた。全国各地の民団団員や韓日の国会議員など500人超が出席した。

民団中央の呉公太団長は、「15年に韓日の政府間で交わした、いわゆる慰安婦問題に関する『韓日合意』は守られるべきというのが、民団の基本的な立場であることに変わりはない。少し不満があるにせよ、誠実に履行されるよう望む。これからもより一層、韓日の懸け橋として民間外交を担う在外国民団体として努力することを約束する」と述べた。

韓国大使館の李洙勲大使は、「韓日関係が望ましい方向に向かって、前に進んでいくことを固く信じており、駐日大使として最善を尽くす」ことを誓った。(略)