(朝日新聞 2017/06/13)

 島根県の中学校56校に対し、5月に韓国の中学生から、日韓が帰属を争う竹島(島根県隠岐の島町、韓国名・独島〈トクト〉)についての教育を批判する手紙が届き、県が外務省などに報告した。韓国の中学生3人が12日、朝日新聞の取材に応じ、自分たちが送ったと認めた。

 手紙は、日本による竹島の領有権の主張について「日本帝国主義の侵略戦争と虐殺、慰安婦を動員した犯罪の歴史の正当性を主張する行為」などと記した。

 韓国では「独島」は疑問の余地なく韓国領とされ、学校では日本が1905年に領土編入したことを「主権侵奪の最初の犠牲」と位置づけ、日本による植民地支配などの歴史問題と絡めて教育される。日本の主張が教えられることはない。ニュース番組の天気予報でも韓国領として紹介される。

 手紙を書いた3人はいずれも韓国南西部・全羅南道(チョルラナムド)の咸平(ハムピョン)中学3年の男子生徒で、同校の部活動「歴史クラブ」に所属。今年3月ごろ、日本の小中学校の学習指導要領改訂案で竹島が「我が国の固有の領土」と初めて明記されたとニュースで知り、「誤った歴史を日本の中学生たちが学ばされる」と危機感を持ち、歴史地理の教員あてに手紙を書くことを思いついたという。宛先はインターネットで調べたとした。

 生徒の一人は「両国の生徒がこの問題で対話し、対立を終わらせる契機になればと考えた」と話した。別の生徒は「日本の漫画が好きで、日本という国には肯定的なイメージを持っている。友だちの多くもそうだ」と話した。一方で、生徒たちは「こんな騒ぎになるとは想像していなかったが、後悔はしていない」などと話した

 取材に同席したクラブの顧問、金栄培(キムヨンベ)教師(41)は「日本の教員たちに、自らの判断に従って客観的に教育をしてほしいという趣旨の手紙で、韓国側の主張の強要という受け止めがあれば誤解だ」と語った。また、「手紙の内容は生徒たちが調べた結果」と語り、学校での教育内容そのものではないと説明した。

 韓国の教育現場では、生徒たちが歴史問題について自主的に啓発を行うことは「愛国活動」として高く評価される。外国地図の「日本海」の記載を韓国が求める「東海」に変えさせる個人活動を続けた高校生がメディアで「善行」として取り上げられたこともある。同校の柳美英(ユミヨン)教頭(54)は「今回の件で葛藤も起きたかもしれないが、生徒たちが新しい方法で啓発に取り組んだことを非常に誇りに思っている」と話した。

 一方、島根県は対応措置として、啓発施設「竹島資料室」で中学生が送った手紙の現物の展示を始めた。県教委は手紙の内容は「一方的な主張だ」との見解を示し、各市町村教委に、引き続き国の見解に基づいた領土教育に取り組むように通知している。


いろんな意味で、さすが朝日ですね。