(聯合ニュース 2016/09/29)

 ソウル中央地裁は29日、ロッテグループ創業者の辛格浩(シン・ギョクホ、日本名:重光武雄)氏の次男で韓国ロッテグループ会長の辛東彬(シン・ドンビン、日本名:重光昭夫)氏に対する検察の逮捕状請求を棄却した

 ロッテグループの不正事件を捜査しているソウル中央地検は背任・横領の容疑で辛東彬氏の逮捕状を請求していた。これを受け裁判所は28日の審査を経て請求棄却を決めた。その事由を「これまでの捜査の進行内容と結果、主な犯罪嫌疑に関する法理上の争いの余地などを考慮すると、拘束の事由と必要性、相当性を認め難い」と説明した。

 検察によると、辛東彬氏は兄で格浩氏長男の辛東主(シン・ドンジュ、日本名:重光宏之)氏、格浩氏内縁の妻の徐美敬(ソ・ミギョン)氏とその娘を韓国にあるグループ会社の取締役にすることで不当な給与を受け取れるようにした疑いがもたれている。名目だけの取締役で実際には経営活動を行っていなかったとみられるが、計500億ウォン(約46億円)程度の給与が支払われた。

 また、東彬氏は2005~13年にロッテシネマの売店の経営権を徐氏らが運営する会社に与え、約770億ウォンの売上高を上げさせた疑いがある。09~10年にグループ会社の増資に絡み、他の系列会社に約480億ウォンの損害を与えた背任容疑もある。

 逮捕状請求に関する審査の際、検察は東彬氏の主な容疑が経営権承継と密接に関係すると主張したもようだ。経営権承継を争う可能性がある相手に金銭的な利得を提供する代わりに身を引かせたり、経営上の自身の失態を隠したりするために特定の系列会社を不当に支援したとみている。

 しかし逮捕状請求が棄却されたことで、検察の捜査は大詰めの段階で勢いを失わざるを得ない。

 検察は当初、東彬氏の身柄を拘束し、ロッテ建設の約300億ウォンの裏金作り、ロッテケミカルの約270億ウォンの訴訟詐欺などの疑惑についても同氏が主導的な役割を果たしたか調べる計画だった。

 あらためて東彬氏を出頭させるか逮捕状を再請求することもできるが、検察が東彬氏を在宅起訴するとの見方が強い。また検察は、格浩氏を横領・背任と脱税、東主氏を給与横領などの罪でそれぞれ在宅起訴する方針だ。

 すでに徐氏と、辛格浩氏の長女でロッテ奨学財団理事長の辛英子(シン・ヨンジャ)氏は起訴されている。


(聯合ニュース 2016/09/29)

 ロッテグループの不正事件捜査で韓国ロッテグループ会長の辛東彬(シン・ドンビン、日本名:重光昭夫)氏に対する逮捕状請求が棄却されたことを受け、グループ関係者は一斉に「最悪の状況は避けられた」と安堵(あんど)の表情を見せている

 ロッテグループは請求棄却直後、「一日も早く経営活動を正常化し、顧客と協力会社、役員・社員の被害を最小限にとどめ、検察の捜査により滞っていた投資など中長期課題を積極的に解決していく」と表明した。また、「より透明で信頼されるロッテになり、国の経済と社会に寄与する」と述べると同時に、世間を騒がせたことを謝罪した。

 ある役員は、「この先在宅起訴になるとしても、辛会長が韓日のロッテの経営と支配構造の改善にまい進しながら裁判を受けられるようになり幸いだ」と話した。

 ロッテグループに対する検察の捜査は6月10日の大々的な家宅捜索で始まり、財閥系グループに対する捜査としては異例にも3カ月以上の長期に及んだ。これまで呼び出して調べたグループ関係者は500人以上。先月26日には韓国ロッテグループのナンバー2で辛東彬氏の最側近である李仁源(イ・インウォン)政策本部長(副会長)が自殺した。検察出頭を翌日に控えていた。

 その1カ月後、会長の辛東彬氏に対する逮捕状が請求され、グループ内では先行きへの不安と心配がさらに強まった。辛東彬氏が逮捕された場合、韓日のロッテの実質的な持ち株会社であるロッテホールディングス(HD、本社・東京)が同氏を代表から退かせ、日本人の代表率いる日本のロッテが韓国のロッテを支配する可能性も懸念されていた

 トップの不在という最悪の危機はどうにか回避できたが、検察は辛東彬氏を1750億ウォン規模の横領・背任の罪で起訴しており、ロッテは今後、裁判の準備に注力しなければならない。ロッテはこれらの疑惑がグループ創業者の辛格浩(シン・ギョクホ、日本名:重光武雄)氏がトップだった時代のことだったにもかかわらず、すべての責任を格浩氏次男で現トップの東彬氏に押しつけるのは不合理だと強調する計画だ

 一方で、日本のロッテの役員や株主の動揺を抑えるため、日本側と十分に意思疎通を図っていくものとみられる。


おもしろくなるかと思ったのに残念ですね。

手錠
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