サンフランシスコ「慰安婦像」は中国韓国の連携プレーだった
(週刊新潮 2017年12月7日号 2017/11/30)

大阪が「姉妹都市解消」は当たり前! 「トランプ」抱きつき女性も登場!!

「またか……」と溜息をついて終わり、で良い話ではないのである。サンフランシスコ市に設置された新たな「慰安婦像」。そのウラをめくれば、「トランプ」抱きつき女性もご登場と、中国韓国の連携プレーが透けて見えて――。
大阪市の「姉妹都市解消」も当然、なのだ。

 その場はさながら、「日本糾弾集会」のようなものだった。サンフランシスコ市に作られた「慰安婦像」除幕式の一コマである。

「最後には、私たちで東京に(慰安婦の)記念碑を建てましょう」

 はるばる韓国から訪れた元「慰安婦」が声を張り上げる

「そうしたら彼ら(=日本人)はそこを通る度に〝ごめんなさい〟〝ごめんなさい〟と言えるから」

 日本人にとっては大きなお世話であるが。主催の中国系女性も言う

「彼ら(日本人)は、歴史を取り繕おうとしているのです。歴史から汚点を取り除きたいのです」

 史実を改変しようとしているのは一体どちらか。

 500名ほどの参加者の中には、かつて米下院で「慰安婦決議」を可決に導いたマイク・ホンダ元議員の姿も見られた。金色の幕が引かれ、像の全貌が現れると、一斉に上がる拍手と歓声。彼らが持たされた「お土産」は、像の姿をプリントしたショッピングバッグ……。

 ひとつひとつ反論したくなる一連の〝動き〟。この像を巡る大阪市の対応が話題を呼んでいるのは、周知の通りである。

 大阪市は60年前からサンフランシスコと姉妹都市の関係を結んでいる。しかし、11月22日、サンフランシスコ市長がこの慰安婦像の寄贈を受け入れたことを受けて、吉村洋文市長は、「信頼関係は消滅した」と、解消を宣言。年内にも手続きが完了する見通しだ。

「この動きが始まったのは、3年前のことでした」

 と言うのは、慰安婦問題に詳しいジャーナリスト。

「設置運動を起こしたのは、在米中国系の団体です。2年前には、サンフランシスコ市議会で『設置支持』の決議案が可決され、動きは加速しました。サンフランシスコは中国、韓国などアジア系が人口の3割以上を占める地。市長も市議会も彼らを無視できないのです」

 そしてこの9月、チャイナタウンにある市営公園の脇の展示スペースに像は完成。民有地だったここは、すぐに市に寄付された。次いで、像とその脇の碑文、また、それらの20年間の維持管理費についても、団体は寄付を申し出た。

「維持費は2000万円超。像の制作にも2000万円以上がかかったとか。11月、議会も市長もこれを認めましたが、これに吉村市長が激怒した。問題となったのは、碑文に〝(慰安婦は)日本軍によって性奴隷にされた〟〝(人数は)何十万人にも上る〟〝大多数は囚われの身のまま命を落とした〟と記されていたことでした」(同)

 どちらも中韓が壊れたレコードのように繰り返す定型句だが、「性奴隷」「囚われの身」との表現は「強制連行」を思わせる。が、その証拠がないのは、もはや歴史の共通理解。「慰安婦」の人数についても、確かな数字は不明だ。要は史実と異なるウソを平然と載せて、日本叩きをしたいだけ、との狙いが透けて見えるのである。

「これらの動きに対し、前任の橋下徹市長から合わせて、計8回、大阪市長は書簡を送って指摘してきた。しかし、何の効果もありませんでした。像と碑文が民間のものであれば、意見を言う必要もない。しかしサンフランシスコは所有を決めてしまった。となれば、誤った事実を公式に認めたのも同義です」(同)

 アメリカで公有地に慰安婦像が建つのは3例目だが、サンフランシスコは全米でも5本の指に入る大都市で、その影響は計りしれない。吉村市長の決断も、ごもっとも、と言えるのである。

◇マイクの電源を切る

 ところが、周囲の反応は意外に冷ややかだった。大阪市議会の自民、公明両党は、さっそく市長に「解消より対話を」と申し入れ。さらには、〈市民交流を続けてこそ〉(11月19日付)と呑気な社説を掲げたのは、かの朝日新聞である。日く、

〈国が違えば人々の考え方は違う。市民同士が息の長い交流を重ねることで、その違いを理解し、乗り越えていこうというのが、姉妹都市の精神のはずだ〉

 自らが慰安婦誤報を出した責任はおくびにも出さず、学生のような〝正論〟を述べるのだが……。

「現実をまったく知らない人たちなんでしょう」

 と述べるのは、元ハーバード大学助教授の目良浩一(めらこういち)氏である。

 目良氏は、アメリカ在住。全土に次々と建てられる慰安婦像に危機感を覚え、これらへの反対運動を続ける人物だ

 2年前に、サンフランシスコ市議会が「設置支持」の決議案を可決したのは先に述べた。その直前に市民の意見を聞く「公聴会」が開かれたが、これに「設置反対派」として参加した目良氏が、当時を振り返る

