【余滴】独島エビ
(京郷新聞 韓国語 2017/11/08)

イ・キファン論説委員

〈…独島エビ、チャプチェを載せた石釜飯の飯床…。〉

8日、ドナルド・トランプ,アメリカ大統領の青瓦台(大統領府)での晩餐をめぐって日本が憤慨した。慰安婦被害者であるイ・ヨンスおばあさんが招待されてトランプ大統領と抱擁をし、晩餐メニューに『独島エビ』の名前が含まれていた。特に日本のマスコミが晩餐会メニューに上がったエビを『竹島エビ』ではなく『独島エビ』と表記したことをめぐって諸説乱舞している。日本としては倉卒の間に食らったワンツーパンチといえる。

実際に独島エビという固有名称はない。ただし、韓国漁民が鬱陵島・独島など東海岸で獲れるトファセウ(桃花エビ)(トヤマエビ)とタッセウ(鶏エビ)(カシベセウ)(イバラモエビ)、コッセウ(花エビ)(ムルロンカシプルグンセウ)(モロトゲアカエビ)の3種を市場で売りながら『独島エビ』と呼んでいる
※トヤマエビはボタンエビとも呼ばれることがあるが別種。

国立水産資源研究センターのキム・チョンニョン博士によれば、この独島エビ3種セットは、東海(日本海)150~600mの深さに棲息する共通点を持っている。桃花エビと花エビは初めは雄だが後に雌に性転換する特異体質だ。体が大きく、色が華やかで、深海で暮らしているために肉質がしっとりとして脂肪成分が多い。このうち、トランプ国賓晩餐に登場した独島エビは『桃花エビ』だ。桃の花のように美しい色のため『桃花』というすてきな名前を得た。独島エビ3種セットのうち、独島近くで最も多く収穫できるのは頭に鶏のトサカのようなトゲが出ている鶏エビだ。ところで、この“独島エビ類”は独島の近くだけで獲れる甲殻類ではない。3種とも日本やアラスカ,ベーリング海、オホーツク海域でも獲れる。海に何の国境線があるだろうか。特に花エビの正式名称は日本語の『モロトゲアカエビ』だ。これを韓国語にそのまま翻訳したのが『ムルロンカシプルグンセウ』だ。
※モロ=ムルロン トゲ=カシ プルグン=アカ セウ=エビ。

ところが、日本のマスコミが率先して日本海域でも獲ることができる桃花エビと鶏エビ、れっきとした日本の名前を持つ花エビを『独島エビ』という名前で表記した格好になった。おかげで『独島エビ』が国際社会で有名になった。日本の自縄自縛である。

改めてエビに関することわざ2つが思い出される。日本は〈エビが雷に打たれた話をする〉(訳不明)(昔の事をかき回して余計な話をする)と不満を炸裂させたが、韓国としては〈エビでタイを釣る〉(少ない元手で大きな利益を得る)の格好になった。(機械翻訳 若干修正)