(デイリー新潮 2017/04/28)

 俗に“人間の盾”と揶揄されるのが、北朝鮮に滞在中の報道陣ご一行様である。その数、日本と海外合わせ200名弱。米国と一触即発で半島情勢が緊迫する中、4月15日の「金日成生誕105周年式典」の様子はテレビでもこぞって放送された。そんな中、在京4大キー局で唯一、TBSが平壌入りを拒まれ「出入禁止」になっていたというのだ。

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 居並ぶカメラの砲列が一斉に向う先には、いつになくご機嫌な金正恩の姿があった。祖父の誕生日という節目に招待した海外メディアに、愛想よく振舞う金王朝の3代目。その一挙手一投足を逃すまいと、レンズは必死に彼を追い続ける。

「北は4月25日に行われる軍創立85周年の式典も取材できるよう、一部海外メディアに対しては28日まで滞在を許可しています。当初、日本からはTBSも取材を認められていましたが、3月13日に放送されたある番組が原因で、入国を拒否されたのです」(全国紙特派員)

 その番組とは、坂上忍が司会を務めるバラエティー番組「好きか嫌いか言う時間」。脱北者が出演する韓国の人気番組を織り交ぜながら、公開処刑や政治犯収容所などでの人権侵害が如何に残酷か紹介したものだ。放送では、脱北者やデイリーNKジャパン編集長の高英起氏らが出演し、北の実態を赤裸々に語ったのである

「案の定、放送が終わるとTBSには在日本朝鮮人総聯合会(朝鮮総連)が3日間に亘って抗議の声をあげたのです。今までにない激しいもので、人を替えてやって来ては猛烈に怒鳴り散らす。応対した外信部幹部は憔悴して可哀想になるくらいでした」(局関係者)

 理不尽な抗議を受け“出禁”となったわけだが、問題はその後である。

 槍玉に挙げられた番組に脱北者の一人として出演した川崎栄子氏によれば

「実は、TBSから次回も出演して欲しいというオファーがあって、テレビ朝日からも同様の依頼がありました。ところが、総連の抗議以降、これらの番組の担当者から“出演はキャンセルになりました”という連絡が来たのです。その理由を明確に教えてくれることはありませんでした」

 川崎氏は国連でも北の実態を訴え、金正恩から“暗殺指令”が下っている。まさに命がけの告発者なのだ。

「私の発言が不都合だから抗議してきたのでしょうけれど、総連はいったい何の権利があってメディアに圧力をかけるのか。日本の国民には真実を知る権利があり、どんなテレビ局であろうと報道の自由が保障されています。抗議に屈したテレビ局も弱腰だと思いますが」

 朝鮮半島事情に詳しい、関西大学の李英和教授はこうも言う。

「平壌に行ったからといって、現地では決められた場所でしか取材できません。飢えて困窮する国民が沢山いても、そういう光景は一切撮影させないのです。街には“ヤラセ”で用意された群衆が歩き、北がいかに栄えているかを演出するため、報道陣の質問にはこう回答せよという想定問答集が配布されています。間違えた受け答えをすると罰せられるのは言うまでもありません。総連も日本のメディアも、あまりに子供じみた対応をしていると思いますね」

 これらの指摘に対してTBS広報部は、

「取材や編集、番組制作の過程などについては、お答えしておりません」

 テレビ朝日広報部も、

「番組の制作過程につきましては、従来お答えしておりません」

 と言うばかり。都合の悪いことはシャットアウトなんて、いったいどこの国のメディアなのか。(週刊新潮 2017年4月27日号 掲載)


こう↓したことの効果ですね。効果があることが確認されたので、今後もこうした行動は続くのでしょうね。

2017年04月15日