(NHK 2017/07/19)

国が朝鮮学校を高校授業料の実質無償化の対象にしなかったことについて、広島市にある朝鮮学校を運営する学校法人などが国の処分の取り消しなどを求めた裁判で、広島地方裁判所は、「適正な学校運営がされているか確証が得られないとした国の判断に誤りはない」として、学校側の訴えを退ける判決を言い渡しました。

平成25年、文部科学省が朝鮮学校を高校授業料の実質無償化の対象にしなかったことについて、広島市にある朝鮮学校を運営する学校法人「広島朝鮮学園」と、卒業生など110人は、民族教育を受ける権利が奪われることになり違法だなどとして、対象から除外した国の処分の取り消しなどを求める訴えを起こしました。

学校側は「拉致問題など外交上の理由で対象とならないのは差別だ」などと主張したのに対し、国は「処分を決めたのは外交的な理由ではなく、判断に不合理な点はない」と反論していました。

19日の判決で、広島地方裁判所の小西洋裁判長は、「北朝鮮や朝鮮総連の影響力が否定できず、適正な学校運営がされているか十分な確証が得られないとした国の判断に誤りはない」と指摘しました。そのうえで、「学校側は、朝鮮総連の強力な指導の下にあり、就学支援金を支給したとしても授業料に充てられない懸念がある」として学校側の訴えを退けました

原告「不当判決に怒りで声が出ない」

判決のあと原告団や弁護士などが記者会見し、この中で、広島朝鮮学園の金英雄理事長は、広島高等裁判所に控訴する方針を示したうえで、「こんな不当判決があるのかと怒りで声が出ません。判決では子どもたちの学習権という言葉が1つも無かった。国の政治情勢とは関係なく正当な判決を出すべきだ」と述べました。

また、弁護団の代表を務める足立修一弁護士は、「判決は国の主張の丸写しで、日本の学校と朝鮮学校との間に明確な差別が存在している。原告の思いをどうすれば裁判所に理解してもらえるのか真剣に考えていきたい」と話していました。

文部科学省「主張が認められた」

判決について、文部科学省の初等中等教育局高校修学支援室は、「国の勝訴の判断が示されたものと承知しており、主張が認められたものと受け止めています」とコメントしています。


(読売新聞 2017/07/19)

朝鮮学校が高校授業料無償化の対象に指定されなかったのは、平等に教育を受ける権利の侵害にあたるとして、広島朝鮮高級学校(広島市)を運営する「広島朝鮮学園」と元生徒ら110人が国を相手に、不指定処分の取り消しと就学支援金など約6000万円を求めた訴訟で、広島地裁(小西洋裁判長)は19日、原告の請求を退ける判決を言い渡した。

同種訴訟は全国5地裁・支部に起こされており、判決は初めて

無償化制度は、民主党政権時代の2010年4月に施行された高校授業料無償化法で導入された。公立高以外の学校には就学支援金が支給され、生徒の授業料に充てられる仕組み。外国人学校についても省令で、文部科学大臣の指定を受ければ対象とする規定が設けられた

しかし、朝鮮学校への審査手続きは同年11月、北朝鮮による韓国・延坪島ヨンピョンドへの砲撃を受け停止

政権交代後の13年2月、文科省は一部の規定を削除し、「北朝鮮や在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)との密接な関係が疑われ、適正な学校運営がされているかどうか、十分な確証が得られない」として広島朝鮮を含む10高級学校を不指定とした。

原告側は、不指定処分は、教育の機会均等を目的とした無償化法の趣旨に反し違法と主張。「朝鮮学校だけを除外するのは不当な差別だ」として、法の下の平等を定めた憲法にも違反しているとしていた。国側は「就学支援金を支給しても授業料に充てられないことが懸念されたためで、裁量権の範囲内だ」などと反論していた。

朝鮮高級学校の無償化を巡る訴訟は、大阪、東京、名古屋の各地裁と福岡地裁小倉支部でも係争中で、大阪地裁で今月28日、東京地裁で9月13日に判決が予定されている


↓の期間は危なかったですね。

2012年10月02日
2012年11月11日
2012年12月19日
2012年12月28日