(朝日新聞 2017/08/12)

 韓国のソウルと仁川(インチョン)で12日、日本統治時代に朝鮮半島から労務動員された「徴用工」の像の除幕式があった。徴用工像の設置は初めて。歴史認識問題で日本に厳しい姿勢を示す文在寅(ムンジェイン)政権の登場もあり、韓国ではこうした動きが活発化。慰安婦問題を象徴する「少女像」に続き、日韓関係を緊張させそうだ。

 12日午後、ソウル中心部の竜山駅前広場で市民団体が徴用工像の除幕式を開いた。韓国国土交通省は、国有地への設置は国有財産法に違反するとし、認めない立場だったが、市民団体側は強行した。同省は「法に沿った手続きを取る」とするが、市民団体との衝突を避けて政府が黙認するのではとの見方も出ている。

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 同日夕には、日本の軍需工場が多数存在した仁川の富平公園内でも徴用工父娘像の除幕式があった。市民からの寄付金7500万ウォン(約715万円)で制作した。

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 日本統治からの解放を祝う「光復節」の15日には、ソウルの日本大使館そばで市民団体が記者会見し、少女像の横に徴用工像を設置する立場を改めて強調する予定。10月には、済州島の日本総領事館前に徴用工像を設置する動きがある

 日本は戦時中の労働力不足などを補うため、1939年に労務動員計画を閣議決定。39~45年に約70万人を朝鮮半島から動員したとされる。日本政府は65年の日韓国交正常化にあたり、植民地支配下での徴用や徴兵などの個人補償は韓国側に任せ、経済協力の形で「清算」に代えた。韓国政府は、徴用工問題については日本政府と同様「解決済み」との立場だ

 しかし、元徴用工らは、韓国が対日請求権を放棄する代わりに日本から得た無償3億ドル(当時の1080億円相当)の経済協力資金の分配が得られなかったのは不当だと主張。訴訟が相次いでいる。

 三菱重工業や新日鉄住金、不二越を相手取った裁判で、1人当たり1億ウォン(約950万円)程度の損害賠償を命じる判決が、確認されただけで11件出ている。係争中は14件ある。14日には韓国政府を相手取り、ソウル中央地裁に1人当たり1億ウォンの損害賠償訴訟を起こす。

 少女像を設置する動きも止まらない。韓国挺身(ていしん)隊問題対策協議会によれば、15日までに新たに9体がソウルなどに設置される。韓国全土の少女像は約80体に上る見通しという。ソウル市内を循環するバスの運行会社は14日から9月末まで、バス5台の各1座席にプラスチック製の少女像をそれぞれ設置するという。バス運行を管理するソウル市も設置を認めた。

 韓国政府は年末までに、2015年の日韓慰安婦合意の締結過程や内容を検証する予定。文氏は「大多数の国民は合意を受け入れられない」と繰り返し主張している。与党・共に民主党の秋美愛(チュミエ)代表は12日、元慰安婦らが共同生活を送るソウル郊外の「ナヌムの家」を訪れ、「文在寅政権と『共に民主党』は慰安婦再交渉のために努力する」と語った。

 文在寅政権は15日の光復節記念式典に、初めて元慰安婦2人を招待した。長崎県の端島(通称・軍艦島)で働いた元徴用工1人も出席する。韓国行政安全省は「光復の本当の意味をよみがえらせ、国民の和解と結束の機会にする」と説明する。

 日本政府は外交ルートを通じ、日韓関係に悪影響を及ぼしかねない動きを自制するよう韓国政府に要請。文氏が15日にどのような演説を行うか注視している。(ソウル=牧野愛博)


(聯合ニュース 韓国語 2017/08/13)

・強制徴用犠牲者団体、光復節に位置示す…10月設置目標
・鍾路区「初耳」、少女像管理団体「龍山駅に設置されたのにあえて…」

日帝強制徴用犠牲者団体がソウル市鍾路区の旧日本大使館(建て替え中のため移転)の向い側の『平和の少女像』の横に『強制徴用労働者像』設置を推進している。

13日、(社)対日抗争期強制動員被害者連合会によれば、この団体は第72周年光復節である15日午前11時、平和の少女像の横で『強制徴用労働者像確定記念式』を開催する

強制徴用犠牲者遺族などで構成されたこの団体は「日帝植民地36年の恨(ハン)を解き、過去の歴史を清算するために戦犯国大使館前に労働者像を設置する」と趣旨を説明した。

聯合ニュースが入手した假案(仮案)を見ると、この造形物は幅2m・高さ3mほどの石像だ。募金が完了して注文製作に入っており、10月頃に完成するという

この団体は、今回の光復節には、少女像に向かって右側の歩道にリボンを結んだ約5㎝の長さの釘を打ち込んで、労働者像を設置する位置を示すことにした。

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▲『強制徴用労働者像』假案
13日、(社)対日抗争期強制動員被害者連合会によれば、この団体は写真のような強制徴用労働者記念石像を鍾路区の旧日本大使館近くに10月頃に設置する計画だ。2017.8.13[対日抗争期強制動員被害者連合会提供]

この団体のチャン・トクァン事務総長は「ソウルだけでなく、釜山や光州にも同じ石像を設置する計画」としながら「事務所に日本マスコミの取材陣がいきなり押しかけるなど妨害の気流もあるが、必ずしなければならないこと」と話した。

これに対して一部では、関係部処(省庁)や市民社会と合意を経ていない事業推進なので副作用を懸念する声が出ている。

韓国挺身隊問題対策協議会(挺対協)は、全国民主労働組合総連盟(民主労総)と韓国労働組合総連盟(韓国労総)の主導で主な市民社会団体がほとんど参加した『強制徴用労働者像設置推進委員会』が去る12日、日帝が朝鮮人労働者を集結させた龍山駅(竜山)広場にすでに労働者像を設置したことを取り上げて、不快な顔色を示した

挺対協のある関係者は「先日(龍山駅に)設置された強制徴用労働者像があるのに、また必要なのかわからない」と話した。

路上の造形物に許可・管理権限を持つ鍾路区都市デザイン課関係者は「銅像のような造形物を設置するには区庁の審議を経て、許可を受けなければならない」としながら「労働者像に関連しては、まだ受付されたものはない」と話した。

これと関連して、チャン事務総長は「水面下の作業をしている」としながら「釘を打ち込むのも正確な設置位置を知らせるための過程だ。区庁の審議に必要な公聴会のような手続きを準備している」とした。(機械翻訳 若干修正)