(朝鮮新報 朝鮮語 2016/12/19)

朝鮮新報:朝鮮総連の機関紙

《東京新聞》が去る13日から15日にかけて《北朝鮮はいま》という題名で私たちの最高尊厳を甚だ貶して朝鮮の映像を曇らせる連載記事を掲載したのと関連して15日、総連中央代表が抗議団をつないで東京新聞本社を訪れ、久留信一外報部部長、中橋俊夫総務部長、浅井正智外報部次長に会って厳重に抗議した。

席上で代表は今回の記事は、その何か《北朝鮮》関係者という者の証言を何の検証もせずに、まるで真実のように作り出し、私たちの最高尊厳を冒涜する到底容認できない悪意で満ちた謀略記事であると厳重に抗議し、直ちに謝罪して訂正することを強く求めた。

東京新聞側は総連の抗議内容を上部に正確に報告すると述べた。

15日には朝青(在日本朝鮮青年同盟)女性同盟(在日本朝鮮民主女性同盟)留学同(在日本朝鮮留学生同盟:日本の各大学・短大・専門学校で学ぶ北シンパの学生の会)代表が東京新聞本社を訪れて担当者に会って抗議した。(機械翻訳 若干修正)


(東京新聞 2016/12/13)

 今年九月末の夜。北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長は、全国に三十以上ある別荘の一つに急きょ軍長老を集めた。「おまえたちが軍事衛星ひとつ造れなかったのは反逆罪に等しい過ちだ」。泥酔していた正恩氏は怒鳴り散らし、夜を徹して反省文を書くよう命じた。

 震え上がった長老たちは翌朝、書き上げた反省文を携えて控えていた。それを見つけた正恩氏は、事情をのみ込めない様子で言い放つ。「どうして集まっているんだ? 皆いい年なんだから、もっと健康に気を使え」。これを聞いた長老たちはその場で号泣。一方の正恩氏は自分の温情に感動したとでも思ったのか、満足げな表情だったという

 声を潜めてエピソードを語った北朝鮮関係者は、こう推し量る。「粛清が脳裏をよぎった長老たちは、一気に緊張感が解けて泣きだしたのだろう」

 金正日(キムジョンイル)総書記の葬儀(二〇一一年十二月)で、霊きゅう車の左側を護衛した李容浩(リヨンホ)軍総参謀長(当時)ら軍幹部四人は、金正恩体制を支える役割を担うと予想された。だが二年もたたないうちに、四人全員が死亡または更迭された。

 一三年十二月には、正恩氏の叔父で政権ナンバー2とみられていた張成沢(チャンソンテク)国防委員会副委員長が「国家転覆陰謀行為」を犯したとして処刑された。韓国の情報機関・国家情報院によると、正恩政権誕生以来、処刑された北朝鮮の幹部は今年九月までに百六十四人に上る。強制収容所への送致や「革命化教育」と呼ばれる地方農場での強制労働に処された幹部は、数え上げるときりがない

 父の急死で、正恩氏は政治経験不足のまま二十七歳で権力を継承。今年一月に三十二歳になったばかりで、父親に尽くしてきた忠臣や老幹部に劣等感を抱いているとされる。

 「権力維持への不安感から小さな過ちで幹部を粛清する。独断で決めることが多く、成果に不満があれば幹部に責任を転嫁し、残酷に処罰する」。国家情報院は昨年七月、こう指摘した。韓国の北朝鮮専門家は報告書で、正恩氏が父親ほど年上の側近に「この野郎」「処刑してやろうか」と暴言を吐くと紹介している。

 今年八月に処刑された事実が判明した金勇進(キムヨンジン)副首相は六月末の最高人民会議の席上、メガネをはずして拭いていたことが正恩氏の逆鱗(げきりん)に触れ命を落とした。

 こうした「恐怖統治」の影響で、幹部の間には「面従腹背」の傾向が強まっているようだ。「粛清を恐れて仕方なく(正恩氏に)忠誠を示しているだけだ。誰も進んで助言や提言をすることはない」とは、北朝鮮消息筋の解説だ

 正恩氏は三十六年ぶりに開いた五月の党大会で、党委員長に就任。最高指導者として権力基盤を固めたように見える。しかし、消息筋は言い切る。「彼は裸の王様だ」-。
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 金正日総書記死去を受けた北朝鮮の金正恩体制は十七日で事実上の発足五年を迎える。閉鎖国家の現状を関係者の証言などを基に描く。(北京・城内康伸)
(東京新聞 2016/12/14)

 「共和国(北朝鮮)は日本の植民地時代より、ひどい封建搾取制度になってしまった」。首都・平壌に住む中国との貿易商宅に十月初め、顔見知りの地元保安員(警察官)が訪れた。不満を漏らすと、「ところで今月もよろしく」。いつものように、カネの無心に来たのだった。

 北朝鮮では、朝鮮労働党や政府の官吏が地位に応じて「革命資金」と呼ばれる上部機関への上納金を求められ、一般住民にも徴収が及ぶようになっている。金正恩(キムジョンウン)党委員長の外貨獲得拡大の掛け声が背景にあり、保安員によると毎月七十五米ドル(約八千五百円)がノルマ。貿易商は日常生活で支障が出ないようにと、この日もいつものように保安要員のポケットに数ドルを押し込んだ。

 「連中も上納金集めに必死。韓国ドラマの視聴など違法行為を黙認する代わりに、賄賂を受け取るのは当たり前。それでこの国は回っている」(貿易商)

