(電子新聞 韓国語 2017/05/17)

韓国の気象衛星の探知・伝送能力が2倍に向上する。気象衛星の性能が良くなることにより、来年下半期からより迅速で正確な気象情報が国民に提供される。気象災害対処能力の向上はもちろん、天気予報の正確度も高まるものと期待される。

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気象庁は、千里眼衛星1号の後を継ぐ『次世代静止軌道気象衛星(GK-2A、千里眼衛星2A号)』に搭載される『気象搭載体』の開発が完了したと17日、明らかにした。

気象庁と韓国航空宇宙研究院で開発した次世代気象搭載体は、先月、アメリカ、ロチェスターで宇宙環境試験を通過し、今月初め国内に搬入された。以後、約2週間にわたって行われた性能試験を通過したことで、最終的に次世代気象搭載体の開発が完了した。気象庁は開発が完了した気象搭載体と衛星体の組み立てに入った。

静止軌道気象衛星は、赤道約3万6000kmの上空で地球の自転速度と同じ速度で動きながら同じ領域を継続観測する。気象庁は未来創造科学部(省に相当)、環境部、海洋水産部と共同で次世代気象衛星開発事業を推進してきた。2012年から次世代気象搭載体を開発してきた。

次世代衛星は、従来の千里眼衛星(5個のチャンネル)より多い16個のチャンネルを搭載し、空間解像度が最大2倍以上向上し、3次元立体雲分析が可能だ。韓半島(朝鮮半島)周辺は約2分間隔で、全地球観測は10分間隔で観測が可能になる。

急変する危険気象を早期観測し、雲・雪の分析など気象現象を探知する能力も向上する。気象算出物が52種に増加し△降水量算出△放射量情報△黄砂・エアロゾル△火山灰探知など従来の算出物性能も高まる。

気象庁は迅速な災害対応に向け、超高速衛星送受信システムで16個の全チャンネル観測資料を3分以内に国内外の使用者に配布する予定だ。

気象庁は、来年下半期に次世代気象衛星を打ち上げれば、韓国は世界7番目の気象衛星保有国から日本とアメリカに続いて3番目の次世代気象衛星保有国に格上げされると説明した

コ・ユンファ気象庁長は「次世代気象衛星の開発に成功し、大韓民国の地位を高める一方、気候変化対応に脆弱なアジア・太平洋地域諸国の災害対応支援と気象産業活性化に大きく資するだろう」と話した。(機会翻訳 若干修正)

順位 既存気象センサー(低解像度 5チャンネル) 次世代気象センサー(高解像度 16チャンネル)
1  アメリカ GOES-1(1975)  日本 ひまわり-8/9(2014/2016)
2  日本 ひまわり-1(1977)  アメリカ GOES-16(2016)
3  欧州 Meteosat-1(1977)  韓国 GK2A(2018予定)
4  インド Insat-1(19829  欧州 MTG(2021予定)
5  ロシア Electro-GOMS(1994)  中国、ロシア、インドは次期衛星に14チャンネルの低解像度気象センサー搭載予定
6  中国 FY-2A(1997)
7  韓国 千里眼衛星(COMS) (2010)


さすがに「独自開発」とは言わないようですね。

航宇研イ・サンリュル静止軌道複合衛星事業団長は「現在、最も力を入れて開発している千里眼衛星2号は1号とは異なり、私たちが最終技術の責任を負っていて、事実上、最初の自立静止軌道衛星といえる」とし「観測業務を直接遂行する搭載体はアメリカ、ドイツなどと共同で製作しているが、搭載体が業務を遂行するためのすべてのサービスを提供する『本体』(bus)と、搭載体と本体を総括する『衛星システム』は私たちが独立して製作している」と説明した。

だが、千里眼衛星2号も相変らず搭載体(観測カメラ、通信放送中継器、科学実験装置など任務を直接遂行する部分)と発射体(ロケット)は海外に頼っている。衛星技術の完全な自立化は程遠い。


気象・海洋の監視・予測のために運営中の「千里眼」の後続衛星として開発が進められている静止軌道複合衛星2機が2018年と2019年、欧州連合(EU)のアリアンロケットに搭載されて打ち上げられる
2016年07月11日