(朝鮮日報 2018/01/08)

 韓国警察が、朴槿恵(パク・クネ)大統領=当時=の弾劾に反対する「太極旗デモ」主管団体の違法募金を捜査し、寄付金を送った支援者約2万人の金融口座を照会していた=本紙1月6日報道=ことが明らかになり、「警察は強引な捜査をしているのでは」という批判が相次いでいる。こうした中、朴前大統領弾劾を要求した「ろうそくデモ」主管団体の違法募金についても検察が捜査していたが、このほど証拠不十分だとして不起訴処分になっていたことが7日、確認された。

 これは、「正義市民行動」のチョン・ヨンモ代表(71)=写真=が7日、本紙インタビューで、「朴前大統領の弾劾訴追案国会可決1週間後の2016年12月16日、『朴槿恵政権退陣非常国民行動』(退陣行動)執行部のパク・ソグン韓国進歩連帯共同代表やアン・ジンゴル参与連帯共同事務局長らを違法募金の疑いでソウル中央地検に告発した」と明らかにしたものだ。この件はソウル中央地検刑事第1部が担当した。しかし、1年あまりに4回担当検事が交代した末、検察は今月2日、証拠不十分で不起訴処分にした。「太極旗デモ」違法募金捜査とは異なる判断だ。

 昨年4月に「太極旗デモ」違法募金容疑をソウル地方警察庁に告発した人物もチョン・ヨンモ代表だった。告発の理由は「ろうそくデモ」と同じだった。現行の寄付金品法では1000万ウォン(約100万円)以上の募金活動をする前に「寄付金品募集および使用計画書」を作成し、行政安全部(省に相当)長官や地方自治団体の首長に申告しなければならないが、両団体ともこの手続きを踏んでいなかった。チョン・ヨンモ代表は「検察が『ろうそくデモ』の捜査をきちんとしていないのを見て、『太極旗デモ』は検察ではなく警察に告発した」と言う。チョン・ヨンモ代表が率いる「正義市民行動」は主に寄付金品法に違反した団体や組織の告発を行っている。

 警察は「太極旗デモ」主催団体が違法かどうかを判断するため、寄付者2万人の名義の口座を調査した。そして25億5000万ウォン(約2億7100万円)について違法募金の疑いがあると判断、「大統領弾劾棄却のための国民総決起運動本部」(弾棄国)のチョン・グァンヨン広報担当ら指導部4人を起訴意見付きで昨年11月に検察に送致し、現在裁判中だ。

 警察とは違い、検察が「ろうそくデモ」違法募金について不起訴処分を下した際、「ろうそくデモ」支援者の口座を確認したかどうかは不明だ。検察関係者は「捜査記録を再度見なければ分からない」と話している。捜査機関が口座を照会した場合、6カ月以内にこの事実を該当者に通知しなければならない。「太極旗デモ」支援者はこのほど、銀行からの通知を受けた。だが、「ろうそくデモ」支援者のうち、現時点でこの通知を受けた人はいないという

 検察が「ろうそくデモ」募金を不起訴処分にしたのは、違法性が高くないと判断したためだとされる。検察関係者は「寄付した人のほとんどが『退陣行動』のメンバーだった」と語った。「退陣行動」は全国約1500の団体からなる。

 チョン・ヨンモ代表は「あっという間に終わった『太極旗デモ』捜査とは違い、『ろうそくデモ』関連では告発者の私が呼び出されることもなかった。何度も陳情書を出したが、『捜査中だから待ってほしい』との回答が返ってくるばかりだった。『太極旗デモ』だけが洗いざらい調べられたことになる」と話す。検察関係者は「違法募金の捜査で全支援者の口座を確認するのは異例だ」と言った。警察が過剰な捜査を行ったのではないかということだ。かつて部長検事を務めた経験のある弁護士は「政権の性格とは別に、同じ容疑に対する捜査は公平性をもって行われなければならない」と話している。


(朝鮮日報 2018/01/08)

 朴槿恵(パク・クネ)前大統領の弾劾に反対する「弾劾棄却国民総決起運動本部(以下、運動本部)」に寄付を行った2万人の市民に対し、ソウル警察庁が銀行口座情報を集めるなど捜査を行っていたことが5日までにわかった。運動本部は2016年11月からいわゆる「太極旗デモ」を行い、会員やその他の一般市民からおよそ63億ウォン(約6億7000万円)の資金を集めていたが、うち25億ウォン(約2億7000万円)が会員ではない一般市民4万人から集められたものだったという。寄付金品法によると、ある団体が非会員から年間10億ウォン(約1億1000万円)以上の寄付を受ける場合、行政安全部(省に相当)などに募金の目的や方法などを登録することが義務づけられているが、運動本部はそれをしていなかった。そのため「正義の市民行動(以下、市民行動)」なる団体が昨年4月に運動本部の執行部を告発し、4人が警察の取り調べを受け今も裁判が続いている。市民行動はいわゆる「ろうそくデモ」を主催した「政権退陣非常国民行動(以下、国民行動)」に対しても同じように16年12月にソウル中央地検に告発したが、検察は告発人から話を聞くこともせず、今月2日に証拠不十分を理由に不起訴処分にしていた

 運動本部と退陣行動はどちらも新聞広告などを通じて口座番号を公開し、あるいは集会の現場で寄付金を受け取るなど同じ方法で活動資金を集めていた。だとすればもし太極旗デモが違法であれば、ろうそくデモも同じく違法だったことになる。また同じ告発人が運動本部は警察に、退陣行動は検察に告発したのだが、警察による運動本部への捜査も検察の指示を受けて行われたはずだ。ところが運動本部は処罰を受け、退陣行動は罪がないとされた。警察は「太極旗デモへの寄付者が運動本部の会員かどうかを把握しただけ」と説明している。

 今の社会は朴前大統領の弾劾に反対するだけで「積弊」とレッテル貼りされかねない雰囲気になっている。しかもその当事者が公共機関などに勤めていれば、立場上一層不安になるだろう。警察は「寄付者リストは保管していない」と説明しているが、そんな説明を誰が信じるだろうか

 ろうそくデモと太極旗デモは前大統領に対する特別検事の捜査と弾劾審判をめぐって対峙していたが、結果的にろうそくデモ派が支持した大統領と政党が権力を握った。その後、検察と警察はろうそくデモ側には全く手をつけず、太極旗デモ側に対してのみ捜査を行い、数万人に上る市民の銀行口座を調べた。弾劾騒ぎの際どちらの側にいたかによって、この国の捜査機関は国民を自分の側か相手の側かに区別しているのだ


いい国になってきていますね。

2017年03月03日