(ヘラルド経済 韓国語 2016/01/21))

慰安婦少女像移転問題をめぐり世論と野党圏の反発が激しい中、韓国政府が適切な時期をうかがいながら環境づくりを進める雰囲気だと日本経済新聞が21日、報道した。

日経はこの日〈韓国政府は今年前半期頃の財団設立と共に元慰安婦や支援団体の意向を反映させる方針〉とし〈韓日修復を軌道に乗せながら、少女像移転のための雰囲気を醸成させるものと見られる〉と観測した。引き続き〈移転実現まで長期化する見通しが強まっている〉と付け加えた。

韓日慰安婦協定によれば、韓国政府は「韓国政府は日本政府の懸念を認知し、関連団体などとの協議などを通じて適切に解決されるように協力する」と明らかにした。しかし、日本政府が「少女像は撤去されるものと理解している」と述べ、韓国世論と慰安婦被害者が大きく反発した。読売新聞と朝日新聞は〈少女像移転を前提に合意が行われた〉と報道もした。岸田文雄日本外相は「(少女像に関し)合意案の内容の他に議論されたことはない」と線を引いたが、少女像が適切に移転されるという認識を依然として示した。

一方、少女像の撤去問題をめぐり、日本保守メディアは“ソウル市を圧迫すればやめる”という認識を表わしている

高木桂一産経新聞コラムリストは昨年3月にマークリパット駐韓米大使被襲撃事件が発生した際、〈市民団体による日本大使館の前の『慰安婦少女像』の設置は不法にもかかわらず黙認されている国が韓国〉と非難した。

保守オンラインメディアであるプロゴス(BLOGOS)は〈治外法権で保護される外国公館の前に設置された像は実際には‘不法’建築物〉としながら〈実際にソウル市鍾路区庁は『政府機関でなければ道路などに建築物を設置することはできない』という却下の公文をおくった〉と説明した。引き続き〈しかし、少女像の設置が強行されると『許可の可否に関わらず、建築物が公益に損害にならなければ強制的に撤去することはできない』という態度を取った〉と指摘した。

ソウル市あるいは区庁を通じて少女像問題が国内的に調整可能な問題であることを指摘したのだ

歴史修正主義の立場で慰安婦問題を扱った本『よくわかる慰安婦問題』を書いた西岡力東京キリスト教大学教授も2014年のある講演で「慰安婦少女像はウィーン協約に違反している。また、私有地でなく、道路を無断占有しているという点で不法」としながら「ソウル市庁は‘反日の聖地’だが政府が処理しなければならない問題」と主張した。(機械翻訳 若干修正)


韓国「少女像」波乱の芽 政府、移転時機探る  争点化狙う野党、支援団体は強硬姿勢崩さず
(日本経済新聞 2016/1/21)

 ソウルの日本大使館前に設置された慰安婦を象徴する少女像の移転問題が韓国内の波乱の芽になりつつある。昨年末の日韓合意は、韓国政府による「解決への努力」を明記したが、元慰安婦支援団体に加え、野党も4月の総選挙での争点化を狙って再交渉を求めるなど移転の道筋がみえない。韓国政府は時機をうかがいながら環境づくりを進める構えだ

 「韓国政府は再交渉しろ!」「安倍(晋三首相)は元慰安婦に謝罪しろ!」。20日正午。日中でも零下10度前後の冷気に包まれた日本大使館前で、日本政府に抗議する「水曜集会」の出席者たちが少女像を囲んで日韓合意の破棄を訴えた。

 集会を主催する元慰安婦支援団体、韓国挺身(ていしん)隊問題対策協議会(挺対協)は合意直後に「少女像は歴史のシンボルであり公共財産」として韓国政府が撤去や移転に介入しないようけん制。14日の記者会見では、日韓両政府の合意に反対する声明を計380超の団体名で発表した。

 元慰安婦6人や支援団体は、韓国政府が元慰安婦支援を目的に設立し日本が10億円を拠出する財団からの資金の受け取りも拒否すると宣言した。19日には、国立釜山大の総学生会が日本の植民地支配からの解放記念日の8月15日までに釜山の日本総領事館前に少女像を建てる構想を明かした。

 4月に総選挙を控える政界にも飛び火している。韓国最大野党「共に民主党」の文在寅(ムン・ジェイン)代表は19日の記者会見で「わが党の勝利によって、慰安婦交渉を原点に戻す作業が始まる」と述べ、合意の是非を与野党の対立軸に据える考えを表明した。同党を離党し、次期大統領選の野党候補の一人と目される安哲秀(アン・チョルス)議員も合意に批判的な立場だ。

 韓国内では主要メディアを含めて日韓関係の改善を求める声が強く、抗議行動も今のところ大きな広がりをみせてはいない。ただ、民間調査会社の韓国ギャラップが8日発表した世論調査では、少女像の移転に反対する回答が72%に上った

 少女像に関する日韓合意は「韓国政府は日本政府の懸念を認知し、関連団体などとの協議などを通じて適切に解決されるよう努力する」となっている。日本政府が「少女像は撤去されるものと理解している」(安倍首相)と早期移転に期待するのはこのためだ。

 朴槿恵(パク・クネ)大統領は13日の年頭記者会見で、慰安婦問題に「最善を尽くした」と合意履行への決意を示した。少女像については「政府がああしろ、こうしろと言える問題ではない」と指摘。合意全体の履行のため日本も「一緒に努力すべきだ」と求めた。

 韓国政府は今年前半を視野に入れる財団設立にあたって元慰安婦や支援団体の意向を反映させる方針。日韓修復を軌道に乗せながら、少女像移転に向けた雰囲気を醸成させる狙いとみられる。移転実現まで長期化する見通しが強まっている


できた時にすぐ撤去しとけば、こんなに悩むこともなかったのにね。

いまさら「違法だから」とは言えないでしょうし、どんな理由で撤去するつもりなのかな。


よくわかる慰安婦問題 (草思社文庫)
西岡 力
4794219423