(マネーS 韓国語 2017/12/05)

防衛産業の話をすれば銃や大砲など兵器を思い浮かべるのが普通だが、航空と精密誘導兵器、探知など様々な分野の高付加価値産業に発展して久しい。特に最近では先端技術と結合して各国が持つ“技術力の総体”を計るものさしと見なされる。これにグローバル先進国は先を争って防衛産業の増進に心血を注いでいる。特にトランプ,アメリカ大統領の就任後、全世界の防衛産業は大激変に突入している。このような状況で全世界の防衛産業界は、世界唯一の分断国家という頸木を抱いた韓国を注視する。

◆積極的R&D投資、防衛産業強国に

韓国の防衛産業はどの程度だろうか。防衛産業はどこの国も政府と密接な関係を結び発展した。韓国は1970年代までアメリカの兵器を輸入したり、組み立て生産する水準だったが、以後、積極的な兵器国産化政策で世界的な防衛産業国家に生まれ変わったというのが専門家たちの評価だ

産業研究院によれば、国内防衛産業企業の生産量は昨年基準で16兆3,000億ウォンに達する。輸出実績も少なくない。176社の防衛産業輸出企業が89か国に輸出している

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防衛事業庁によれば、昨年の防衛産業輸出額は25億4,800万ドル(約2兆7,700億ウォン)で、10年前(2億5,000万ドル)と比べて10.2倍に増加した。分野別では弾薬と銃砲の輸出が13億5,600万ドルで最も多く、艦艇と機動火力分野が後に続いた。

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技術力でも相当な競争力を備えた。産業研究院が昨年、国内防衛産業企業および業界専門家集団を対象にアンケート調査した結果によると、昨年基準の韓国防衛産業の技術力は世界最高水準の86%と評価された。特にシステム統合(SI)など生産技術分野では90%水準に近接した

このような成長は、30数年間、持続的な国防研究・開発(R&D)投資を続けたため可能にした。昨年、政府の国防R&D投資規模は2兆5,000億ウォンを越え、最近6年間の累積規模は13兆ウォンを越える。これは先進国であるイギリス・フランス・日本・ドイツより高い水準だ。国防予算に占める国防R&D予算の割合を見ても韓国(6.5%)はアメリカ(10.8%)の次に高い。

防衛産業業界関係者は「国家主導の積極的なR&D投資と世界最高水準の製造業の力量が、韓国の防衛産業の成長を牽引した」と評価した。

◆“核心技術不在”足首…戦略的投資必要

だが、高い成長の勢いを迎えた韓国防衛産業は最近停滞期に入った。年間の防衛産業輸出量は持続的に増加し、2014年に36億1,200万ドルに達したが、以後、急激な下落傾向を迎えた。専門家たちはグローバル防衛産業市場の競争が激化する中、韓国の主要防衛産業製品のグローバル競争力が落ちたためと分析する。

実際、韓国の防衛産業はR&D投資費用は多いが、投資対比効率が落ちることが明らかになった。特に主な防衛産業製品に含まれる核心構成品と部品は大部分輸入したり、技術協力方式で生産するのにとどまる

産業研究院の調査によれば、韓国の4大兵器システム分野(航空・艦艇・地上・誘導)の12個の主要防衛産業製品(戦闘機・ヘリコプター・戦車など)に含まれた46個の核心技術の競争力は、世界最高水準の71%だ。数十年間に数十兆ウォンの費用を国防R&Dに投資したにもかかわらず、防衛産業製品内の核心技術競争力は先進国と格差が大きいわけだ。

このような現象が現れた理由について、産業研究院は▲政府の国防R&Dの選択と集中の戦略不十分▲システム総合中心の完成品開発方式▲国防科学研究所(ADD)が開発-企業が生産の国防R&D二元化構造▲単位事業内に限定された核心部品▲技術開発方式▲規模の経済不足などに起因した問題だと指摘した。

日本の場合、第2次世界大戦で崩壊したにもかかわらず、国防核心技術力確保のため、中長期的に一貫した国産化戦略推進に邁進し、戦車など機動・火力分野は100%、航空の輸送機・哨戒機のエンジン、艦艇・潜水艦のソナー、誘導兵器のセンサー類などは90%以上、国産化に成功したものと把握されている。韓国も、このように具体的な推進目標と方案を提示する一貫性のある国防研究・開発の戦略を推進しなければならないというのが産業研究院の提言だ。

また、国内防衛産業の成長動力だったADD開発-企業生産方式が世界10位圏台の輸出国に成長した後は、むしろ発展の障害物になったという分析も出ている。現在、ADDは政府のR&D予算の70%以上を主管したり、参加・管理していて、機動・火力・航空・艦艇など兵器システム全分野にわたって開発と管理を専門担当している。

産業研究院関係者は「国策研究所に対する過度な国防R&Dの予算集中と二元的R&D構造が企業の自発的な投資を遮っている」とし「先進国水準で市場が大きいか、経済性が高い分野については企業が主導するR&D方式を活用し、核・ミサイル防衛・潜水艦など国家の安全保障に脅威的であり、経済性が不十分な戦略分野については、ADD主導の開発方式に切り替えなければならない」と主張した。

一方、国防技術品質院が発刊した『2017世界防衛産業市場年鑑』によれば、販売量基準の100位圏内韓国企業は▲LIGネクスワン(52位)▲韓国航空宇宙産業(54位)▲ハンファテックウィン(65位)▲大宇造船海洋(67位)▲ハンファ(71位)▲豊山防衛産業技術研究院(96位)▲ハンファタレス(100位)などが名前を上げた。

グローバル順位は▲アメリカ,ロッキード・マーティン(1位)▲ボーイング(2位)▲イギリス,BAEシステムズ(3位)▲アメリカ,レイセオン(4位)▲ノースロップ・グラマン(5位)などが不動の位置を守っている。兵器販売額で上位10社が占める割合は51.6%水準だ。

国防技術品質院関係者は「上位圏の企業の世界市場支配は当分続くだろうが、私たちにも機会はある」とし「サイバーセキュリティーなど多様なポートフォリオを保有する企業がさらに有利な位置を占めることができる」と話した。(機械翻訳 若干修正)