(中央日報 韓国語 2018/01/02)
日の出の名所の一つである江原道江陵市の鏡浦台海水浴場を訪れた市民の一部が、2018年初日から非難の対象になっている。
海水浴場に殺到した観光客が昇る日を見ながら希望を祈って余韻を満喫していた1日午前8時。日の出安全事故防止のために午前6時から2時間の間、浜辺で現場点検を終えて復帰した鏡浦119安全センター所属の消防署員は戸惑いを隠せなかった。消防車を停めなければならない119安全センターが“日の出観光客用の駐車場”に変わっていたためだ。
▲新年初日の1日午前8時、日の出観光客が不法駐車した車両が消防車が出入りしなければならない鏡浦119安全センターの前を遮っている。
鏡浦119安全センター関係者は「復帰してみると車両12台程度が駐車されていた。いちいち電話をして車をどけるのに40分程度がかかった」と話した。引き続き「大半が日の出を見に来た人々なので、啓蒙次元で過怠金を課さなかった」と説明した。消防車など緊急車両の通行に支障をきたせば、道路交通法により20万ウォン以下の過怠金が課される。
このような事実は、当時の光景を目撃したある市民がインターネット掲示板に書き込みを載せて知らされた。書いた人は「現場に出て行って帰ってきた消防署員が駐車場のように停められた車を見てあきれている。消防車が中に入ることができず、周辺の道路はさらに修羅場になった」と書いた。この文を見た人は「自分の家に火が出てみればしっかりするはずなのに」「正気でない頭で日が昇るのを見てどうするのか」などのコメントをした。以後、関連写真まで付け加えられて非難が強まった。
目撃者などによれば、当時、センターの中には出動したポンプ車1台と救急車1台の他に別のポンプ車1台がさらにあった。近隣で火災が発生すれば不法駐車していた車のためにこのポンプ車の出動が遅れるしかなかった。
特に、この日の一部市民の行動は昨年12月21日、29人の命を奪った忠清北道提川複合商店街の火災当時の状況を思い出させて公憤を買った。当時、火事が起こった建物近くの道路に不法駐停車された車ために鎮火と救助作業が遅れたという指摘が多かった。火災当時、消防車を進入させるために駐車していた車のガラス窓を割って車を移動した犠牲者遺族たちは「救助が少しだけ早くても家族を生かすことができた」と嗚咽した。
以後、青瓦台(大統領府)国民請願掲示板には〈消防署員が不法駐車した車を損傷しても責任を負わないようにしてほしい〉という趣旨の請願が洪水のように上がってきた。現行の消防基本法によれば、消防署員は消防車の通行に邪魔になる駐停車車両や物を除去したり移すことができる。だが、現場ではそのような判断をすることが容易でないという。ある消防署関係者は「火災鎮圧過程で避けられなかったということを立証できなければ消防署員個人が破損した物を弁償しなければならないため困難が多い」と話した。
パク・ジョングク市民安全センターセンター長は「火災が発生すれば1分、1秒の初期対応に人の生命がかかった場合が多い。過怠金の金額を上げて取り締まりを強化することも必要だが、皆が『私は大丈夫だろう。大したことはないだろう』という安易な考えから直さなければならない」と話した。
一方、この日午前、ソウル市の日の出の名所の一つである麻浦区の『ハヌル公園』近くの車道一車線に斜めに停められた車が数台目撃された。日の出を見物しに来た市民が周辺に駐車する場所に困ると、道路に我も我もと駐車したのだ。見るだけでも危険極まりない場面だった。一部の車両持ち主はパトカーが出動して案内放送をしてから駐車した車に戻った。
▲1日午前、日の出の名所であるソウル市麻浦区の『ハヌル公園』近くの道路一車線に斜めに停められた車。