(国民日報 2017/06/19)

A氏は政府傘下のB研究機関で非正規職の期間制研究員として働いていた。去る4年6か月間、1年単位で契約を更新していた。ところが、去る13日、青天の霹靂のような再契約拒否通知を受けた。とうてい納得できなかった。普通、再契約をする際、最近1年間の研究実績と勤務評点を見る。

A氏の昨年の研究実績は270点だった。最低基準である100点を優に上回った。

再契約拒否の理由は勤務評点だった。A氏の勤務評点は最低基準である80点に1点足りない79点だった。

彼は18日、国民日報との通話で「期間制研究員の平均である100~150点をはるかに越える研究実績を出したのに、基準以下の勤務評点を受けたということを常識的に理解することはできない」として「非正規職の正規職転換を控えて一部の非正規職を取り除くための小細工と見るほかはない」と話した。

B研究機関はA氏を含めて全4人に再契約拒否を知らせた。再契約拒否の通知も突然だ。B研究機関の人事管理制度によれば、契約終了日1か月前に再契約の有無を知らせなければならない。だが、来る30日に契約が満了するA氏の場合、半月程度を控えて通知された。これにB研究機関高位関係者は「規定による人事委員会の正当な手続きだ。政府の正規職転換政策とは全く関係がない」と釈明した。

公共機関の非正規職が『とんでもないブーメラン』を迎えている。公共機関の非正規職を正規職に切り替える過程で、一部の非正規職が『解雇死角地帯』に置かれる可能性があるという懸念が現実に近づいてきた。公共機関は8月末と予想される『正規職転換』時点を控えている。非正規職の正規職転換で雇用負担が大きくなることに備えて、期間満了などを理由に非正規職を大挙解雇する状況が発生しかねない

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公共部門正規職と非正規職現況(単位:万人)
正規職 非正規職 合計184.9
正規職132.5 無期契約職21.2 合計153.7
期間-時間制19.1 派遣-サービス12.1 合計31.2
〈資料:雇用労働部〉

ムン・ジェイン政府の非正規職正規職化政策推進計画
 5月16日 ムン・ジェイン大統領、雇用委員会構成着手
 6月01日 雇用委『公共部門非正規職正規職転換ロードマップ』含めた100日プラン発表
   7日 政府、各公共機関の『非正規職正規職転換計画』取りまとめ予定
 8月17日 雇用委100日プラン終了
〈資料:雇用委員会〉


雇用労働部(省に相当)と地方労働委員会には最近、A氏と似た状況に置かれた公共機関の非正規職員の被害救済問い合わせが集中的に増加している。雇用部関係者は「来月中に各公共機関の正規職転換計画を取りまとめる予定だが、公共機関で不必要だと判断する非正規職を減らした後、計画を樹立する可能性が大きい」と話した。非正規職の雇用の質を向上させるという政府の政策が、一部の非正規職の雇用を奪う予想できなかった結果として戻って来るという可能性があるということだ

これに、大規模な正規職転換が予想される事業場に非正規職が集まりながら、一部の下請け業者の労働力難が深刻化されるなど混乱も加重されている。政府の積極的な仲裁が必要だという指摘が出ている。(機械翻訳 若干修正)


韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領が12日に仁川国際空港を訪問した際「任期内に公共部門『非正規雇用ゼロ』時代を切り開く」と宣言したことを受け、仁川空港公社は8月から非正規雇用の職員全員を正規雇用とする方針を明らかにした。

これを受け他のさまざまな公共部門の非正規職員の間から正規職化を求める声が出始めている。非正規雇用問題が韓国社会における大きな課題であることは誰もが認めるが、一方でこの非正規雇用という制度もそれなりの事情や理由があって存在するものだ。その事情を解消せず、最初から非正規雇用を全て正規雇用にしてしまうと、この問題は思わぬ方向に進んでしまうだろう。

非正規の形で雇用されている職員の中には、正規職員と全く同じ仕事をしながら給与や待遇面で差別を受けているケースも確かにある。ただ清掃や事務補助といった周辺業務はほぼ外注化されているため、世界のどこの国にも非正規雇用は存在する。全員が正規雇用となるのは確かに理想的だが、企業側がそれに伴う負担を全て抱えることはできない。もし非正規雇用をなくすことがそれほど簡単なことであれば、歴代の大統領は直ちにそれを実行したはずだ。あるいは最初から非正規雇用そのものを違法とする法律を制定してもよかっただろう。

強圧的な方法で非正規雇用問題を解決しようとした場合、最も問題となるのは財政だ。政府系企業の中には仁川空港のように経営状況が比較的良好なケースも一部あるが、その実態を見れば全体の3分の2が赤字に苦しんでいる。そのような企業も全て例外なく一律に非正規雇用を正規雇用とするには、膨張する人件費を最終的には国民の税金で埋め合わせるしかない。つまり非正規雇用問題解決のためだけに国民から追加で税金を取り立て、さらにすでにある税収も人件費に充てなければならなくなるだろう。本当にそうするつもりなら、文大統領はまず国民にその事情を説明すべきだ。

非正規雇用問題に本当に取り組むのであれば、まず同じ仕事をしながら待遇面で差別を受ける非正規の職員を正規雇用とすることが最優先であり、それには正規職員全体の待遇を見直さねばならないため、正規職員からも一定の理解と譲歩を引き出さねばならない。

昨年の場合、政府系企業35社で働く正規職員の平均年俸は7900万ウォン(約800万円)に達した。このような高い賃金、浪費、非効率の構造を放置した状態で非正規雇用をなくすことに耐えられる企業などどこにもない。結果的に経営を悪化させるだけであり、そうなれば新規採用も当然手控えられるだろう。

今のベネズエラの悲劇は全てを国民におもねった故・チャベス大統領によってもたらされた事実を忘れてはならない。


「5月12日以降の雇止め無効」宣言でも出しますか。