(聯合ニュース 韓国語 2017/05/26)

忠清北道沃川郡は、最近開かれた市長・郡守協議会で野良犬を有害野生動物に指定してほしいという建議文を出した

“猛獣”になって家畜をむやみに捕食する野良犬の蛮行をこれ以上見過ごすことはできないので、銃器(猟銃)を利用して捕獲するようにしてほしいという内容だ

この建議文は市長・郡守の共感を得て、協議会の名前で環境部(省に相当)に伝えられる予定だ

主人の手を離れて野生に適応した野良犬が国民の生命と財産を脅かす悩みの種に浮上した。

◇“野生の暴君”野良犬の群れ、家畜襲撃相次ぐ

去る14日、沃川郡沃川邑西井里の農家2か所に野良犬が侵入し、地鶏と烏骨鶏27羽を食べたり噛み殺した。真夜中に鳥小屋の網を破って入って、あっという間に乱闘場を作ったのだ。

村の入口の防犯用CCTV(閉回路カメラ)には、野良犬2匹がばたばたしている鶏を咥えて行く場面がそのまま撮られていた。その後もこの村には“同一犯”の仕業と見られる鶏襲撃が相次いで住民たちは心細くしている

去る2月22日、ここから遠くない沃川郡郡西面梧洞里の韓牛農場にも野良犬3匹が現れて、10か月の小牛1頭を噛み殺した。犠牲になった小牛は体重250㎏を超える大きな、かなり大きな体格にもかかわらず、猛獣に急変した野良犬の群れの攻撃に対抗できなかった。

2年前には、沃川郡東二面坪山里に野良犬の群れが出現してヤギ35頭を噛み殺したこともある

住民たちは、体が大きな牛まで打倒す野良犬の群れが人を攻撃しないとする法があるのかと不安がっている。

沃川郡と119救助隊は、野良犬出没現場で大々的な捕獲作戦を行ったが、住民たちを恐怖に追い込んだ野良犬の捕獲に失敗しました

睡眠薬を入れた食べ物を利用して、韓牛農場で子犬を含む野良犬4匹を捕獲したのがすべて。

沃川消防署パク・ウンガプ予防安全チーム長は「野生化した犬はとても敏捷で警戒心が強く、捕獲檻の周辺には近づきさえしない」とし「人の接近も許さず、有効射程距離が30~40mである麻酔銃ではとうてい捕まえることはできない」と話した。

野良犬のために頭を痛める所は全国に多い。

ソウルだけで140匹の野良犬が北漢山(836m)・仁王山(338m)・冠岳山(632m)周辺に群れをなして生活しており、登山客を威嚇したり餌を求めて住宅街をうろついている

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▲北漢山の野良犬

漢拏山を中心にした済州島の山間地域も、猪とともに野良犬の群れが幅を利かせて家畜や人を脅かしている

済州島世界遺産本部関係者は「野良犬は猪よりも活動半径がはるかに広く、個体数や生息実態さえ把握されていない」と話した。

大田でも去る3月、野良犬の群れが地鶏農場を襲撃した。通報を受けて出動した警察は、まだ農場から抜けだしていなかった野良犬2匹を捕まえて動物保護センターに引き渡した。

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▲鶏舎を襲撃した野良犬

◇人を傷つける…これ以上放置してはいけない

野良犬とは、主人に捨てられた捨て犬が野生に適応して生活している場合をいう。餌争いを繰り広げながら狼のような攻撃性を持つようになったりもする。

苦情の対象になる野良犬は、ほとんどが『ベクグ(白狗)』や『ヌロンイ』(黄色い狗のこと)と呼ばれる大型犬だ。群れをなして生活するうえに図体が大きく、人を攻撃する可能性も排除することはできない。

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▲釜山で女性登山客を攻撃した捨て犬

大田野生動物救助管理センターのオ・ジェヨン獣医師は「犬の先祖はイリーナジャッカルと知られているが、人の手から抜け出して生活するとある程度、野生性を回復する」とし「人を攻撃する可能性は少ないが、弱者と判断される老人や子供は危険にさらされかねない」と警告した。

犬は野生に適応したとしても動物保護法の保護を受ける。むやみに殺したり、死に至るような虐待を加えれば、1年以下の懲役や1千万ウォン以下の罰金が科される。

げっ歯類や鳥類のような小さな動物を捕食して有害動物扱いを受ける野良猫とは明確に対照される

環境部は、生態系を撹乱する野良猫を野生化した動物に指定し、罠(トラップ)とともに銃器での捕獲を許可している。

沃川郡関係者は「『野生生物の保護および管理に関する法律』の適用を受ける野良猫は市・郡で捕獲計画を樹立した後、銃器での捕獲が可能だが、犬は依然として救助や保護をする対象」としながら「法には野良犬という用語さえない」と説明した。

さらに彼は「たいてい捨て犬というとチワワやプードルのような小さくて可愛いものを思い浮かべるが、図体が大きくて荒っぽい犬も多い」とし「このような場合、伴侶動物というよりは家畜を食べる有害動物とみるべきだ」と付け加えた。

◇動物保護団体「とんでもない発想…遺棄から防がなければ

野良犬を有害野生動物に含めてほしいという要求に対し、環境部は難色を示す。家畜などを攻撃したからといって猪・赤鹿のように生態系撹乱動物と見られないという立場だ。

環境部関係者は「銃器での捕獲が許可されている野良猫も、捕獲協議会が現地調査を経た後、捕獲範囲と方法などを決めており、実際に銃器での捕獲が行われる場合はない」とし「最近は中性化(不妊去勢手術)(TNR・Trap-Neuter-Return)を通じて共存を模索する傾向」と説明した。

動物保護団体もとんでもない発想だと怒った。伴侶動物の遺棄が根絶されない状況で、野良犬を捕まえるという発想自体が前後が合わないという主張だ。

動物自由連帯チョ・ヒギョン代表は「いくら野生化したとしても犬を有害野生動物に指定して銃で撃って殺すというのはとんでもない発想」としながら「国民感情に合わないだけでなく、絶対に根本的な対策にならない」と指摘した。

さらに彼は「我が国は大型マートでおもちゃのように伴侶動物を売り買いする唯一の国」とし「"責任感のある養子縁組を通じて、捨てられた動物を防ぐのが緊急で、野生化した犬による被害が多いところでは、警戒心を感じないほどの超大型捕獲檻を使う方法などが検討されなければならない」と付け加えた。(機械翻訳 若干修正)