(明日新聞 韓国語 2017/06/16)

イ・サングン文化財還収国際連帯常任代表

最近、国外に搬出された文化財が帰還している。帰還の経路は異なるが、過去、不法や不当に搬出された経験を経た私たちとしては喜ばしいことに違いない。特に去る5月22日、日本から搬入後に発表された高麗仏画『観音菩薩来迎図』は1300~1319年頃に製作された珍しい作品というので、その価値がより一層光る。

これは、2016年9月、韓国の企業家が日本で購入して国立中央博物館に寄贈した高麗仏画『水月観音図』に続き、相次ぐ成果だ。また、今年5月には中国に居住する海外同胞が日本人所蔵者から珍しい6世紀の高句麗仏像を購入して国内博物館に寄贈の意思を明らかにしたこともあり、貴重な文化遺産の帰還にうれしい心を隠すことができない。

◇『韓日文化財協定』を『韓日文化財返還了解覚書』に代替しなければ

しかし、このような帰還に政府の役割が見えない数年間、帰還した文化財はほとんど海外同胞や民間団体、企業家の結果だ。政府は2014年にアメリカ政府が押収して返してくれた国璽と御宝(印章)の他にこれという成果を出せていない。

さらに、国外所在文化財の40%以上を占める日本が、1965年の韓日文化財協定(文化財及び文化協力に関する日本国と大韓民国との間の協定)当時、文化財目録を隠したという事実が2014年に明らかになったにもかかわらず、これを究明したり、責任を問う努力を果たさなかった

その間、今回の高麗仏画のように画記が消え、搬出経緯を確認することができない場合が増えている。所蔵者が取得経緯の適法性を自ら明らかにしない場合、記録の紛失や削除は、不法不当な取得事実が隠されたまま取り引きが成立することで、文化財洗濯(ロンダリング)、ひいては略奪者の歴史洗濯を容認することになるのだ。

したがって、政府は一日も早く所蔵機関や所蔵者に取得経緯の証明を要求し、これを立証しなければ取り引き禁止リストを作成し、文化財洗濯を防止しなければならない。また、明確に不法的に搬出された文化財の場合、返還のための汎政府的な努力を尽くさなければならない。特に1965年の韓日協定当時、日本に要求した文化財のうち返還されなかった文化財のリストを点検し、1965年の『韓日文化財協定』を『韓日文化財返還了解覚書』の締結で代替しなければならない

このような時代的、歴史的課題を遂行するためには、現在のように外交において補助議題でなく、独立的で強力な主権的議題の成立が必要だ。これまで政府は文化財返還問題をその他の事案に比べて役割と比重を低く評価したり、甚だしくは犠牲とすることもした。2011年にフランスから帰還した外奎章閣儀軌の場合、明確に略奪されたにもかかわらず、謝罪と原状回復でなく、短期賃貸で更新を条件に受諾したことで、同時期にフランスが返還した他国の文化財との公平性に深刻な問題を生んだ。

◇早急に政府次元の『文化遺産回復委員会』の構成をすべき

政府の専門担当部処(省庁に相当)である外交部、文化財庁国外所在文化財財団、地方政府、民間団体、海外同胞団体などとの有機的な協力体系の構築が切実だ。

特に外交的な交渉権がない国外所在文化財財団は補助的手段に転落し、2012年の財団設立以来、外交的交渉による返還よりは「競売に出てきた遺物を購入」することに重点を置いているため、設立目的を効果的に達成することができずにいる。したがって、財団に独立性と外交交渉権の付与は、最近の国際社会の起源国に返還する流れや、所蔵者の世代交代による隠匿遺物の取り引きの動きに効果的に対処することができる。

何より、文化遺産に対する政府の政策の認識転換が切実だ。共同体の記憶を隠蔽、削除することで『孤児文化財(orphan cultural property)』にするのは政府がすべき仕事でない。政府は早急に『文化遺産回復委員会』を構成し、国内外で放置、毀損される文化遺産の回復に万全を期さなければならない。(機械翻訳 若干修正)


>文化財目録を隠したという事実が2014年に明らかになった
この件↓のことを言っているんでしょうね。

 日本、韓日交渉時に略奪文化財を組織的に隠ぺい
(中央日報 2014/07/29)