 正恩体制発足後、個人の市場活動は大幅に緩和された。物品が自由に取引できる市場は全国で四百余りに上る。多くの住民が「金正日(キムジョンイル)総書記時代より生活は良くなった」と感じているのは、市場取引が経済を活性化させているからだ

 一般的な北朝鮮労働者が公的に受け取る月給は千五百ウォン(約十九円)~六千ウォン。市場ではコメ一キロ当たり約五千ウォン、卵一個五百~千五百ウォン…。月給だけでは生活ができず、人々は収穫した農作物や中国から持ち込まれた物品を市場に売るなどさまざまな副業で生計を立てている。

 市場では、極めて少額の取引を除いて、米ドルや中国元が主要通貨となっている。北朝鮮ウォンは信頼を失って久しい。

 生活に比較的余裕がある先の貿易商でさえ「(旧正月などの)名節以外に休みなんてない。国家は住民のために何もしてくれない」とこぼす。二月から五月にかけて展開された、建設や生産現場への国民総動員「七十日戦闘」の際には、労働現場に駆り出され、市場での活動が難しくなった住民が不満を募らせた。

 半面、経済活動の幅が広がったことで、商才にたけた「トンジュ」と呼ばれる新興富裕層が生まれた。中国から輸入した建設資材を公的機関に高値で売り付けたり、企業の車両を借りて運輸業を営んだりして巨額の富を蓄えた人もいる。中には、中国・北京郊外にマンションを所有するトンジュまでお目見えし、貧富の格差は広がる一方だ。

 市場経済の拡大は、社会主義を掲げる北朝鮮にとって、国家の統制が効かなくなる危機をはらむ。しかし、当局が住民の生活を保障できないまま強引に統制を強めれば、住民の激しい反発を招く恐れがある。二〇〇九年十一月に突然断行されたデノミネーション(通貨呼称単位の変更)に伴う市場統制は、相次ぐ暴動を引き起こした。

 国際社会の制裁が強まる中、外貨不足で、抜本的な経済状況の改善は難しい。住民生活に責任を持たず、自給自足を強いる「放置国家」の前途には、暗雲が垂れ込める。 (北京・城内康伸)
(東京新聞 2016/12/15)

 今年四月、北朝鮮の国営メディアが全く伝えていない事故が起きた。北朝鮮関係者や周辺国の情報当局によると、朝鮮人民軍所有の潜水艇が北朝鮮領海を航行中、真っ二つに折れ、乗員十二人全員が死亡したという。事故原因は不明だ。

 遺族には数週間後にようやく、地元の人民班(町内会)責任者を通じて、事故の発生が知らされた。各犠牲者には英雄称号が授与され、遺族には新しい住宅が与えられた。最年少の犠牲者は十九歳の青年。その訃報に触れた母親が、天を突き上げるように号泣していたのを、同じ地区に住む住民は目撃している。

 事故から間もない四月二十三日、北朝鮮は咸鏡南道新浦(ハムギョンナムドシンポ)沖の日本海で、潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)一発を発射した。朝鮮中央通信は翌日、金正恩(キムジョンウン)第一書記(現・朝鮮労働党委員長)の立ち会いの下、発射実験に大成功したと伝えた。正恩氏は「強力な核攻撃のまた別の手段を持つことになった」と「非常に満足」したという

 「正恩(氏)には人民の命なんて、ちりと同じ。核の方がずっと重要なのだ」。北朝鮮の内情を知る関係者は憤りを抑え振り返る

 米国のオバマ政権は、北朝鮮が具体的な非核化措置を取らない限り、交渉には応じない「戦略的忍耐」政策を取ってきた。金正恩体制は反発し、核兵器とその運搬手段であるミサイル開発を急いだ。

 北朝鮮が核に固執する理由は、朝鮮中央通信が一月に伝えた論評を見れば明白だ。論評は「イラクのフセイン政権とリビアのカダフィ政権は、制度転覆を狙う米国と西側の圧力に屈して核を放棄した結果、破滅した」と主張。「自主権と尊厳を守ろうとすれば、核を保有しなければならないというのは、血の教訓だ」と強調した

 北朝鮮は今年に入り、わずか八カ月余りの間に二度の核実験を実施した。故金正日(キムジョンイル)総書記時代の十七年に発射した弾道ミサイルの数は十六発。正恩氏は今年だけで、二十一発の弾道ミサイルと三発のSLBMの発射を命じた。

 来年一月に任期満了のオバマ政権を相手にせず「核保有」を前提にして、新政権との交渉に臨む。そのために、年内に核とミサイルの性能を完成段階にまで高めるという計画だ

 複数の北朝鮮消息筋によると、正恩氏は九月の五回目の核実験後、党中央軍事委員会拡大会議を開催。核兵器のさらなる能力向上について、「核保有国」であることを「米国に認識させるための威信をかけた重要事業」と語ったとされる。

 韓国の研究機関には、北朝鮮が二〇二〇年に約百二十発の核兵器製造能力を持つとの推測もある。

 朝鮮労働党機関紙・労働新聞は十一月二十五日、トランプ次期米政権を念頭に次のようにけん制した

 「われわれの核武装解除は妄想だ」「米国の政策立案者は、この(核放棄はしないという)ことを胸に刻んで、正しい戦略的選択を行うべきだ」(北京・城内康伸)

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