(ヘラルド経済 韓国語 2015/05/14)

『頭の戦い』(外交戦争)から『胸の戦い』(文化戦争)に広がっている。

アメリカ、中国、ロシアなどとの外交関係をめぐり激しい競争を行っている韓日両国の対立関係が文化面にも広がっている

外交戦の渦中にグローバルイベント『エキスポ(ミラノ)』(ミラノ国際博覧会(万博))と『ビエンナーレ(ヴェネツィア)』(偶数年は建築展、奇数年は美術展。ベニス)が今月初めイタリアで同時開幕し、文化面の競争が頭を上げた。

オリンピック、ワールドカップと共に世界3大イベントと呼ばれるエキスポでは各国が国別館を開いて広報に出る。今回のミラノエキスポの主題は『食』である。ヴェネツィアのビエンナーレは文化系のビッグイベントだ。隔年で建築展と美術展が交互に開かれる。今年は美術展である。やはり各国が国別館を開いて粋の対決を繰り広げる。

韓国と日本の文化財のユネスコ世界文化遺産登録勧告は両国の葛藤に油を注いでいる

エキスポとビエンナーレでの対立が自尊心をかけた善意の小さな競争ならば、文化遺産登録をめぐる葛藤は感情が混ざった大きな戦いだ

▲キムチvs.スシ(味の対決)

ファッションの都市ミラノで韓日間の食の争いが繰り広げられている。両国は去る1日に開幕し、来る10月31日まで開かれるミラノエキスポに並んで参加した。全145か国の参加国のうち日本館は6番目、韓国館は9番目に大きな規模で展示館を設置しながら自尊心対決を繰り広げている

韓国館は「ヨーグルトの100倍に達する乳酸菌を含む韓国の発酵食品が未来の食品への提案」という主題で作られた。『発酵』に焦点を合わせて展示館内に365個の甕を設置した後、甕のふたの上にテンジャン、コチュジャン、キムチなどの写真を映した。また巨大な甕の模型を設置し、映像を通じて発酵の優秀性を強調した。

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一方、日本館は海と陸からとれる材料の『調和のとれた多様性』(日本の公式発表は「Harmonious Diversity -共存する多様性-」)を主題とした。魚、白菜、大根などの食材と共におにぎり、ラーメンなど日本の代表的食品を模型で作って壁に展示した。日本特有の細やかさが生きている模型などを見て外国人観覧客はしきりにカメラのシャッターを押した。

何より情報提供の面で日本が上回った。日本館内の『多様性の滝』(ダイバーシティの滝)と名付けられた巨大なLEDの柱には様々食品の写真が上から下に流れる。1枚の写真にタッチしてスマートフォンを近づけると食品に対する説明が出てくる。日本側は関連資料が1,000余りだと紹介した。

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一方、韓国館では1階ロビーに小さない三角形の柱をたててサムゲタン(参鶏湯)、チャプチェ(春雨炒め)の写真と簡単な説明を付けておいたのがほとんどすべてであった。韓国にどんな食品があるのか気になって訪れた観覧客に十分な説明になることは難しくみえた。日本館の場合、おにぎりの模型だけでも梅の漬物などの種類別に32個であった

韓食はテンジャンのように深い味を持ち、日本食は味と共に目で見る楽しみも備えた食品だ。両国は展示館内のレストランで直接食品を販売し、世界の人の食欲をひきつけるための真剣勝負を繰り広げる。

▲理性vs.感性(粋の対決)

一方、ヴェネツィアでは韓日間の『美術』対決が話題だ。去る9日に開幕した第56回ヴェネツィアビエンナーレ(~11月22日)で韓国、日本は‘目に見えない競争’を行っている。

まず、国別館展示で両国は相反したコンセプトの展示を披露した。

韓国は『縮地法と飛行術』を、日本は『手に握った鍵』(日本の公式発表は「掌の鍵」)をそれぞれタイトルに掲げた

ムン・ギョンウォン作家、チョン・ジュノ作家が参加した韓国館の展示は、実際の脳科学分野の仮説をベースに未来の人間の日常を扱った映像を曲面型LEDディスプレイを含む7つのチャネルで上映した。

