(日本農業新聞 2017/06/20)

 イチゴ品種が韓国に流出したことで、日本の輸出機会が奪われ、5年間で最大220億円の損失があったとの試算を農水省がまとめた。品種流出の影響が少なくないことが改めて浮き彫りになった格好で、同省は、海外での品種登録の必要性を訴えている。

◇進まぬ海外登録 課題

 農水省によると、韓国のイチゴ栽培面積の9割以上が日本の品種を基に開発した品種。栃木県の「とちおとめ」や農家が開発した「レッドパール」「章姫」などが無断持ち出しなどで韓国に流出し、韓国はそれらを交配させて「雪香(ソルヒャン)」「梅香(メヒャン)」「錦香(クムヒャン)」という品種を開発した。

 アジア各国への輸出も盛んで、日本を上回る

 農水省は、日本の品種が流出していなければ韓国の品種も開発されず輸出もできないと想定。日本が輸出できるはずのものが韓国産に置き換わったとして損失額を試算した。韓国の輸出額から推計して、日本の損失額は5年間で最大220億円だったとした。昨年1年間の日本産イチゴの輸出額は11億円のため、5年間に換算するとこの約4倍に当たる。

 品種登録できていれば品種開発者が得られていたロイヤリティー(許諾料)は年間16億円だったと推計した。韓国には品種登録制度はあるが2012年までイチゴは保護対象になっておらず、流出前に日本側が品種登録できなかった品種登録していれば、栽培の差し止めや農産物の廃棄を求めることができるが、登録していないため、こうした対抗策が取れない。

 国際ルールでは、植物新品種は販売開始後4年までしか品種登録を申請できず、速やかな出願が重要になっている。だが、育成者が申請料や手続きに負担を感じていることが課題になっている。


日本品種同士を交配させたものでも韓国品種となってロイヤリティーを日本に払う必要はないんですよね・・・

韓国は2002年に国際植物新品種保護同盟(UPOV)に加盟し、ユポフ条約を批准。

日本にロイヤリティーを払いたくないとイチゴは保護品目の指定を先延ばしして2004年からロイヤリティーを払うことにしたが、
さらに2年延期して2006年からにしたが、
さらに延期して2009年からにしたが、
さらに延期して『猶予期間は批准後最大10年』の規定により2012年よりロイヤリティーを払わなければならなくなったんですね。

その間に、勝手に栽培した日本品種を交配して新品種を開発し、韓国農家に「日本品種から切り替えないとロイヤリティーを払わなければいけなくなる」と栽培を奨励。

今ではほとんどの農家が“韓国品種”を栽培しているようですね。

2006年03月09日 
2007年03月06日 
2009年10月20日 
2009年12月18日 
2011年02月23日 
2014年03月24日