(世界日報 韓国語 2015/08/05)

イ・ドクポン同徳女子大学名誉教授・元韓日学会会長

最近、韓国の世論が日本の戦後70周年を迎えて発表される安倍談話に神経を尖らせている。反省と謝罪表現に対する関心である。安倍晋三日本総理は、2013年4月の参議院での答弁で過去の侵略の歴史を否定したのを始め、村山談話と河野談話を否定する修正主義歴史観を示してきた。同じ脈絡の歩みが続きながら2年半にわたり韓国の世論は安倍の一挙手一投足に熱く反応してきた。ついに安倍の歴史観は最近、日本と世界の知識人の糾弾声明まで波紋をもたらした。

それでは対外的なイメージ損傷を甘受しながらも歴史の修正を試みた安倍の意図は何だろうか。たとえ安倍の談話に反省と謝罪の表現が含またとしても、果たして私たちは何かを得ることになるのだろうか。せいぜい20年前の村山談話の内容の繰り返しだけになるようである。

安倍政権が直面しているこれまでの状況を見てみると、外は2012年以来、中国との領土紛争による激しい圧迫があった。内は2011年の津波と放射能の被害で全国が低迷の沼にはまった状態で国民の自信を回復させる突破口が必要だった。

安倍政権はこれらの突破口に修正主義歴史というカードを選択したのである。憲法の解釈を変えて戦争を遂行することができるようにすることにより、対外的には中国に対する警告のメッセージを投げた。対内的には強い日本を浮上させるとともに、社会的ストレスは嫌韓感情で解いていくことにした。安倍が設置した罠に対外的には安倍自らがひっかかった面があるが、対内的には大きく成功した罠であり、その罠に韓国がひっかかったのである。

これまで日本で中国を嫌悪する情緒は表出されたことはない。むしろ中日関係の改善の兆しと共に韓国に集まっていた遊客(中国人観光客)が、あれほど嫌悪していた日本に集まっている。しかし、韓国の反日感情と日本の嫌韓感情は過度に深くなりながら容易く解けそうにない

同じ罠を経験した状況で、なぜこのように異なる結果を招いたのだろうか。そこには情報の役割が大きかった。日本のメディアは韓国語版がない。中国のメディアは日本語版を作っていない。

しかし、韓国のメディアはインターネット日本語版を発行しており、日本人たちが韓国の敵対的な記事を濾過なしに接している。さらに、韓国のネチズンが吐き出す日本に対する敵対的な表現は、私たちが作った自動翻訳機を通じて日本のネチズン(ネットユーザー)がリアルタイムで接することになる。

すなわち、韓国で展開されている日本に対する考えや表現が、そのまま日本人に中継されているのである。日本語版記事を通じて日本の読者を説得するどころか、韓国が日本を敵対視していることを日本人に確認させているわけである。その結果、かつてなかった嫌韓感情が日本列島を覆うことになったし、回復する気配さえ見られない。わが方の意思表現方式と情報運営の弱点が明らかになったのである。

私たちが安倍の誤った歴史観を正そうと思う目的は、過去の歴史の真実を明らかにすることによって正しい韓日関係を確立し、平和な未来を子孫に残すためではないだろうか。世論は日本を敵性国家のように対し、経済は味方として接する二重的姿勢では、固着状態に陥った今の韓日関係を改善できない。韓国政府は来るべきアジア時代に備えた具体的な対日政策を提示することにより、より能動的に世論を先導しなければならない。世論を沸せておいて政治は水面下で交渉した20世紀の方法は両国の政界とも通じない時代になったためである。選挙が政権を選択する民主化された情報化時代の韓日関係の確立には、両国の世論の役割も非常に大きい。

したがって、韓国のメディアは日本語版の記事の効率性を再考しなければならない。そして私たち皆、感情一辺倒の表現を自制し、平和なアジアの新しい歴史を私たちが先導して行くため、より大乗的であり、多様な対日姿勢の確立が優先されなければならない。(機械翻訳 若干修正)


日本人がありのままの韓国人を見たら嫌韓感情が芽生えるのは当たりまえと思っているんですね。

SAPIO(サピオ) 2015年 09 月号 [雑誌]
B010TMHI4E