一方、日本作家の塩田千春は古い舟の彫刻と赤い糸、鍵で作った大型インスタレーション作品で日本館展示場を満たした。美術関係者たちは「韓国館は頭で理解する展示、日本館は胸で感じる展示」と評価した。

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開幕当日の興行は韓国館が上回った。特に世界的な美術界のパワーマンが相次いで展示場を訪れた。ジャン・ドゥ・ロワジー(Jean de Loisy)パレ・ド・トーキョー(Palais de Tokyo パリ)館長は「最高の国別館(Top pavillion)」と言いながら親指を立てた。開幕式後に続いたVIPの晩餐ではホン・ラヒ(洪羅喜 サムスン電子会長夫人)サムスン美術館館長、ニコラス・セロータ(Nicholas Serota)テート・モダン美術館(Tate Modern ロンドン)館長などが最後まで席を守った。

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日本館は開幕式後、一般観覧客から根強い人気を得た。観覧客は展示場に入ると「わー!」という感歎詞を吐き出した。圧倒的なスケールと感性的なタッチの作品が引き出した反応だった。

国際展(本展示)は韓国の圧倒的な勝利が並んだ本展示に韓国は3人(キム・アヨン、ナム・ファヨン、イム・フンスン)の作家をリストにあげた一方、事前リサーチトリップを進めなかった日本は若死した‘天才画家’石田徹也1人の作品だけを上げた。

特に本展示に参加した韓国作家のうちイム・フンスン(46)が35歳以下の若い作家に授ける『銀獅子賞』の栄誉を授かることになって、決定的な‘判定勝ち’をもたらした

▲古代vs.近代(魂の対決)

ユネスコ世界文化遺産登録をめぐり韓日間の緊張の水位が高まっている。日本の歴史教科書歪曲に続き、世界文化遺産登録で論議が広がる様相である。世界文化遺産委員会の諮問機構である国際記念物遺跡会議(ICOMOS)が去る4日、日本の近代化産業施設遺産23か所を韓国の百済歴史遺跡区とともに登録勧告し、日本は歓呼一色である。日本の近代化産業施設23か所のうち端島炭鉱など7か所は朝鮮人が大規模に強制徴用された施設なので公憤を買っている。強制徴用と軍需物資の生産地を世界文化遺産に認定することが普遍的価値に相応しいのかという指摘が出ている。

世界文化遺産登録が確実視される百済歴史遺跡区は、公州の松山里古墳群、扶餘羅城などを合わせた8か所で、遺跡会議は韓国、中国、日本の古代王国間の相互交流を通じて百済が成し遂げた建築技術の発展と仏教拡散を示すという点を高く評価した。

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日本の産業施設遺産には、アジア初の近代革命遺産という評価がついた。日本は中国と韓国の非難を避けるため、これら産業遺産を1850年代以降、1910年代までに限定することにより、太平洋戦争中の強制徴用と無関係であることをアピールする巧妙な論理を展開している。

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日本は九州と山口地域を含む11県の明治時代の遺産を登録させる作業を2006年から専門家グループを結成し、本格化させた。2009年に日本政府が‘暫定リスト’にこの施設をあげた事実をわが政府は2012年に一歩遅れて把握して反対の立場を明らかにしたが、特別に成果を上げることができなかった。登録は来る6月28日から7月8日、ドイツ,ボンで開かれる世界遺産委員会で会員国の表決により最終決定する。これまで登録推薦はほとんど受け入れられてきた。表決は要式行為という話だ。安倍日本首相は登録決定権を持つ関係国に親書を送るなど積極的な外交活動を行っている。

学界では被害国との連帯を通じた指定反対運動の必要性を提起する。これと共に対抗作戦として『強制動員関連記録物』のユネスコ世界記録遺産登録推進にも声を高めている。わが政府は来る22日に東京で開かれる両者会議を通じて産業施設23か所のうち7か所について『強制徴用施設』表記を提案する予定だが、実現するかは未知数である。手遅れになって騒ぐ対応に非難が高まっている。(機械翻訳 若干修正)


独り相撲ですね。

Discover Japan (ディスカバー・ジャパン) 2015年 06月号
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