(韓国経済新聞 韓国語 2017/08/26)

ペ・ヘジョン(裵惠正)韓国マッコリ協会長、裵惠正都家代表

マッコリとサケは韓国と日本を代表する伝統酒だ。米を基本として作られるという点では同じだが、実に異なるお酒だ。マッコリが韓国市場はもちろん、世界市場で苦戦している反面、サケは日本市場をはじめ、韓国を含めた世界市場でも認知度を高めている

理由は様々だが、マッコリが認知度を高められない原因は地域化に求めることができる。マッコリの世界化を叫びながらも、国内市場で自立することにも失敗した。世界化のためには、先に味と品質でリードしたマッコリを生産する国内産業基盤が確実に構築され、国内の消費者が多く訪れる好循環体系が実現されなければならない。だが、マッコリブームが起きた頃は寡占業者が生じ、引き続き、業者間の価格競争で我が身を削る状況が起きた。

マッコリの世界化は新たな輸出産業以上の意味が込められている。地域の特性を込めた持続可能な国家文化的コンテンツ事業としての成長の可能性がそれだ。日本はサケを単にお酒でなく、歴史的文化価値と見て投資を惜しまない。外国の大物人士が訪問すれば、自国固有の文化を込めてサケをご馳走する。高級化と歴史文化が交わる特別な経験を提供するので、世界市場でも通じるのだ

韓国には1000を越える地域マッコリがあるものの、相変らず零細性を抜け出せずにいる。伝統美と素朴な雰囲気を強調したため、高級化戦略を掲げられずにいる。単に物ではなく、良い経験と価値を売らなければならないのに、市場では「マッコリは安くなければならない」という公式から抜け出せずにいる

マッコリ市場を規制するより、品格を高めて最高の経験をすることができる酒類として、より積極的な支援策を講じなければならない。日本は民間団体である日本酒サービス研究会・酒匠研究会連合会でサケの発展のために『日本産清酒原産地呼称制度』を運営している。フランス政府が150年余り前からワインを5つの等級に区分して厳格な品質基準を適用しているのと同じ脈絡だ。

3年前に設立された韓国マッコリ協会は、日本現地にマッコリ広報のためにマッコリギャラリーを設け、人材養成のために京畿大大学院に醸造経営科を設置するなど、マッコリの産業化および世界化のために努力している。マッコリを経験できる様々な方法も提案している。来月1~3日に京畿道加平郡のチャラ島で開かれる『チャラ島マッコリフェスティバル』が代表的だ。今年で3回目のこの祭りは『韓国のオクトーバーフェスト』を標榜している。

トーマス・ギルオービック,アメリカコーネル大心理学科教授は、『経験マーケティング』を強調し、実験を通じて消費者は物より経験を積むためにお金を使った時により大きな幸福を感じ、その感情がさらに長く維持されるという点を立証した。マッコリが地域の特性を込めるところからさらに進んで持続可能な国家文化的コンテンツ産業に成長するためには、特別で気持ち良い経験を提供できなければならない。マッコリ業界関係者と政府は何より、消費者がマッコリとともに幸せな経験を満喫することができるように新しい物語と価値を提供することに力を入れなければならない。(機械翻訳 若干修正)


2015年04月28日