(朝鮮日報 2017/11/24)

 今月15日に発生した浦項地震の震源の深さが当初発表の9キロメートルよりも浅い3-7キロメートルに修正され、震央も浦項地熱発電所に近かったことが明らかになった。

 韓国気象庁と韓国地質資源研究院が23日、浦項地震の精密分析結果を明らかにしたもので、震央は当初の発表よりも南東に1.5キロメートル離れた場所で、浦項地熱発電所からわずか500メートルという位置だった。

 高麗大の李晋漢(イ・ジンハン)教授ら一部の学者は、地熱発電所が地下4.3キロメートルまで掘削して水を注入しており、断層を弱め、地震を誘発したのではないかと主張している

 しかし、気象庁は地熱発電所が実際に影響を与えたかどうかは、現在浦項地域で官学研共同で実施している現場調査が完了しないと分からないとの立場だ。気象庁によると、本震直後に起きたマグニチュード4.3の余震は深さ6-7キロメートル、残る余震は2-3キロメートルで起きた。余震の震源の深さ(1-7キロメートル)は昨年の慶州地震の後の余震(11-16キロメートル)に比べ地表に近い。


(KBSニュース 韓国語 2017/11/23)

政府が15日に浦項で発生した地震の原因と関連性があるという主張が提起された地熱発電所を精密診断する予定の中、浦項地震の触発原因をめぐり論議が広がっている。

イ・ジンハン高麗大地質学科教授が去る15日、ある放送に出演して浦項地震の原因を地熱発電所だと指摘したのに続き、最近2年間に浦項地熱発電所周辺で63回も地震が発生したという調査結果が出てきて、このような論議はより一層大きくなっている。

20171165423yjw03_R
▲知識経済部と浦項市が去る2012年9月、浦項市興海邑南松里の野山で着工した地熱発電所。当初、総事業費473億ウォンが投入されて2015年に完工する予定だったが、まだ電気生産段階までは行くことが出来ていない状態だ。

◇浦項地震の触発原因、地熱発電所のせいだろうか?

現在、浦項地熱発電所は、最近の地震発生震央地から約2km(↑の記事にあるように500m)離れた浦項市北区興海邑南松里の野山の地下約4,000mに注入井を設置し、地熱を利用する大詰めの電気生産施設をつくっているが、現在は工事が中断された状態だ

地熱発電所は水を地中深く送って地熱で作られた水蒸気でタービンを回すが、このために地中深く埋めたパイプを通じて水を注入して抜く作業を繰り返す。

opr_1006545640_R

◇水の注入のたびに地震発生…事業中断しなければ

ところが、この過程で、水理刺激実験でマグニチュード2.0以上の微小振動を最近2年間に約63回発生させたというのだ。

国会国土交通委員会所属ユン・ヨンイル議員(国民の党)は23日、産業通商資源部(省に相当)と気象庁の資料を分析した結果、昨年1月29日から去る15日のマグニチュード5.4の浦項地震発生直前までに、浦項地熱発電所で高圧の水をボーリング孔に注入し、水を注入するたびの翌日に浦項内陸で地震が発生したと主張した

ユン議員によれば、この期間、浦項地熱発電所は地熱を利用した電気発生実験のために水注入73回、水排出370回など合計443回にわたる水注入および排出を実施し、この過程で2016年に41回(マグニチュード2.0以上8回)、2017年に22回(マグニチュード2.0以上2回)の合計63回(マグニチュード2.0以上10回)の小規模な地震が発生したというのだ

ユン議員は、このような点を根拠に上げて「浦項地熱発電所が今回の浦項強震と関連があるので事業を直ちに中断しなければならない」と主張した。

◇建設会社「水注入量は少ない、発電所のせいにするのは憶測」

これに対して浦項地熱発電所の建設事業を主管する(株)ネクスジオは憶測だと反論した。

ネクスジオ関係者は「浦項地震の原因を地熱発電所と推定する根拠はシェールガス採掘技術である水圧破砕のためだが、浦項地熱発電所は『水理刺激』技術を活用している。水圧破砕は岩盤に隙間を破る方式で、水理刺激はもともとあった岩盤の隙間を広げて人工の底流層を作るもの」と説明した。

また、彼は「アメリカでは水圧破砕する時、数百万tの水を注入するが、2年間に浦項地熱発電所で地中に注入した水の量は5,800tに過ぎない。比較可能な対象ではないのに海外の事例を例にあげて浦項強震の原因を地熱発電所のせいにするのは問題がある」と主張した。

◇ボーリング孔2個が5.0以上地震発生? 説得力弱い

ユ・インチャン慶北大地質学科教授も地熱発電所と浦項地震との関連性について説得力が弱いという見解を出した。

ユ教授は「ボーリング孔に高圧水を注入すると微細な地震が発生する可能性がある。ところが、わずか2つのボーリング孔がマグニチュード5.0以上の地震発生の原因になるということには疑問に感じる。気象庁と韓国地質資源研究院で関係性を調査して正確な結果を明らかにしなければならないだろう」と話した。

