清水建、「マイカル大連」工事費訴訟で敗訴確定
(日経新聞 2007/01/17)

 中国遼寧省の大型商業施設、 「マイカル大連商場」の工事費用の残金支払いなどを巡り中国で争われていた裁判で、清水建設の敗訴が確定したことが17日分かった。清水建は契約書などを根拠に支払いを求めたが認められず、逆に約20億円の支払いを命じられた。今後、日本のゼネコンの中国事業参加にも影響を及ぼす可能性もある。

 清水建は「契約も残高確認書も全く無意味という事態は経験がなく、どうにも理解し難い判決」(広報部)としている。

 判決は中国の最高裁にあたる最高人民法院が昨年12月26日に言い渡した。同法院は2004年12月29日に遼寧省高級人民法院が下した判決を全面的に支持。一審と同様、清水建に対し、工事費用の過払い分の払い戻しや欠陥工事の修理費用などに加え、二審の裁判費用全額の支払いを命じた。二審制をとる中国では清水建の敗訴が確定した。




一審判決時のニュースに詳細が載ってました。


清水建設「旧マイカル大連」訴訟敗訴 (CHINA SUPERCITY 2005/04)

(略)発端は1998年10月末、マイカル大連商場を施主である大連国際商貿大厦(国貿大厦)に完成物件を引き渡した時に遡る。96年1月の契約締結時から引き渡し時までに4分割で支払われる予定だった最後の工事代金、つまり4分の1(3850万ドル)が未払いとなったことが原因だった。清水建設は、中国の時効となる2000年10月に日本の高裁にあたる遼寧省高級人民法院に国貿大厦を提訴した。

 マイカル大連商場は、商業施設およびホテルを予定通り開業させている。契約通りに建てて引き渡しを終えたのだから、清水建設が当然勝つものと当の清水建設関係者は考えたのも無理はない。が、結果は被告となった国貿大厦の言い分がほぼ認められ、逆にこれまで清水建設に支払った工事代金を国貿大厦に返済させる判決が下ったのである。

 その理屈はこうだ。清水建設は契約通りの引き渡しを国貿大厦に行っていない。清水建設が建てた建物は1億5400万ドル(契約締結時)の価値はない。この結果、すでに支払われていた1億1550万ドルから新たな鑑定結果から差し引いた938万841ドルの返還に、工事の品質に起因する改善費用などを加えた約1590万ドル(約16億円)を国貿大厦に支払うように命じたのである

 訴訟で浮き彫りになったのは、清水建設と国貿大厦との認識の違い。清水建設側は当初契約通りで、中国の建築基準に従った建物を建てた。引き渡しも終えているので約束通りに代金を支払えという

 一方の国貿大厦側は、契約通りの建物ではなく、正式な引き渡しを終えていないから、新たに鑑定しその価値分を支払う

 一審では後者の国貿大厦側の言い分を認めた。「清水建設の言い分を知る限り日本の商慣行ではあり得ない判決」(日本の建設業界関係者)だ。「国貿大厦は清水建設に減額請求という形で反訴したが、建物建設をめぐりこれだけの減額を認めた判決は非常に珍しい。地方では政府、裁判所、弁護士が想像以上に癒着していることを思えば、公平な裁判かどうかも疑わしい」と上海の弁護士も話す

 また98年当時、未払い金の理由について国貿大厦は「建物の瑕疵」であると言及しておらず、これはむしろ裁判後に持ち出された主張」であることからも、何らかの意図が働いたことが推察されるのだ。
清水建設は一審判決を不服として日本の最高裁にあたる北京最高人民法院に上訴。(略)



支払命令の金額が16億から20億に増えている・・・・・・。
まぁ、10年前ですから清水建設も中国進出に期待と夢を抱いていたんでしょうね。

ひと昔前はこんな↓記事が出ることなんて無かったですからね。


なぜ中国で不良売掛金が増大するか、要因と対応策 (サーチナ 2006/11/27)
 
(略)最後になぜ中国で不良売掛金が増大するか、対応策とあわせ触れてみたい。

売掛金管理責任者不在のところが多く、規模に応じて責任者を置くことが重要だ。
「担当者が変わったから知らない。もう払えないよ」と言われることが多い。中国はあくまで証拠重視の国、エビデンスを残すことが重要だ。転職、ジョブホッパー天国の中国。社内のマニュアル作りと正確な引継ぎと証拠書類を残すことが大事である。
販売先との良好な関係作りの欠如。これは総経理自ら築きあげること。
・セールスマンの意欲、スキル不足も要因の一つだが、こらはセールスマン評価に回収を入れることで改善される。
全社挙げての回収思想とシステムの構築は極めて重要で、こうした相手から支払いをするのが中国だ。筆者はかつて雲南省の代理店で債権が焦げ付き、当該顧客の父親を訪ね香港経由で台湾に回収に行ったことがある。全額は回収できなかったが、この執念が社員、セールスマンに与えた影響は大きかった。

  与信・売掛金回収業務に王道はない。
  世界一の市場が生まれる勢いの中国で粘り強く、地道な取り組みが必要だ。
  売掛金回収こそビジネスの基礎をなす極めて重要な活動である。
  商業の国、中国ではまだまだ「社会主義のトラウマ」が息づいている
  優秀な財務担当者はいかに金を払わないで済ませるか、支払いを伸ばすことができるかが評価基準といわれて久しい。
  中国人はビジネスに義を持ち込まず、利と理で勝負する。ビジネスで勝つなら相手を騙しても勝つのが善
という相手が多い。華僑はじめ世界で勝ってきた中国商人たちは日本人のスタンダードからはるかに遠い。日本式を押し付けた中国ビジネスはやけどをすることが多い。(略)
 


で、こう↓なるわけですね。


「日本の対中投資、昨年30%の大幅減」  (NEWSIS/朝鮮日報 2007/01/19)

 2006年の日本の中国に対する投資額は前年比29.58%減の45億9806万ドル(約5563億6500万円)にとどまった、と時事通信が18日報じた。

 時事通信によると、中国商務部は前日、金融部門を除いた昨年の海外からの対中投資統計を発表し、このように伝えたという。 日本の対中投資の減少は、2002年(3.6%)以来4年ぶりで、特に2005年の場合は2004年に比べ投資が19.8%も増加していた。

 また、対中投資の大幅減の理由として、2005年には自動車関連の大手商社への投資が行われていたものの、2006年はそれが減ったため、と指摘した。

 しかし、タイやベトナム、インドなど中国よりも生産コストの低い拠点に対する日本企業の関心が高まっており、今後も以前のように対中投資が大幅増加する可能性は少ない、と貿易関係の消息筋はみている。




“中共の国”のあいだは、まともな付き合いを期待するだけ損しますよ。



中国現代化の落とし穴―噴火口上の中国 中国現代化の落とし穴―噴火口上の中国
何 清漣 坂井 臣之助 中川 友

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