 「もともとこの運動は、中国系の団体が始めた。でも、なかなか軌道に乗らず、そこで、彼らが頼ったのが韓国です。在米の韓国系団体に呼びかけ、ソウルから元慰安婦をこの席に招くことに成功したのです」

 中韓の連携プレーである。

 公聴会のその日、登場したのは、李容洙(イヨンス)女史。この11月には、アメリカのトランプ大統領が訪韓した際の晩餐会に出席し、大統領に抱きついた、あの老女だ。しばしばメディアに取り上げられる、「慰安婦業界」の〝スター〟である。

「彼女は車椅子に座っていましたが、スピーチになると、さっと立ち上がり、〝私は強制連行を受けた〟などと、快活に話しはじめました。傍聴席に並んだ賛同者は、黄色い蝶がプリントされた黒地のお揃いのTシャツを着ています。彼らが、両手を上げて踊りのような振る舞いをするのです」(同)

 宗教教団と見まごうばかり。議場は異様な雰囲気に覆われた。

「続いて、賛成派反対派、双方のスピーチです。私は自分の番が来た時、〝彼女の発言には間違いもある〟と、これまでの彼女の発言のブレを指摘しました」(同)

 確かに彼女の発言をつぶさに見ると、慰安婦になるキッカケが「日本人男性からワンピースと革靴を見せられ、嬉しくなってついて行った」というものから、「日本兵に引きずりだされた」など、いくつかのバージョンがあり、理解に苦しむのだが、

「するといきなり議長が話を遮り、〝貴様は李容洙が嘘つきだと言うのか!〟と怒鳴りたててきたのです。さらに、スピーチの時間は1人2分と決まっていましたが、賛成派の時は時間を過ぎてもそのまま続けさせる一方、私たち反対派に対しては厳密で、2分を過ぎるとマイクの電源を切ってしまう。議長は公平な存在であるはずなのに、全く違った」(同)

 極め付きは公聴会の終了後。ある市議会議員が目良氏らに向かって、「恥を知れ!」と4回も繰り返し、李女史を抱擁。ほっぺたに口づけまでしたというのだ。

「彼らは、はじめから設置ありき。対話とか、交渉に乗ってくる可能性なんてありえないのです。一体、これをどう乗り越えろというのでしょうか」(同)

 結局、行われたのは、監督・中国、主演・韓国による両国合作「慰安婦芝居」だったというワケなのである。

◇昭和天皇を告発

「この中国系の団体は、『慰安婦正義連合』を名乗っていますが」

 先のジャーナリストがその〝背景〟を述べる。

「トップは、リリアン・シンと、ジュリー・タンという、2人の中国系、元女性裁判官です。2人は判事時代から、南京事件の追及運動に熱心で、1997年には、『南京虐殺賠償連合』という組織も立ち上げている。『ザ・レイプ・オブ・南京』の著者、アイリス・チャンと共に活動し、昭和天皇を告発する模擬裁判も開いています。また、731部隊の追及にも熱心で、かつてニューヨーク・タイムズに部隊についての意見広告を掲載したこともあるくらい」

 要は、筋金入りの「抗日」活動家なのだ。

「彼女たちは、〝南京大虐殺の資料が世界記憶遺産に登録されたので、今は慰安婦に力を注いでいる〟〝大きな闘いになる〟と述べています」(同)

 再度問うが、この彼女らと「対話」が可能だろうか。そもそも「対話」が必要なのだろうか……。

 折しも、11月24日、一方の韓国政府が「慰安婦の日」を制定。中韓の攻撃は止まらない。

 中国に詳しい、ジャーナリストの福島香織氏は言う

「今回も例に漏れず、ここ3年ほど、中国と韓国の団体が慰安婦問題で共闘する機会が増えています。ソウルと上海で慰安婦像を共同設置していますし、世界記憶遺産にも、『慰安婦資料』を両国が中心となって共同提案している。今後も世界で似た動きが続くのではないでしょうか」

 もともと中韓だって歴史問題を抱えているし、現在もTHAAD配備を巡ってケンカの真っ最中。しかし、「抗日」という一点になると仲良くなるのだから、実に厄介な隣人なのである。

「この慰安婦像は、大阪市民だけでなく、日本国民に対する侮辱でもあります」

 と述べるのは、産経新聞ワシントン駐在客員特派員の古森義久氏。

「それに対し、姉妹都市解消という形で不快の念を示したのは、当然の話。今後の抑止力にもなりえる行動です。逆に、黙っていれば、事実を認めてしまったととらえられてしまうのです」

 その意味で言えば、改めて大阪の対応や良し、だが、一方で先の目良氏は、こんな気になる証言も……。

「今回の件では、サンフランシスコの日本総領事館に何度も相談に行きました。しかし、いつも〝いろいろやってます〟〝水面下でやってます〟と言うだけ。実際には〝騒ぎにしない〟〝何もしない〟という姿勢であることを強く感じました」

「沈黙は金」が良しとされた時代はもう過ぎ去った。それは、何度。謝罪しても歴史問題を蒸し返す、両国の姿勢が雄弁に物語っているのであるが……。

 果たして、その自覚と覚悟が日本にあるのだろうか。