(イーデイリー 韓国語 2017/05/09)

コ・ギュテ文化・レジャー産業部長

子供の頃に小説家を夢見た大統領、夜ごとテレビドラマを見た大統領。二人とも文化を愛したとしても結果は180度違った。フランス新任大統領エマニュエル・マクロンは2012年に政界に入門した後、きちんとフランス大衆のそばに近付いた。パク・クネ(朴槿恵)前大統領は『文化隆盛』を自分の政府発足初期の4大国政基調の一つに提示した。大統領就任演説に『文化』という単語が19回も登場した。文化創造という用語も頻繁に口に上った。だが、文化体育観光部(省に相当)の首長が政府の口に合わない文化人をブラックリストで管理したという疑惑で拘束されるほど、最近数年間、文化政策は大衆に逆行した

今日は第19代大統領選挙の日だ。憲法裁判所は大統領は『国民全体』に対する奉仕者であるため、特定の政党、自分が属する階級・宗教・地域・社会団体、自分と親密な勢力の特殊な利益などから独立し、国民全体のために公正かつ均衡のとれた業務を遂行する義務があると明らかにした。今回選出される大統領はついに憲法で国民が命令した権限を忠実に遂行しなければならない

◇『文化継承・発展』文化政策合わせるべき

ここに国民の命令がある。憲法第9条は〈国は伝統文化の継承・発展および民族文化の暢達に努力しなければならない〉と書かれている。いわゆる文化国の原理だ。私たちはこれまで、クラシック・舞踊・映画・ドラマ・Kポップ、そしてスポーツなどを通して文化強国の容貌を世界に知らせてきた。世界的な音楽チャートであるビルボードにKポップチャートができたのも、中国と日本で韓国ドラマと映画が人気を得たのも、ヨーロッパや南米で防弾少年団などKポップグループが注目されるのも、私たちの国民が編み出した成果である。サムスン・LG・現代起亜自動車などがグローバル企業に跳躍したのも、韓流と呼ばれる文化の力が知らず知らず作用したという点を誰も否定できない

今回新たに大統領を選んだフランスは、支援はするが干渉しない基調で文化強国を作った。昨年、パリ図書展韓国館を訪れた当時、オードレ・アズレ,フランス文化部長官(文化・通信相)は「フランスで文化は心臓と同じだ」と表現した。芸術とファッションを基に、人権と福祉などをバランスよく発展させたおかげで、文化強国を越えて経済強国フランスが完成されたという話である。

◇直接介入でない『間接支援』必要

誰でも一回ぐらい読んでみた『白凡逸誌』(キム・グ(金九)の自叙伝)に答えを求めてみる〈私たちの富力は私たちの生活を豊にするに値し、私たちの強力は他人の侵略を防ぐだけあれば足りる。ただ限りなく持ちたいのは高い文化の力だ。文化の力は私たちが自らを幸福にし、ひいては他人に幸福を与えるからだ。〉

今日、国民の命令を受ける大統領は憲法第9条の意味を知る大統領であることを望む。文化を経済論理だけで眺めるのではない。継承・発展、そして暢達のためには、国の文化に対する積極的な介入でなく、間接的な支援で国民的な文化の底辺拡大に力を注ぐ大統領でなければならない。烈日おいてテレビスターだけ好きなのでなく小説も読む大統領、自分の口に合う肯定だけでなく自分の恥部を指摘する批判を受け入れる大統領であることを望む。文化国の原理を理解する識見と実践する意志を備えた大統領であることを望む。そうしてこそ韓流を基盤とした私たちの経済成長の一つの軸が存続することができ、人間の尊厳と国民の幸福の価値を再確認することができる。

私たちは〈我が国が世界で最も美しい国になることを望んでいる。〉(機械翻訳 若干修正)