(統一日報 2015/10/21)

民団は周知活動と申告指導

 在日韓国人が二度泣いている。一度は韓国の過剰な租税政策に、二度目は、日本の税務当局に標的とされていることに。昨年から日本政府が実施している国外財産調書制度で、在日韓国人が「狙いうち」にされているようだ。韓国側では日本の税務当局の調査を問題視する議員もおり、外交問題に飛び火する恐れもある。(ソウル=李民晧、東京=鄭重国)

 9月中旬、愛知県内の在日韓国人数人が、韓国の新韓銀行の株式配当や譲渡益、相続などで計6億円の申告漏れを指摘されていたことが報じられた。報じた中日新聞によると、追徴課税額は1億数千万円に上る見込みだ。同紙は、名古屋国税局が調査を行い発覚したと説明。情報源として「(国税局)関係者」の存在も明らかにしている

 税務当局は、名古屋での調査結果を受け、対象を全国に広げようとしている。すでに複数の地域で、国税局の調査を受けた在日韓国人が追加の納付に応じている。神奈川県内の在日商工人の中には、ある日突然に税務署から連絡があり、調査を受けて追加納付に応じた人もいた

 課税の根拠となったのは、昨年から提出義務が生じた国外財産調書制度だ。日本の居住者であれば、海外で得た所得や保有する資産額を申告しなければならない。対象額は5000万円以上で、預貯金から株式の配当金、社債、不動産など、ほぼすべての財産と、そこから得られる所得を提出する。対象者の国籍は問われない。

 制度が始まってから、韓国以外の在日外国人も申告漏れを指摘されている。メディアに取り上げられるほどの巨額のケースもあるが、いずれも税金を追納している。

 なぜ今回、在日韓国人が”ターゲット”にされたのか。国税局は韓日租税条約で規定された情報提供に則ったとのことだが、日本はほかの国とも類似の協定を交わしている。また、2、3年前から電算化がすすみ、両国間で該当者をチェックしやすくなっているという

 関西地方のある在日韓国人2世は「(国外財産調査制度が)日本で生活している住民全体を対象にした制度にもかかわらず、目立って韓国人の特定会社の株主が問題人物のように扱われることは釈然としない」と述べた。これと関連して税務署職員が実績を稼ぎやすいからではないかという話も出ている。

 問題としているのは、国税局職員が外部に個人情報を漏えいした情報保護義務違反と、日本の当局が意図的に韓国人を狙ったのではないかという点だ

 偶然にも国税局の在日韓国人の税務調査は、韓日両国間に朴槿惠大統領と安倍首相との首脳会談開催が論議されている時期に浮上している。この問題をめぐり、日本政府内に韓日関係の回復を望まない人たちもいるのではないかという分析も出ている。

 国外財産調書制度は今年で施行2年目を迎える新設制度だ。在日韓国人の権益団体である民団は全国各地で制度の説明会を開催するなど、周知活動をしてきた。制度導入当初から在日韓国人社会では、申告を推奨している。

 ただ、まだ一般的に広く知られているとはいいがたい。在日韓国人だけでなく、日本社会全般も事情は似たようなものだ。会計士でさえも制度に不慣れな者もいるという。

 在日韓国人の大半が誠実に納税の義務をはたしているのは事実だ。税務署の指摘を受けた株主の多くは修正申告と追納をすませている。それでも日本の中の善良な住民を「外国人」という理由で”標的”にするのは穏当ではないという懸念の声が、在日韓国人の間から聞こえてくる


>名古屋国税局が調査を行い発覚したと説明。情報源として「(国税局)関係者」の存在も明らかにしている。
>神奈川県内の在日商工人の中には、ある日突然に税務署から連絡があり、調査を受けて追加納付に応じた人もいた。
>問題としているのは、
国税局職員が外部に個人情報を漏えいした情報保護義務違反

何を言っているのかよく分かりませんが、国税局が税務署に情報を“漏洩”したって批判しているんですかね。

国税庁の機構 (国税庁ホームページより)

国税局・沖縄国税事務所

全国に置かれている11の国税局及び沖縄国税事務所は、国税庁の指示を受けて、税務署の賦課・徴収事務について指導及び監督を行うとともに、自らも大法人等の税務調査、国税犯則取締法に基づく犯則事件の調査(査察)、大口滞納の滞納整理を行っています。国税局は国税庁と税務署との間のパイプ役であるとともに、特定事務については、税務署の管轄を越えた広い地域にわたって、自ら賦課・徴収を行っています。国税局は、いわば税務行政の地方拠点です。 


 韓国の銀行株主が申告漏れ 愛知の在日韓国人、名古屋国税が指摘
(中日新聞 2015/09/11)

 韓国の大手銀行「新韓銀行」(ソウル市)の株を保有する愛知県内の在日韓国人数人が、海外財産の報告を怠るなどし、名古屋国税局から株の配当や譲渡所得、相続など約六億円の申告漏れを指摘されたことが分かった。国内の大口株主が保有する同行の株資産は総額一千億円を超えるとみられるが、大半が報告されていない可能性があり、税務当局は多額の申告漏れがあるとみて、全国的に調査を始めるもようだ

 日本の居住者は国籍を問わず、海外で得た所得も課税対象になる。国税当局は昨年から、五千万円以上の海外財産を持つ人に、資産の種類や金額を記載する「国外財産調書」の提出を義務付けた。ただ、調査権限が及ばない海外は所得者の自己申告に頼らざるを得ず、調書の未提出や記載漏れが多いとみられる。

 今回は日韓の租税条約に基づいて提供された情報を端緒に、名古屋国税局が同行株の保有者を照合し、申告漏れが発覚したもようだ。一度にこれほどの規模で、個人の海外財産が把握されたのは極めて異例。

 関係者によると、愛知県内の株主が指摘を受けたのは、二〇一三年までの三年分。韓国で一部課税された分を差し引いた税額と、過少申告加算税を含めた追徴課税は一億数千万円に上り、ほぼ全員が修正申告を済ませた。

 指摘を受けた株主は、銀行設立当初からの出資者やその親族ら。銀行の資産規模の拡大で保有株の価値が膨張したが、株の配当や譲渡などで多額の利益を得たり、株主が死亡し親族が株を相続したりした際、申告しなかったとされる。

 株主の一人は本紙の取材に「税務署の考えと異なることはあったが、過去にさかのぼって配当所得を申告して納めた」と話した。

 <新韓銀行> 戦後に日本で起業し、成功するなどした在日韓国人341人が、在日企業の祖国進出を促すなどの目的で、1982年、資本金250億ウォン(当時の為替で約80億円)を出資して創設。韓国初の民間設立銀行となった。その後韓国の有力銀行と合併するなどし、新韓グループ全体の資産規模は国内4位に成長した。近年は外国人株主が増え、在日韓国人の株保有率は2割を切っている


税務署VS脱税者 どんな善人でも税金はごまかす
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