(ソウル新聞 韓国語 2017/08/27)

日本東芝が、これまで優先交渉対象者であった『SKハイニックス』の“韓米日コンソーシアム”の代わりに、アメリカ『ウェスタンデジタル(WD)』が率いる“新米日コンソーシアム”に半導体部門を売却することで事実上確定し、適正性論議が起きている。優先交渉対象の指定は法的拘束力がなく、東芝の決定翻意自体を問題にすることは難しいが、日本政府の影響で国際商取引の慣行が完全に無視されたという批判が出ているためだ。

日本の朝日新聞は、東芝と新米日コンソーシアムが『東芝メモリ』売却条件を大枠で合意したと27日、報道した。買収額は約2兆円(約20兆5400億ウォン)で、WDはこのうち1500億円(約1兆5400億ウォン)を転換社債(CB)の形で投資する見通しだ。CBは一定期間後、株式に変換が可能な社債で、WDは株式転換後に約16%の東芝メモリ議決権を持つようになる

東芝と日本政府が数十兆ウォンがかかった企業売却の重大な決定を翻意した行為と一連の過程について、専門家たちの間に強い批判が出ている

まず、韓米日コンソーシアムとの交渉でディールブレイカー(交渉の決裂要因)になったとされるSKハイニックスの議決権要求(転換社債で出資)は、当初から提案書にあった要求事項であった。すでにこのような条件を知りながら優先交渉対象者に選定しておいて、事後にこれを問題視し、結局、最終契約対象から排除することが妥当なのかということだ。そうしておいて、WDには転換社債出資を認めた。

また、これまでの優先交渉対象者を差し置いて、他の事業者と契約することで合意したというマスコミの報道が連日出ているが、いざSKハイニックスには何の通知もなかったという。商取引の慣行上、最低限の道義すら守らなかったという指摘が出ている理由だ

朝日新聞は去る24日の記事で「東芝案件を担当する経済産業省幹部が先月交代させられ、以後、WDとの関係改善が必要だという認識が政府の中にできた」と伝えた。特に、WDの訴訟が提起されて以降、経済産業省が直接東芝に「WDと交渉するように」と勧めたという

韓国企業の株式取得を警戒した日本政府の影響が作用したという分析が出てくる理由だ。SKハイニックス関係者は「現在の状況では言える話はない」とした。(機械翻訳 若干修正)


(朝日新聞 2017/08/24)

 東芝がすすめる半導体子会社「東芝メモリ」の売却で、優先交渉先が「日米韓連合」から、協業先の米半導体大手ウエスタンデジタル(WD)などでつくる「新日米連合」に事実上、切り替えられたことがわかった。買収額などで詰めの協議をおこない、月内の正式契約をめざす。

 新日米連合にはWDのほか、政府系ファンドの産業革新機構、日本政策投資銀行、米投資ファンドのコールバーグ・クラビス・ロバーツ(KKR)が参加する。1兆9千億円規模で買収する案を示している。関係者によると、WDが将来取得する株式の比率などを詰めている。WD幹部が来日し、31日に正式契約する方向で調整中という。

 東芝は当初、革新機構や韓国半導体大手のSKハイニックスなどでつくる日米韓連合を優先交渉先に選び、6月中の契約をめざした。だが日米韓連合は、WDが国際仲裁裁判所に東芝メモリの売却差し止めを申し立てたことを警戒。係争の解消を買収条件とし、交渉が膠着(こうちゃく)していた。

 このため、経済産業省が後押しし、WDなど新日米連合との交渉を優先する方向に切り替えたという。WDは正式契約できれば売却差し止めの申し立てを取り下げる考えだ。

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■経産省が後押し

 東芝が半導体子会社「東芝メモリ」の売却で、米半導体大手ウエスタンデジタル(WD)などの「新日米連合」と交渉を本格化させる。「日米韓連合」との交渉がうまくいかず、契約の「期限」が迫るなか、経済産業省の後押しもあって大きく方針転換した。

 新日米連合は、WDと政府系ファンドの産業革新機構や日本政策投資銀行、米投資ファンドのコールバーグ・クラビス・ロバーツ(KKR)で構成する。これまで優先的に交渉していた「日米韓連合」に加わっていた革新機構と政投銀も、新日米連合に乗り換える形となる。

 関係者によると、東芝が、新日米連合に交渉相手を切り替えるきっかけは、7月上旬の経済産業省の人事異動で東芝案件を担当する同省幹部が交代したことだったとされている。それまで経産省は、売却差し止めを求めて東芝と対立するWDを排除し、日米韓連合を推した。だが、新しい幹部の着任を機に、同省とWDのスティーブ・ミリガン最高経営責任者とのパイプができた。東芝とWDの関係改善が必要だとの認識に傾いていったという

 WDは、東芝メモリと同業の韓国SKハイニックスを含む日米韓連合に売却することに強く反発。WDの売却差し止め訴訟のリスクが解消されないことから、日米韓連合との交渉は行き詰まっていた。状況打開のため、経産省側から東芝の綱川智社長に対して、WDと交渉するよう働きかけがあったという。8月上旬にはWDのミリガン氏が来日、綱川社長と会談するなど、下交渉が始まった

 WDが主導する新日米連合は、1兆9千億円規模の買収額を示している。東芝は2兆円超を求めており、買収額についてはなお調整を続けているもようだ。

 また、WDは同業の半導体メーカーで、各国の独占禁止法の審査が長引きかねない。このため、当初は東芝メモリが発行する社債を引き受けて数千億円を拠出する方向だ。WDは、将来的には株式を取得したい考えだが、10年間は保有比率を2割以下にするように東芝が求めているという。

■社内で反対意見も

 東芝社内では半導体事業部門を中心に、WDと組むことに反対意見がくすぶっている。WDとは売却差し止め訴訟などでいまも激しく対立し、強い不信感があるためだ。

 足元では半導体事業が好調で、来年3月末時点で自己資本を約1400億円積み増せると見込まれている。東芝社内では外部出資を受けて債務超過を解消する案や、東芝メモリを売却せずに新規株式公開する案なども取りざたされる。

 ただ、こうした動きに対して支援銀行はクギをさす。「売らない選択肢は極めて低い」(銀行幹部)という。銀行の負担が増えるリスクを嫌い、売却して債務超過を確実に解消し、上場維持することを東芝に強く求めている。

 WD側と正式に契約できたとしても、その後、独占禁止法上の審査をクリアしないといけない。売却完了の期限は来年3月末。時間はなくなっている。(大鹿靖明、西尾邦明、川田俊男)