(朝鮮日報 2017/10/11)

韓国軍のデータベースセンターに相当する国防統合データセンター(DIDC)が昨年9月に北朝鮮人と推定されるハッカーの不正アクセスに遭った際、米軍が機密に分類して韓国軍へ提供した北朝鮮関連の写真や、北朝鮮の無人機挑発を巡る韓国軍の対応措置などといった情報も流出していたことが10日までに確認された。米軍が集めた情報が韓国軍のミスで北朝鮮に流れたということで、今後韓米間の軍事情報共有に支障が生じかねない、という指摘がなされている。

韓国国防部(省に相当)が国会国防委員会で与党「共に民主党」の幹事を務める李哲熙(イ・チョルヒ)議員に報告した内容によると、北朝鮮人と推定されるハッカーが韓国軍の内部ネットワーク(国防網)から盗み取った機密文書の中には、韓米両国の対北朝鮮偵察および諜報(ちょうほう)手段や、これらの手段の運用現況などが含まれていたという。北朝鮮が韓国の対北朝鮮偵察手段の運用現況を把握した場合、金正恩(キム・ジョンウン)労働党委員長の動きがつかまれることを最小限に抑え、ミサイル発射など挑発を行う際にも韓米の監視を避けることができる。李議員は「流出資料の中には、米軍が独自に収集して韓国軍に提供した写真ファイルが多数含まれていた」と語った。ただし、機密に分類された写真の内容は明らかにされなかった。ハッキング事件が起こった後、韓国軍は「外国政府などから受け取った資料は流出しなかった」と主張してきたことから、問題はもっと大きいという指摘がある。

米軍はこれまで、北朝鮮内部の映像・通信情報を集めて韓国軍と共有し、韓国軍の「目」や「耳」の役割を果たしてきた。代表例が、「キーホール」(鍵穴)という別名で呼ばれるKH12偵察衛星だ。KH12は、北朝鮮の300-500キロ上空を1日に3、4回通過して北朝鮮内部の動向をつかむ。烏山基地から飛び立つ米軍のU2偵察機は北朝鮮の前方・後方地域を撮影し、在日米軍基地などから飛び立つ米軍のRC135偵察機は通信傍受によって北朝鮮軍の信号情報を収集する。

米軍は、こうしたやり方で集めた北朝鮮関連の情報を韓国軍と共有してきた。安全保障の専門家らは「流出資料の中には米軍が提供した北朝鮮監視資料が含まれており、この情報が韓国側のミスで北朝鮮のハッカーに渡ったのだとしたら、今後米軍が情報共有を避ける口実にされかねない」と語った。実際2009年、韓国軍が持っていた作戦計画5027(現在の作戦計画5015の前身)の要約文書が北朝鮮のハッキングによって流出したときには、ウォルター・シャープ在韓米軍司令官など当時の米軍首脳部が韓国軍に強く抗議し、国防部の金泰栄(キム・テヨン)長官(当時)は韓国軍に「特段の対策」の整備を指示した。09年のハッキングで北朝鮮が盗んでいった文書はパワーポイントのファイル11ページ分にすぎなかったのに対し、昨年のハッキングで流出した情報はA4用紙でおよそ1500万ページ分に上るという点から、問題はさらに深刻だ。

加えて、日本の一部軍事専門家や研究者らは「日米が独自に集めた情報を韓国に提供したら、これらの情報が北朝鮮や中国に筒抜けになる」というような主張を行ってきており、今回の事件がこうした主張に名分を与える結果になった、という評価も出ている

これとともに李議員は、北朝鮮の無人機攻撃に備えた韓国軍の対応措置に関する文献も多数流出した、と語った。通常爆弾や生物・化学兵器などを搭載した攻撃用無人機で北朝鮮が局地挑発を行う状況を想定し、韓国軍が立てた対策が含まれているという。こうした計画が北朝鮮側に丸ごと流出したことに伴い、北朝鮮の無人機に対する韓国軍の備えも全面修正が避けられない見込みだ。北朝鮮は韓国側の無人機対応措置を残らず把握しているだけに、これを避ける方向で韓国に無人機を潜入させる作戦を立てることができるのだ。また北朝鮮は、無人機を攻撃用だけでなく偵察用にも使っている。韓国国内で最近見つかった北朝鮮の無人機からは、大統領府(青瓦台)や星州の高高度防衛ミサイル(THAAD)基地、韓国軍部隊など、韓国の主要施設を撮影した写真が多数発見された。


(朝鮮日報 2017/10/10)

(略)北朝鮮のものと推定されるハッカー集団は、韓国軍の情報網の「中枢神経」に当たる国防統合データセンター(DIDC)のサーバーで、たまたま内部・外部ネットワークがつながっている場所を見つけ出し、国防網に侵入した。2015年にDIDCのサーバーを構築した際、施工者が業務の便宜のため、契約内容に背いて外部ネットワークと内部イントラネットのサーバーを連結(ネットワークの混用)していたのだ。こうして国防網に侵入したハッカー集団は、DIDCのサーバーにつながった各軍のサーバーやパソコンを荒らしてまわった。(略)

2017年10月10日