  1965年、韓日請求権交渉の締結交渉の一環として行われた文化財返還交渉の過程で、日本政府が強奪した韓国文化財の内訳を隠していたことが分かった。国交正常化交渉の過程に関した文書公開を求める訴訟の控訴審判決文と日本の外務省の控訴理由の陳述書などを通してあらわれた。 

  25日、東京高裁民事第8部は韓日の市民団体関係者が日本政府を相手に起こした文書公開の拒否処分の取り消し請求控訴審で、原告の一部勝訴判決を下した1審を覆して公開文書の範囲を大幅に減らした。2012年10月の1審裁判は原告側が提起した382件の文書のうち268件の公開を命じた。 

  控訴審裁判が公開を覆した文書は48件だ。ここには宮内庁書陵部所蔵の書籍目録、東京国立博物館所蔵の韓国文化財一覧表および美術品リスト、韓国関係の重要文化財一覧、寺内文庫関連記録など文化財関連の文書が入っている。 

  東京高裁の判決文によれば、日本政府は韓日会談が進行中だった1963年、第1・2代の朝鮮統監である伊藤博文と曽祢荒助が在任中に持ち出して宮内庁書陵部に保管した書籍(計163部852冊)について日本国内の専門家に調査させて希少性のある品目に表示をした。日本政府はこの文書に対する非公開を主張した。「この目録が公開されれば韓国が今後、対日交渉で希少本の返還を要求し、今まで韓国に返した書籍の選定基準について非難する恐れがある」というのが日本の外務省が裁判所に提示した理由だ。 

  希少性を自ら評価した日本政府が価値の低い文化財から返還していたという状況も明らかになった。昨年、小野啓一・外務省北東アジア課長が日本政府を代理して提出した陳述書からだ。小野課長は「韓半島(朝鮮半島)由来(略奪)の書籍、特に韓国側に引き渡す予定の書籍についての評価が低かったということを知りうる発言内容が詳しく出ており、韓国がこれを知ることになれば両国の信頼関係が損なわれる可能性がある」として宮内部所蔵の書籍の関連文書を公開できないと主張した。初代朝鮮総督である寺内正毅が略奪した書籍関連の文書についても「搬出の経緯についての学者の推測的見解だが、韓国側としては納得し難い経緯が書かれており、これが公開されれば韓国政府と国民が日本に対する強い批判的感情を持つようになることを容易に察することができる」と明らかにした。 

  国外所在文化財団によれば、現在海外にある韓国文化財は計20カ国で15万6160点だ。このうちの約43%である6万6824点が日本にある。皇室図書館である宮内庁に所蔵された韓国文書は約4000冊を超えると言われる。このうち朝鮮王室儀軌167冊、大典会通(朝鮮時代末期の法典)1冊など1205冊の図書は2011年に戻ってきた。当時も歴史的価値がさらに高い朝鮮関連の資料が宮内庁の別の場所に隠されているだろうという一部の推定があった。ある文化財専門家は「もし日本政府が自らの調査を通じて希少価値を付けて、これを隠していたとすれば、2011年に自発的に返還した図書についてもその選定基準に疑問を抱かざるをえない」と話した。 

  日本は65年に締結した韓日協定条約の付属協定中「文化財および文化協力に関する協定」により1432点だけを「寄贈」の形で戻した後、公式な返還を拒否している
 【社説】韓国政府、日本の略奪文化財還収に積極的に取り組むべき
(中央日報 2014/07/30)

(略)日本の小野啓一・外務省北東アジア課長が日本政府を代理して東京高裁に提出した陳述書では「市民団体が公開を要求した文書には、これまで韓国政府に提示しなかった文化財目録が含まれている」として「これを公開すれば韓国が返還を求めてくる恐れがある」と憂慮した。また「公開対象の文書には、韓国に譲渡した一部の書籍について学術的評価が低いという日本の関係者の発言も含まれている」と明らかにして、価値の低い文化財を中心に返還したことを示唆した。小野課長は「搬出経緯が公開されれば、韓国政府や国民が日本に対して強い批判的感情を持つようになる」とも話し、不正に強奪した文化財もあることを暗示した。(略)