(KBSニュース 韓国語 2017/04/24)
※記事タイトルの「羊飼い」はイソップ寓話の「嘘をつく子供(オオカミ少年)」から。

去る20日、日本では前代未聞の現金強奪事件が発生した。金塊取り引きのために3億8千万円、韓国のお金で40億ウォン近い現金を下ろして出てきた29歳の会社員に2人の男が近づき、顔面にスプレーを吹き付け、現金が入った旅行用カバンを持って逃げた。

現場には白いワゴンが待機しており、犯行にかかった時間はわずか数十秒。そしてまだ日本警察は犯人逮捕はおろか、逃走した車の行方すら見つけられずにいる実情だ。

連日マスコミを飾っている事件で、半日ほど『韓国』が言及される状況が起きた。その流れを見ると、日本のマスコミ別に持っている韓国に対する認識の差を知ることができる

◇「韓国人か?3億8400万円強奪」…1面トップ

事件当日である21日夕方、インターネット速報を通じて現金強奪事件と関連して韓国人が逮捕されたというニュースが知らされた。内容はこうだ。

(KBS 22日朝のニュースの一部)
〈そして事件数時間後、福岡空港で巨額の現金を持って出国しようとしていた韓国人男性たちが警察に摘発されたとNHKが報道しました。

NHKは、この男性たちが資金搬出のための申告をしなかった状態であり、現金強奪事件との関連性を警察が調査していると伝えました。

韓国国籍ということ以外、捕まった男性たちの正確な身元は分かっていません。〉

40億ウォン近い現金が強奪されたが、その後、巨額を不法搬出しようとしていた人達が捕まった。ところで韓国人だったというのが主な内容だ。事件の容疑者と関連づけられそうな興味を抱かせる内容だが、まだ正確な関連性を決めつけるには不足した水準だ。

ところが、産経新聞は、その翌日の朝刊新聞1面トップを〈韓国人か 3億8400万円強奪〉という刺激的な題名を選んで記事を伝えた。副題は〈空港で現金所持、確保〉だ。

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これほどなら、ほぼ韓国人だと決めつけた水準だ。題名がこれほど強いインパクトを持っている題名で始めれば、内容がどのように構成されても人々の認識の中に残るのは「犯人は韓国人だな...」になるはずだ

読売新聞は、社会面トップの題名で〈銀行前 3億8000万円強奪〉と選び、副題で〈韓国人の男ら聴取〉と説明を付けた

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面白いのは、産経と読売とも保守新聞で、最近の韓日関係で韓国攻撃の先頭に立った新聞という点だ。

中道右派と見られる日本経済新聞は、韓国人が関連したという点を副題で選びながらも〈多額の現金所持の韓国人ら調査、関与否定〉としながら事実関係を伝えた。

◇それでも『韓国人』が捕まったと!!!!

同じ事件でも中道や進歩系新聞はむやみに決めつける愚を犯さなかった

代表的進歩新聞である東京新聞は〈福岡で3億8千万円強奪〉、〈空港で多額所持の男ら調査〉(21日朝刊)とニュースを伝え、中道進歩である朝日新聞は〈福岡路上 3.8億円強奪〉、〈4億円超所持の数人確保〉(21日朝刊)という題名をつけた。

中道と見られる毎日新聞も〈多額現金所持 男ら聴取〉という程度でニュースを伝えた。

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実際、すでに事件当日の20日夕方から福岡空港で捕まった男性たちが犯行との関連性を否定しているという事実が伝えられており、以後、容疑者たちと人相と着衣が異なり、また所持していた現金の金額が強奪された額より多かったという報道も出てきただけに、空港で捕まった韓国人を現金強奪事件と直接関連付けるには無理があった状況に流れていた。

ところが、読売新聞は関連性が薄くなる状況でも21日午後に発行された夕刊新聞に社会面トップの題名を〈7億円所持 韓国人逮捕〉、〈福岡強盗と関連捜査(副題)〉で選んだ。強奪事件との関連性がなくても、ひとまず韓国人が逮捕されたという事実が重要なように題名に『韓国人』を強調した

保守側と見られる日本経済新聞も〈韓国人男4人逮捕〉という題名をつけた。(最も保守的で韓国に批判的な産経新聞は夕刊を発行していない。)

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中道である毎日新聞は副題で〈韓国人ら(小さい文字)7億円所持 関与否定(大きい文字)〉とできるだけ強奪事件と関係がない韓国人が注目されないようにし、進歩側に近い朝日新聞と東京新聞は夕刊報道でも『韓国人』が入った題名は選ばなかった

◇韓国人無関係性は“小さく”伝える産経

それでは、現金強奪事件と空港で捕まった韓国人男性たちの関連性がないという事実が明らかになった後はどうだろうか。

最も強く韓国人との関連性を強調した産経新聞は、以後、空港で捕まった『韓国人』関連の話は題名で選ばず、記事末に〈関連性が低いことが分かった〉と付け加えるのに終わった。

読売新聞の場合、〈7億円「車購入ため」〉、〈関税法違反容疑(小さい文字)逮捕の韓国人(大きい文字)〉と事件の無関係性を明確にした。(空港で捕まった韓国人は韓国で車を購入する代金のためにお金を持っていこうとした道中だったと供述)

ある事件において国籍が重要なファクトとして言及できる場合がある。だが、その前提は、その事件の真犯人とほぼ特定された時の話である。まだ真犯人と特定されていない状況で、あたかも韓国人が犯人のような雰囲気が漂う報道姿勢は一部マスコミの韓国に対する認識とイメージをそのまま見せてくれる。(機械翻訳 若干修正)