地熱発電が活性化しているヨーロッパでも地熱発電所が誘発する地震に対して交錯する分析を出している。

10年前、地熱発電所建設工事が進行されたスイス,バーゼルで連続地震が起きたが、スイス検察では地熱発電所建設を地震発生と関連づけて捜査したことがある。

◇政府「浦項地熱発電精密診断…建設工事は中断」

一方、一部浦項市民が地熱発電と地震との関連性を明らかにしてほしいと、青瓦台(大統領府)ホームページで請願運動を行っている中、産業通商資源部は国内外の地質・地震専門家で調査団を構成し、近いうち浦項地熱発電に対する精密診断を行う計画だ

産業部は「現在、地熱発電所工事は中断され、精密診断の結果が出るまで引き続き工事を中断する」と明らかにした。(機械翻訳 若干修正)


今のところ地震誘発を理由に中止になったところは、記事にあるスイスくらいですかね。日本にも参考になるようなしっかりしたデータが揃うと良いですね。

ちなみに、発電計画はこんな感じです↓

 浦項に韓国初の地熱発電所…年末には1000世帯に電力供給
(中央日報 2017/02/22

  今から4年前、慶尚北道浦項市(キョンサンブクド・ポハンシ)の興海邑南松里(フンへウプ・ナムソンリ)端山近くに鉄塔1本が建てられた。一見、送電塔のように見られるが、この鉄塔はボーリング(試錐)塔だ。2012年9月から少しずつ土地を掘り下げていった。ボーリング塔が掘り下げた土地の深さはなんと4000メートル。それも穴が2つだ。石油一滴も出ない国で何のボーリングをするというのだろうか。 

  浦項市はこちらにメガワット(MW)級の地熱発電所を建てている。火山地帯でないところでMW級地熱発電所を作るのは国内ではもちろん、アジアでも初めてだ。地熱発電所は数キロメートル深さの穴1カ所に水を入れ、土地の中で暖められた水を他の穴でくみ上げる作業を繰り返す。お湯から吹き出る蒸気でタービンを回して電力を生産する。地熱発電は温室ガスがほとんど排出されず、1年中休まずに電力を生産することができる。季節や天気にも影響を受けない。大規模の森林破壊が伴われる太陽光・風力発電所とは異なり、地上で占める空間も小さい。 

  今まで非火山地帯で地熱発電ができなかった理由は、温度が充分ではなかったためだ。だが、関連技術が発展することで火山地帯ではなくても地熱発電が可能になった。それと同時に、韓半島(朝鮮半島)で最も地下温度の高い浦項市興海邑南松里一帯が地熱発電の最適地として選ばれた。韓国地質資源研究院の調査結果、この地域の5キロメートル地下の温度は最大180度ということが分かった。 

  21日、浦項市と浦項地熱発電所の主管機関である㈱NEXGEOによると、最終段階に入った地熱発電所の建設事業は今年上半期に終わる見通しだ。今は水を注入する注入井(4348メートル)と水を採取する生産井(4362メートル)の設置が終わった。現在、タービンを稼動する発展施設を作っている。施設が全部備えられる下半期には1~2カ月間の試運転を行う。年末ごろ、1.2MW規模の電力を生産して1000世帯余りが使える電力を試験生産する計画だ。 

  来年には2段階事業として800億ウォン(約79億5000万円)を投じて5MW規模の発電設備をさらに作る。事業の規模が大きいだけに、産業通商資源部と韓国水力原子力発電、関連公共・民間企業などがコンソーシアムを構成する計画だ。浦項市未来戦略産業課の関係者は「設備容量を1.2MWに5MWを拡充して6.2MW級電力を生産することになれば、計5000~6000世帯が地熱発電を通じて作られた電力を使うことができる」と話した。これは浦項市興海邑全体1万4000世帯の約40%に当たる。興海邑の住民チェ・ボムギュンさんは「この地域に地熱発電所ができるという事実が意外だ」とし、「実際に稼動をしてみないと分からないだろうが、環境破壊が少なくて放射能の危険もない再生可能エネルギーと聞いて良いと思った」と話した。 

  浦項市が第一歩を踏み出した地熱発電事業が他の地域につながるかも注目される。ソウル大学エネルギー資源工学学科のミン・ギボク教授は、韓国地熱エネルギー学会に寄稿し、「火山地帯でない地域は今まで地熱エネルギー開発の不毛地として知らされてきたが、これを技術的に乗り越えられる代案が開発されている」として「地熱エネルギーは二酸化炭素排出量が少なく、韓国内で開発することができるというメリットがあり魅力的」と説明した。